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1000年後に、虹の瞳と旅をする。  作者: 電脳ドリル
八章【SHINING SURVIVORS -死の霧を超えろ- 】
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186話『吊るされ男』

「と、話を戻しまして靖治さんです靖治さん!!」


 二度の邪魔を経て、イリスが高らかに叫んだ。

 必死に訴えかけようとするイリスを見て、アリサが髪をかきながら口を開く。


「わかってるわよ。これ以上コイツを引っ張り回すのはヤバいってんでしょ」

「そうですそれです! ナハトさんもいいですよね!?」

「確かに、敵地にまで戦えない者を連れていくのは無理がありますね。この辺りが境界線でしょう」


 さすがに荷物を背負ったまま暢気に笑ってるこの少年を、このまま連れていくわけにはいかない。

 向かう先は敵の根城だ、靖治を守りながらでは取れる行動に大きな制約がかかることであるし、ここまでが限界だろう。

 それに加えてナハトは、背後に靖治がいる街をひかえた状態はパーティの士気を高めるのに都合がいいとも考えていた。

 特にイリスは、自分が敗れれば次に靖治が悲惨な目に合うという状況で、これ以上ないパフォーマンスを発揮するはずだ。もっともナハトはその計算高さを口には出さないが。


「というわけですよ、靖治さん。大人しくしててください!」

「うん、わかったよ。僕だって死にたいわけじゃないしね」


 ビシッと言いつけてくるイリスに靖治が素直に頷く。彼は死に対する恐怖心が極度に低いものの、一応は生きたいと思っているし、必要でなければ無茶もしない。

 足手まといにしかならないならただ忍ぶだけだ。


「宿でも取って、みんなが戻ってくるのをのんびり待ってるさ」

「ハイ! 靖治さんが待っててくれるなら、私も張り切って戦えます!」

「普通、待つにしても心配とかするとこだと思うんだけどね……」

「セイジさんですから……」


 靖治の暢気さに呆れながらもパーティは街を歩く。

 大きな通りに入ると、そこはいくつもの商店が開き、人影はまばらながらもそれなりに繁盛していた。


「はーい、安いよ安いよ! 今日はガネーシャ神様が頑張ってるってことでうちもサービスだ!」

「銃のアタッチメント欲しい人、よっといでー。質の良いドットサイトが入ったよー」


 時折、外から響いてくる振動音に負けないように商人は声を張り、いい品を探しに来たお客は地面の揺れに時折よろけながらも店を見て回る。

 無論、何かあってもすぐ動けるよう自宅で大人しくしている者も多いので、平時より人が少ない。

 それでも街の結界を隔てた先では魔獣が暴れ、双頭竜の業火で囲まれてしまっているというのに、多くの人がしぶとい根性で今日の日常を送っているのも確かだ。

 賑わいの中を通り抜けながら、靖治は今を生きる人々を見て感心していた。


「こんな状況でも、みんな普通に暮らしてるんだね」

「大きな街ですから、これだけの住民が避難するのは難しかったんでしょう。人口は確か一万人ほどだったと思います」


 街の周囲が火に囲まれていては避難も困難であるし、次元光により生活区域が限られたワンダフルワールドでは、大規模な街の住民を受け入れてもらえる先がそもそもない。

 ほとんどの人は根を下ろした集落に命運を共とするしかないのだ。


「中には護衛雇って脱出しようとするやつもいるだろうけど、ここの生活捨てて逃げるのは少数でしょうね。大半はガネーシャ神と、突撃する冒険者のことを信じてるんでしょ」

「イリスさんのご友人だけでなく、この街の皆さんを護るためにも、負けるわけにはいきませんね」


 ただ天羽月読を助けるためだけに来たイリスたちだったが、魔獣攻略に名乗りを上げるならば住人たちの期待と責任が肩にのしかかってくるのだ。

 アリサが仕方なさそうにため息をつく。


「まぁ、なんとかなるでしょ。守護者のやつが出張ってこないってことは、イコールあたしらでどうにかできるレベルってことだし」

「その通りです。油断はできませんが、不可能ではないはずです。慎重に、元気溌剌で行きましょう!」


 守護者の存在はワンダフルワールドの住人において絶対的な指標だ。現れれば逃げる他ないが、出てこないのなら現地の住人で解決できることを示してくれているようなもの。そのことが、一般人のみならず冒険者達においても大きな安心感を与えてくれるのだ。

