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1000年後に、虹の瞳と旅をする。  作者: 電脳ドリル
七章【過去を見るは昏き瞳】
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161話『男の子だもん』

 宿からさっさと抜け出てきたナハトは、カースドジェイルの武器ラックと籠を背中に森の中で楽しい楽しい毒草集めに興じていた。


「うふふふふふ、いい毒がいっぱいですわ。完全に効かなくともわずかに痺れでも与えられれば行幸。むしろ殺さない程度のほうが

色々と利用しやすいですし、これでいっそうパーティに貢献できて……」


 妖しい笑みで毒草を次々と籠に放り込んでいたナハトだが、言葉の途中でまるで正気に戻ったかのように真顔に戻ると、ズーンと落ち込んで四つん這いになって、純白の片翼まで輝きを失ってしなしなと地面にしなだれた。


「うぅ、何かに付けてイリスさんから距離を置いてしまいました……本当は年長者ポジションとして何か助言できればよかったのに……!!」


 さっきは宿から足早に出てきたナハトであったが、ちょっとそのことを後悔していたのだった。あくまで彼女基準ではちょっとである。

 ここのところ根を詰め過ぎなイリスに何かしてあげたい気持ちがあったナハトだったが、なんと言えば良いのかわからず、取った行動といえばそっとしておくことくらいだ。


「でもセイジさんに任せたほうがいいのは事実のはず……いや、違う。違いますわね。本当は踏み込めなかっただけ」


 湧いてきた言い訳に首を振り、あくまでナハトは自分の心の奥底を見つめようとする。

 ナハトは過去に傷の多い女だ。当然、自分の核心に他人を踏み込ませたくなく、故に相手の領域にも踏み込もうともできない。どこかで自分の本性を知られ、相手に身を引かれるのが怖いから、その前に自分から引いてしまう。

 これが問題の相手が靖治であればナハトも多少なりは寄り添えただろうが、まだ今はイリスとそこまで通じ合おうとするだけの心の力が足らなかった。


「自分のことばかりで、誰かを助けられず、なんと情けない女。勇気がありませんわね、わたくしは……」


 森の中で一人落胆したナハトは、膝を抱えて木の下でため息をつく。背負い込みすぎな性分から、美しい顔に憂いが混じり紅い目がしなだれ落ちる。

 そうして哀愁を帯びていると、草むらの影に野うさぎの姿を捉えて、ナハトは顔を上げた。


「おっと、肉がいる。そうですね、落ち込んでばかりは悪い癖、せめて肉でも獲って帰って周りの方々のお力になりましょう。肉にく、肉……っ!」


 割と肉食系な彼女は目の色を変えて中腰で立つと、カースドジェイルを手繰り寄せて獲物に近づいた。

 呪符の下から凶悪な釘を覗かせて狙いをつけようと野ウサギへと近づく。しかしウサギは地面を跳ねて近くの崖の下へと移ると、どうしたことか苔の生えた岩の中へすっと透けるように消えてしまった。


「――!? 消えた……?」


 突然のことに驚いたナハトは、音を立てるのも構わず立ち上がって今しがたウサギを吸い込んだ岩へと近づく。

 見た目には何の変哲のない岩だ。崖の根本に寄り添うように立った岩は厳かで、触るとひんやりと冷たい。


「これ……この岩は……」


 触ると実体があるよう、けれども若干の違和感があった。

 ウサギが消える様子を見なければ気づかなかっただろうが、手の平が本物の岩に触れているのではなく、感覚に割り込みをかけられている。五感までもを狂わす幻覚の類だ。

 ナハトは気を研ぎ澄まして呪符カースドジェイルを解くと、亡失剣を手にして臨戦態勢を取る。


「名も知れぬ魔剣ネームロスよ、我が眼をくらます虚影を喰らいて、人々の安寧を拓け!」


 気迫を刃に乗せ振りかぶったナハトは、目の前の岩を一刀に斬り伏せる。

 すると刃が通った岩は二つに割れることなく、水面に浮いた絵の具をかき混ぜるように輪郭を揺らがせると、霞と消えてしまった。

 奥にあったのは、崖の奥へと続くポッカリと空いた穴。


「これは、隠された洞窟……」


 ナハトが慎重に中を覗いてみると中は頑丈な岩でできているようで、奥が見えないほど深くへと続いている。


「たしかこの上の山は、岩おばさんからお聞きしたモンスターが集まってくる危険地域でしたわね。その理由も定かでないという話でしたが、何故そんなところにこんな空間が……?」


