『あさくらちゃん対策』
今回は、あさくらちゃんのお話です。
『竜興が腹黒すぎる』とのご意見で、子供らしい一面を描きます。
(わざとなのか、演技なのか、幼い肉体に影響されているのかは不明です)
多分ギャグでしょう。
あさくらちゃん対策の話をしよう。
あなたは、越前.朝倉氏をご存じだろうか?
詳しくは、ひさまさ氏の『長政はつらいよっ!弱小浅井はハードすぎ!』を、
読んでいただけるとその実態がよく判ると思う。
朝倉宗滴が、とってもジャイアンである。
ということが、しみじみお判りになるであろう。
彼が小谷に築いた、大嶽城なんて、まんま付け城である。
(大坂城西の丸・伏見城に入った家康よりひどい。)
本丸が見下ろされる亮政・久政がマジ不憫な存在である!
ちなみに朝倉家は……、
『本家』 当主.朝倉義景とそれを支える一門、家臣、国人衆。
そして、本家を支える両翼。
『大野郡司家』の朝倉景鏡と、
『敦賀郡司家』の朝倉景紀・景晃。
といった3つの勢力に大別出来ます。
かの朝倉宗滴は、敦賀郡司家の当主であったのです。
越前一乗谷の中央政権と、
北東の美濃・飛騨を睨む『大野郡司家』と、
南の若狭・近江を伺う『敦賀郡司家』の3つの家の集まりなのである。
しいて名前を付けるならば…、
『あさくら なかちゃん』
『あさくら ほくと(う)くん』
『あさくら みなみちゃん』である。
…まあ、細かいことはどうでもよい。
これ以上の冗談は、物語り世界の崩壊につながるからな。
大事なのは、朝倉氏は浅井家を『ポチ(飼い犬)』だと思っている! ということだ。
朝倉家は意外と、面倒見がよい飼い主なのである。
長政の肥田城後詰めの戦い(野良田の戦い)にも、援軍を500ほど送るくらいには……。
浅井久政が、朝倉にしっぽを振りつつ『六角家』に臣従していたのは、さぞや腹立たしかったであろう。
長政が、ガチガチの反.六角になったのも、もしかすると朝倉の謀略があったのかも知れない。
クーデターがあっさりと成功している時点で、朝倉氏暗躍の可能性は大いにあると思う。
そんな朝倉家である。
さて、土岐家の俺が浅井家の相続問題に介入してきたことを、あさくらちゃんはどう思うであろうか?
1.『キミ、お爺ちゃんを助けに来たの? えらいねぇ、お菓子をあげよう』
2.『……』 知らんフリ
3.『ぶっ殺す!』
さてどれでしょうか?
あの野良田の戦いの翌日、俺は小谷城へ行くことにした。
そこには、長政の救援に駆けつけた朝倉の兵500がすでに来ておりました。
別に、戦いなどしませんでしたよ。
500対3000で勝ったワケではありません。
そういう次元の低い戦いは、将来に禍根を残します。
土岐家が引き上げた後、攻められるようでは意味がありません。
ココは先ず平和的にお話しです。
俺は、『敦賀郡司家』の景紀殿と会談いたしました。
場所は、『神照寺』にしました。
― 神照寺 ―
神照寺は、由緒あるお寺である。
第59代 宇多天皇様の勅命により、益信僧正(本覚大師)様が、初代の住職となり、七堂伽藍の具わった古刹を建立したのがこの寺のおこりである。
別名、『萩の寺』とも云われる。
萩の木、約1,500株、2万本が群生し、細長い枝に可愛らしい花を付け、初秋の風に揺れる風情は格別です。
足利尊氏公が、境内にこの萩をお植えになられたと伝わっている。
ちなみに、『萩』の花言葉は、「誠実」 「思案」「内気」「想い」「柔軟な精神」「柔らかな心」「前向きな恋」 である。
そんな古刹でのお話し。
「我ら朝倉家は、宗滴さまの代より浅井家を支援してきた、無用な介入はご遠慮いただきたい」
そう景紀殿が切り出してきた。
「いえいえ、私は孫ですから他人事ではありません」
「外孫ではござらぬか」
「外でも内でも孫は孫です!」