 とは言え困難には変わりない、戦いに出向くみんなは苦労するだろう。

 そう思い靖治は立ち止まると、仲間の一人ひとりに顔を向けて言葉をかけた。


「イリス、月読ちゃんによろしくね」

「ハイ! 会ったら靖治さんのこと話しますね!」

「アリサ、最後までイリスのこと頼んだよ」

「ハイハイ。裏切ったりはしないわよ」

「ナハト、二人のフォローをお願い」

「御意。みんなのお姉さんポジションとして頑張らせていただきますわ」


 それぞれ自分なりに覚悟を決め、決戦に向けて心の準備を整える。あとはテイルネットワーク社で正式に依頼を受託するだけだ。

 一行が再び歩き出そうとした時、ふとナハトが足を止めて頭上を仰ぎ見た。


「――――今のは……?」


 上を見ても、広がっている光景は街を覆う百果樹の豊かな青葉と実ったフルーツくらいのもの。

 それでもナハトはじっと目を凝らしているので、イリスが不思議がって尋ねた。


「ナハトさん、どうかしましたか?」

「今、何か……妙な気配、が――――」


 言い表せぬ悪寒に、ナハトは身構えた。




 ◇ ◆ ◇




 数分前。魔獣の肉樹にて。


 ――殺して―― ――――殺してくれぇ―― ――助け――ころ――殺し、て――――


 相も変わらず虚の内部は、取り込まれた生物たちが死を望む嘆きの声が木霊している。

 おぞましい声を聞き流しながら車椅子にもたれ掛かって術式の視野と同調したラウルは、相対するガネーシャ神とアンフィスバエナを眺めながら声を漏らした。


「死の因子を間近に控えたが、こうなると抵抗勢力が鬱陶しいこと極まりないな。恐らく居場所は目前の街であろう。どうやって連れてくるか、時間をかけて障害を排除すればいいだけの話ではあるが……」


 老人が顎髭に手を当てて考え込んでいると、ふと肉樹の嘆きの合間を縫って美しい音色が頭上より響いてきた。

 暗雲をすり抜けるかのように穏やかで目覚ましいヴァイオリンの音色。

 普通人であれば心を和ませるような音楽に、ラウルは眉をピクリと吊り上げた。


「……この音は」


 吹き抜けの樹の虚を、何者かが歩いて降りてくる。

 虚の内側に足を付けて水平に立つ何者かが、質のいい革靴で肉の樹を踏みしめてゆっくりと。


「管弦樂組曲第3番二長調第2曲編曲」


 黒いヴァイオリンを弾きながら、その男は降りてくる。

 不気味なほど青白い肌、折れそうな細身の体に、微妙に癖のある黒髪を伸ばした長髪の男。


「――通称G線上のアリア――」


 紅い眼でラウルのことを見下ろしながら、男は無表情で楽曲名を唱えた。

 ラウルは男のことを苛立たしそうな眼で見上げ、吐き捨てる。


「ハングドマンか……」


 吊された男(ハングドマン)と呼ばれた男は、そのまま歩いて車椅子のラウルと同じ床に降り立った。

 病気のような痩せた体のハングドマンは、黒いスーツのスボンと白いワイシャツで包んだシュッとした外見で、首元からは近世ヨーロッパで用いられていたジャボというひだのついた白い布の首飾りを付けていた。