 明らかに怪しい。このような芸当で隠されている時点で、知性があるなんらかの存在が関与しているはずだ。

 果たしてこの洞窟にあるのは悪意か、それともそれ以外の何かか。


「街の安全のためにも、実態を把握しなければなりませんね。危険かもしれませんが、少し偵察をしておきましょう」


 ナハトは気配を沈めて自然の空気と同化すると、音も立てずに洞窟の奥へと踏み込んでいった。




 ◇ ◆ ◇




 謎の老人、ロイ・ブレイリーに強引に連れて行かれた靖治は、街の次元光避けの結界から出た場所の丘の上で解放され、乱れた息を整えていた。


「ケホッッコホッ、強引だなぁもう!」

「ガッハッハ! すまんのう、孫娘に振られたショックでつい手に力がはいってしまったわ!」


 咳き込む靖治を前にして、老人はシワだらけの顔を天に向けて快活な笑い声を響かせる。

 そして彼は蓄えた白い髭を撫でながら、意地の悪い笑みを靖治へと投げかけてきた。


「老い先短い老人でのう、一人では寂しくて手足が錆びてしまうわい。若者よ、良ければ付き合っていただけんかな?」

「まったく、ずるい言い方をする人ですね」


 自分のペースに巻き込もうとする老人に靖治は呆れつつも、襟元を直して背筋をシャンと伸ばして向き直った。


「お爺さんはどうして旅を?」

「ロイじゃよ、気軽にロイさんと呼んでくれ。可愛いマナに世界を見せたいというのと、儂自身が旅をするのが楽しいからじゃ」


 単純明快な理由を唱えたロイは老いた顔で、ニカッと歯を見せて笑った。


「旅は良いのう。風は気持ちいいし、見方が違った人に会うのは面白い。こうやって初めてあった人とあれこれ遊んだりするのは最高じゃ。儂ゃ旅が好きなんじゃ、絶頂の繰り返しじゃ」