「すでに浅井家の当主は長政殿であると、国人衆も支持したはずです」
「反対の方もいましたよ」
俺も、そこはすかざず反論した。
「朝倉家は、すでに長政殿の相続を認めている。無用な混乱を起こすのは、浅井のためになりませぬぞ」
「……」
うわっ、恫喝してきた~ぁ、ナニこの人コワイ。
我慢ガマンです。戦いは最後の手段です。
「朝倉は本気ですぞ、速やかに美濃にお帰りなされい!」
景紀は、なおも舌端火を吐くが如くたたみかけてくる。
「はあ~、仕方が無いですね、では一旦帰って斯波義銀殿と上様に相談いたしましょう。それでイイですね。景紀殿?」
「すみませんでしたぁ~、すぐに帰りますっ!」
景紀はフライング土下座をしそうな勢いで、態度を急変させた。
ほどなく朝倉勢は、すごすごと帰って行った。
こうして、俺はなんの問題も無く小谷に入っていったのであった。
俺は、3000の兵とともに小谷城下を訪問した。
浅井亮親をはじめとする『久政派』の面々が、にこやかに俺を出迎えてくれました。
昼過ぎには、久政殿が監禁先の竹生島より無事帰還いたします。
「外祖父様、ご無事で何よりです」
「うむ」
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
― 夏休み ―
小谷での生活はなかなか快適であった。
ああ、なんて平和なんだろう!
俺は、お爺ちゃん家でお盆を過ごした。
「田舎があるって、いいもんだなあ~」
お爺ちゃん家(北近江)も、結構広くて遊び甲斐があります。
従兄弟の政元(12)、政之(10)と、姉川や琵琶湖で存分に遊びました。
俺たちまだ、12歳ですからね。
(侍女の『萩』を川に放り込んでびしょ濡れにして、着エロごっこしたのは…泰香には内緒です…。)
政元は、嫁をもらうことになって調子に乗っています。エロがきです。
政之も婚約が待ち遠しい様子だ。
ふん、顔も見たことの無いおんなに思いを寄せるとは、単純な奴らめ。
いっちょ前に色気づきやがって、『可愛い子を親父の養女にしろ』とかほざきやがる。
まあ、せいぜいイイ夢を見るがよい。
女性とお付き合いするということは、いろいろと気を使い大変なモノなのだ。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
何はともあれ、浅井の仕置きをせねばならないのである。
俺が浅井の新当主(政元)のお相手をしている内に、ちゃっちゃと片付けるのだ。
いろいろと面倒な事は、母上、重元、盛数、守就、光秀、それに半兵衛にほぼ丸投げいたしました。
「子供って楽でいいなあ!」
よく冷えた西瓜を食いながら、過ぎゆく夏を惜しみました。
― 解説 ―
みなさん朝倉家は名門だと思っていませんか?
いいえ、いいえ。
それは違います!
朝倉家は早期に下克上してしまった、ちゃっかりタイプです。
元のご主人様は、斯波家であります。
いわゆる守護代のお家柄であります、本来は織田信友や信賢と同格です。
つまり、斯波家が出てくると古傷をつつかれて、いろいろ困るのです。
朝倉家の当主であれば強気で突っぱねられても、景紀はしがない分家筋です。
とても、そこまでの権限が無いんですね~。
朝倉氏が自分の事を棚に上げて織田家が嫌いなのは、まちがいなく同族嫌悪です。
まあたしかに信長の場合は家格が下ですが……。
「あの野郎、後から出てきたクセにうまいことやりやがって~」
と言うのが、本音でしょうね。
竜興のペット、シバ犬の”銀”こと、 『斯波義銀』
家柄と名前だけのくせに、意外に使える男です。
空き巣狙いのこそ泥.朝倉軍が、シバ犬を怖れて逃げていきました。
自宅警備には、『番犬が有効だ』というお話しです。
さて、竜興くんの夏休みもそろそろ終わりです。