 絶えず華麗な音色を披露するハングドマンに対し、ラウルは舌打ちを鳴らした。


「その不快な音楽を止めろ」

「おや、気に入らなかったか? 演奏に乱れはなかったと思うが」

「音楽というもの自体が好かん。俗世の執着などすべて失って久しい」

「それは失礼した」


 ハングドマンがそう唱えて弓を弦から離すと、持っていた黒いヴァイオリンと弓は煙のようにザッと形が崩れて消失してしまった。


「何の用だ。何のためにここにきた」

「アフターサービスだよ。私の提供した術式が動作しているのか、その確認をね」

「フン。情報収集か……」

「それもあるな。キミの因果の動きは、事象のモデルケースとして実に興味深い」


 棘のある態度のラウルとは対象的に、ハングドマンの言葉遣いは丁寧かつフランクなものであった。だがその顔は一度として感情の色を浮かべず真顔のままだ。

 胸中の計り知れない表情のハングドマンは、真紅の目を細めてラウルのことを見つめる。


「動作保証はちゃぁんと、しなければな。なにせ私にミスがあれば、たちまちこの魔獣も守護者に引き裂かれるだろうから。それでは技術試験を頼んでいる身として申し訳ないというもの」

「……忌々しい、護る者など。いずれは彼奴も我が力で飲み込もうぞ」


 車椅子にふんぞり返ったラウルは、面倒そうにハングドマンへ向けて手を払う。


「何であれ用が済んだなら早々に去れ、ワシにはやることがある」

「あぁ、そうだな。死の因子とやらが見えたのか?」

「……長く孤独だと、独り言が増えてかなわんな。おかげで余計なことを知られる」

「何、言い触らされたくないなら黙っているさ」


 誰も聞いていないと思って小言を漏らしていたラウルだが、迂闊さに少し後悔をして眉間に皺を指で揉む。


「死の因子、それがあればこの魔獣は真に完成するのだったかな」

「そうだ、その通りだ」


 ここまで聞かれたのならば仕方あるまい。どの道、誰かに知られたところで詮無いことであるし、この男は秘密を漏らす類ではないだろう。


「我が災厄術式『|絶対なる死地への流離人ヴォイジャー・フォー・デッド』は完成し、死の霧へと至る。その時こそ我が望みに指が届く時、いずれは結集した死の賛美歌で、門をこじ開けて大望を達成しようぞ」

「ふむ。ならばその死の因子、私が連れてこようか?」


 見栄を張るラウルに対し、ハングドマンからサラリと提案が差し出された。

 思わずラウルは目を丸くし、疑いを持って睨みつける。


「何……? 何だ貴様、何が狙いだ」

「別に理由など無いさ。友人が困っていれば助ける、ただそれだけのことさ」

「ワシはお前のことなど歯牙にもかけん」

「そうか。それで私が動いて良いのかな?」


 どれだけぞんざいに扱っても理念を崩さぬハングドマンに、とうとうラウルが根負けして首を横に振った。


「……勝手にしろ。だが殺すなよ、ここに丁重に連れてこい」


 この肉樹こそが蜘蛛型魔獣の中枢部。樹に取り込まれた生物たちが、絶えず死を求める呻き声こそがその証明。これはラウルが信奉する"死"への賛美歌だ。

 すべてがここで執り行われる。それを聞いたハングドマンは、胸元に手を当ててしげしげと会釈を垂れた。


「心得た、怪我をさせなければ良いのだな」


 彼の背中からワイシャツの繊維と同化した漆黒の羽根が伸びだし、コウモリのような翼を大きく広げた。

 黒き翼を羽ばたかせたハングドマンは、肉樹の嘆き切り裂いて猛烈な速度で飛び立ち、一瞬にして魔獣の内部から去っていった。

 わずかに残った羽音を聞きながら、ラウルは肘置きに頬杖を突いて思考を巡らす。


(やつめ何を考えているのか。我が死の蒐集対象に区別はないというのに……まさかこのワシを本当に友人だとでも……?)