 いつまでも続く青い日々を謳い上げる老人のバイタリティに、靖治は納得したかのようの面持ちで笑い返す。

 やがて決心して口を開いた。


「僕は万葉靖治です、どうせなら楽しい修行を期待してますよ」

「おぉ、任せとけよ!」


 良い返事にロイは両手を広げて靖治を歓迎する。

 この明るい老人は得意げな顔で自身へ立てた親指を向けた。


「案ずるな、儂は昔、さる世界で人々を救いかけた天才勇者だからなぁ!」

「へぇー、『かけた』なんですね」

「いやー、ギリちょんのとこだったんだがな! フォッフォッフォ!!」


 どこまで本当かわからない言い草だが、靖治はロイの言うことを信じることにした。だって彼が愉快だからだ。


「修行をするなら早速始めましょう」

「おっ、意外と乗り気か?」

「学ぶ機会は歓迎ですし、何より面白ければ全て良し、ですよ。あっ、でも日帰りでお願いしますね、仲間たちが心配するんで」


 靖治は戦闘に関することなら少し銃を習ったがその程度、後の武器は死を恐れないクソ度胸程度なものだ。ちょっとでも何かを得られるなら貪欲に吸収する気でいた。


「フッ、関心関心。だが待て、多分ここらへんに……」


 ロイは背を向けると、丘を走って木々生い茂った場所を探り始めた。

 そして何かに目を輝かせてそれを掴み上げると、丁度いい長さの木の棒を天へと掲げて靖治へと誇らしげに見せつけた。


「ジャーン、超神聖剣デクノカリバーじゃ!」

「おー、それっぽいいい感じの木の棒」

「ヌッフッフ、何歳になっても木の棒を持つと、幼少期に日が暮れるまで駆け回ったのを思い出してが湧き上がってくるのぉ! お主もわかるじゃろ?」

「いや、僕は木の棒で遊んだことないんで」

「なんとマジか」


 驚きの告白を受けて目を丸くする老人だが、すぐにそれはそれとして受け止めると、彼は背中に背負った鞘に包まれた剣を持ち、そのまま靖治へと投げ渡した。


「さて、儂の得物は超絶魔剣デクスセイバーで良いとして、お主はまずこの剣を抜いてみよ」

「おっと」


 靖治は身構えて寄こされた剣を受け止めるが、以外と剣は軽くて拍子抜けしてしまう。

 鞘の状態から見た剣の大きさは150cm程度か。剣の幅はそれなりに広くて、恐らくは分厚いバスタードソードのような感じだろうか。

 剣を保護する鞘はどこにでも売ってそうな量産品だが、剣本体は大層な品なのか、薄汚れた下に金色の鍔が煌めいており豪勢な形をしていた。

 しかしそれにしても軽い、靖治は鞘に包まれた剣を見ながらロイへと尋ねた。


「なんですかこの剣?」

「フォッフォッフォ。こいつは由緒正しき聖剣でな、勇者にしか抜けぬ特別な剣じゃ! お前が真に勇気ある者ならば、剣は必ずやその姿をお主に見せることじゃろう」


 神妙な笑い声を響かせるロイを前にして、靖治は試しに剣の柄の握って、思いっきり引き抜こうとしてみた。


「あっ、ダメだ固い。抜けない」


 だがどう力を込めても剣は微動だにせず抜けやしない。

 まあ勇者にしか抜けないなら当然かと思いきや、ロイはむしろ酷く狼狽え、信じられないという顔で凝視してきた。


「えぇ……お主これ抜けないの? 五歳の子供でもみんな抜けるもんなのに、普通程度の良心があるならば使えるんじゃぞ」

「勇者のハードル低っ!」


 ありがたみも何もない事実ばかりが空虚に響く。それが聖剣ってどうなんだと疑る靖治に、ロイはドン引きした態度で声を落とす。


「お前それ……最初に剣抜かせて褒めるところから修行始めるのが通例なのに、抜けないとか予想外なんじゃが……」

「ハッハッハ、悪いですがそういう人間なんでね」


 普通の人ができることが自分にはできないなど、慣れっこな靖治は自分の状況を笑い飛ばす。

 試しにもうちょっとだけ続けてみる靖治の姿を、ロイは鋭い眼をして観察していた。


(悔しがってる風でもなし、まったくショックを受けとらんの。目の前の問題に本気でチャレンジはする、しかしできないことを当たり前として受け入れとる。なんとまぁ渇いた子供じゃ、その歳でそこまで擦り切れるとは)


 靖治の呼吸、語気、視線、緊張のなさから、ロイは靖治の精神性をいち早く見抜きつつあった。


(難儀な子じゃな、これが1000年前に出会った彼女の弟か。こいつの旅路はきっと苦難の連続じゃろうな)