 このまま魔獣が突き進めば、やがてはハングドマンとて取り込むことになる。だというのに彼は協力を惜しまない。

 ハングドマンは協力者ではあるが、ラウルにとっても謎の存在だ。他にない特殊な術を操り、どこから察知したか事前にラウルの計画を知って、ある魔術の技術試験を頼み込んできた。

 ラウルとしてもそうせざるを得ないからこれを了承した。無論、余計なウィルスなどを紛れ込ませられてないか幾度とチェックを重ねたが、ハングドマンは本当に必要な魔術を提供しただけだ。

 あの不気味な男のどこに思惑があるのか、まったく検討がつかない。


(まぁいい……邪魔であれば始末するだけだ。どうせ時間はたっぷりとあるのだから……)


 ラウルは無感動に厚い雲の空を見つめ、犠牲者たちが奏でる死の賛美歌に身を任せた。




 ◇ ◆ ◇




 そしてわずか数分後。


「今、何か……妙な気配、が……」


 街中に立ったナハトが見つめる先、百果樹の覆いを抜けて更に上方、街全体を覆うガネーシャ神の三重の結界の真上にハングドマンはいた。

 黒翼を開いた彼が右手を上げると、指のあいだに煙のようなものが集まっていき、黒い指揮棒(タクト)ができあがる。


「謳え、天地に満ちる『万人の調律者(バベル・チューナー)』よ」


 持ち上げたタクトを振り下ろすと、辺りには何もないハズのであるのに、まるで空気そのものがスピーカーであるかのように振動して、激しい音楽を奏で始めた。

 強く強く、情動を打ち付けるような音が響く。無数の楽器がそこにあるかのように鳴り渡り、大勢の合唱が彼一人のもとに繰り広げられる。

 それは死者へ送るため創られた激しすぎる鎮魂歌。奏でられるオーケストラとともに、大気を伝ってすさまじい量のエネルギーが火花を散らしながら集まっていき、頭上の暗雲が鳴動を始める。

 絶好調に響く音楽とともに集まったエネルギーは飽和し、撃ち放たれる寸前にハングドマンは告げた。


「――作曲者ジュゼッペ・ヴェルディ、レクイエム怒りの日(ディエス・イレー)――」


 頂点に達したエネルギーが指向性を持った物理的な雷撃として変換し、世界を白く瞬かせながら百果樹の結界に振り落とされた。

 大気を引き裂く巨大なエネルギーがバリバリバリとすさまじい音をかき鳴らしながら直撃し、そのあまりもの衝撃に街を護る三つの結界の内の一つが粉砕され、白い破片となってから溶けるように消えていった。

 突如として破られた護りに、それまで魔獣と戦っていたガネーシャ神が驚いて巨体を振り向かせる。


「な、何だいまのは……!? 対物理結界が一撃で破られただと!?」


 血相を変えるとほぼ同時、宙に浮かぶアンフィスバエナがひときわ大きく口を開き、獰猛な牙の奥に超熱量を溜め込み始めた。


「あっ!? ちょっと待ってアンフィスバエナ! いま火ぃ吹いちゃダメ!! やめて、街が焼けちゃう!! それはマジでダメだから、いやマッテマッテマッテ!!!」


 慌ててガネーシャ神が止めに走ろうとするものの、間に蜘蛛型魔獣が割って入ってきて、口周りから伸ばした大鎌で邪魔立てしてきた。

 野生に生きるアンフィスバエナは静止の声も聞かずに火炎を充填し、魔獣への敵意とともに勢いよく吐き出す。

 繰り出される業火は魔獣だけでなくいくつもの山を飲み込むほどのもの。それだけの火の手が、護りを失った百果樹へと殺到する。


「待ってぇぇぇぇぇぇぇぇ燃やすのらめなのぉぉぉぉおほぉぉぉおおお!!!」


 街に住まう人々が見上げる前で、空を覆うほどの火炎が津波のように押し寄せてきた――






「行くよ、アグニ!!」


 マントをひるがえして勇ましく叫んだアリサが、背中の魔人とともに空中へと浮かび上がっていた。

 睨む先はアンフィスバエナが繰り出した地獄の炎、それにわずかに心を圧されながらも強い意思で立ち向かう。

 大きく腕を振り上げた魔人アグニが握り込んだ拳を発射した。本体から切り離された二つの熱拳はロケット弾のようにアンフィスバエナの火炎へ飛び込み、内部で燃え上がる。


「その炎を、飲み込んでぇええええええ!!!」


 アリサの異能が双頭竜の火を侵食する。打ち込まれた熱拳は炎の渦となって周囲を巻き込み、火炎を従えて街の外に火の竜巻を作り上げる。

 当然、簡単に成し得る(わざ)ではない。街一つ吹っ飛ばす火炎を受け止め、本体であるアリサも過負荷で体が弾けてしまいそうなのを必死に抑え込んだ。


「うぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……っ!!」


 内側から広がろうとする重圧に歯を食いしばり、額の血管を浮き立たせながらあらん限りの意地で受け止める。真下には人の山、そして巡り合ったあいつらがいる。

 何であたしがこんなことを、とっとと逃げ出したい、そんな想いが過ぎるがここでアリサが引けばみんな死ぬ――


「――こんの、舐めん、な、ぁぁぁあああ!!!」


 声を張って叫ぶアリサのもとに、アンフィスバエナの火のすべてが掌握され、二つの竜巻に熱は収束された。

 そのままアリサは渦を巻く熱量をコントロールすると回転の先端を曲げて、外で暴れている蜘蛛型魔獣の土手っ腹に横から突き刺した。

 山をも焦がす熱風を二点に集中してぶつけられ、魔獣は体勢を崩しながら大きく押し飛ばされ近くの岩肌に叩きつけられた

 攻撃に転用された火も今ので消費され、炎が消えてさっぱりした光景を見ながら、アリサは汗だくで宙に浮かんでいた。


「はぁ……はぁ……や、やってやったわよコラァ……!!」


 蜘蛛型魔獣はこれでもまだダメージにならないのかすぐに動き出そうとしていたが、なんとか街の命は繋がった。

 すかさずガネーシャ神が虚空から杖を取り出し、百果樹の街へと向けて振る。


「ぶ、物理結界の再構築開始ィー! チンカラホイ、チンカラホイ!」


 神力がにより砕けた物理結界が地面の根本から再生し始め、徐々に頂点へと向かって構成されていく。

 今の炎の攻防は街中から見ることが出来た。街の外を見上げながら、イリスが思わず息を荒くした。


「すごいです、アリサさんが防ぎました!」

「でも今の雷、一体何が――」


 靖治が疑問を浮かべていた時だ、その背後に白黒の影が音もなく滑り込んで来たのは。


「彼女が防いだか、手がかからなくて助かった」


 黒い長髪を垂らした不気味な男は、青白い細い手を靖治の首元へ伸ばす。


「では、貰って行こう」


 顔だけで振り返った靖治が、迫りくる危険に気付くも、逃げるには致命的な遅れがあった。

 手が少年の首を鷲掴みにしようとする、その直前、血色の悪い手が何かに気付いてピクリと震えると、煙のように現れた黒のレイピアを掴み、迫りくる欠けた白刃を受け止めた。


「――我が主を狙う不届き者、何者ですか」


 剣がぶつかりギィィィンと音が鳴るそばで靖治がよろめきながら逃げ出す。その背後には亡失剣ネームロスを握って、謎の男と向かい合うナハトの姿があった。

 今回、音楽を積極的に奏でる男とか出しましたけど、作者はまったく音楽知識がないのでその都度検索してるだけの付け焼き刃です。

 ここおかしいぞオラァってのがあったら遠慮なく言ってね! 直すので!

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