 靖治のこれまでとこれからを推し量り、老人は苦い笑みを作り上げる。


「やっぱりダメですね、ビクともしません」

「まあいい、抜けないなら抜けないで、そのままかかってくるがいい。御託は不要じゃ」


 そう言うとロイは手に持った木の棒を握り直すと、片手で構えて靖治へと突きつけた。

 向けられた先端に敵意を感じながら、靖治が期待がこもった視線を返す。


「おっ、いきなりですか?」

「御託はいらんと言ったじゃろう。儂は実戦派なのでな、修行とて色々あるものじゃが、まずはともかくやり合おうて。何もかも、これが一番手っ取り早い」


 ストレートにこなそうとする老人に、靖治は面白げに笑い、鞘のまま剣を握る。


「いいですよ、こっちとしても闘争は憧れるところ」


 靖治は無能力故に戦いの場にはギリギリまで手出ししないが、本心では男子として戦いに胸踊らせもした。


「どうせやるなら全力でいいですよね」

「当然だとも、ドンとこんかい」


 模擬戦ならば憚ることもなし、深い笑みと共に剣を構えた靖治は、腰に力の入っていない頼りない姿であったが気持ちだけは前向きだ。

 間抜けな構えを見て老人が目を細める。その顔に、靖治は真正面から剣を打ち込もうとした。


「やぁあっ!!」


 掛け声は立派だが、あまりに遅くてヨレヨレな太刀筋だった。

 老いぼれは手に持った枝を振るうことすらなく、ヒョイと重心を横にずらしただけでこれをかわし、足をひっかけて靖治の体を転ばせる。


「ぐげっ!」

「気迫がないわい! そんなへっぴり腰じゃ、虫一匹だって殺せんぞい!」


 あっさりこかされた靖治は怒鳴り声を背中に聞きながら、冷静に今の状況を分析した。


「腰か……参考にするならナハトか」


 仲間内で剣を使うなら彼女だろう。凛とした佇まいで剣を振るうナハトの姿を意識し、呼吸を整えて構え直す。

 ナハトは剣を片手で扱うため、イメージとしての参考程度にしかならないが、それでもそれだけで先程までとは構えた姿が見違える。

 正中線が整っている。腰は落ちて重心が安定し、不意打ちに対しての備えが僅かだが浮かび上がる。


「ほぅ……」


 一瞬で変貌する靖治の佇まいに、ロイも感心して声を漏らす。

 だがそれでも最低限の用意、子供の喧嘩程度の気迫しかない。


「でやぁ!」

「甘いっ!!」


 果敢に剣を振るってくる靖治に、ロイは攻撃を受け流して懐に潜り込むと、実際の剣なら石突きがある部分で靖治の腹を容赦なく打ちのめした。

 腹部を圧迫され眼を剥いて空気を漏らした靖治は、盛大に咳き込みながらヨロヨロと背後へ退く。


「ゴホッ、ゴホッ!! あっ……ははははは!! やるなぁ!!」

「フッフ、当然じゃわい。さて、痛い目は見たがもう懲りたかのぅ?」

「まさか、まだまだですよ!!」


 痛みを堪えて声を張り上げた靖治が、笑みを全開にして突撃する。

 振り上げられた剣の軌跡を冷静に見極めたロイは一撃を受け止めてやってから、剣を弾いて脇腹に枝を叩きつけた。

 素早い切り返しに靖治は何も返せず、横から叩かれて衝撃に膝をつく。

 しかしうずくまって顔をしかめながらも、口元は笑みを忘れない。


「ぐっぬ……いつつっ……!!」

「フォッフォッフォ! 随分と楽しそうじゃな」

「楽しいね! 命の心配もなくはしゃげるんだ、楽しまなきゃ損ってもんですよ」


 そう言い切った靖治は、性懲りもなく立ち上がり挑みかかる。彼にとっては、最高のレクリエーションだった。

 何度打ち込んでも、あえなく避けられ弾かれ、反撃の手が靖治の体を打つ。

 額を打ち付けられて頭がクラクラするのを感じながらも、ズキズキ痛む傷に感じ入って楽しそうに喉を震わした。


「くっは……痛い、痛いなぁ。あっはは、これが戦いの重みか!」


 痛みもまた命の証。この程度なら、靖治にとっては娯楽に範疇でしかない。

 傍から見れば狂ってるようにも見えるが、それでも靖治は、全力で今この瞬間に向き合っていた。

 その姿勢に感化され、ロイもまた口元をニヤつかせる。


「自分だけ楽しみおって、儂からすりゃ弱いもんいじめと変わらんわい」


 そう言いながらもロイは手抜かりなく靖治のことをいじめ続けた。

 何度打ちのめしても靖治は笑って立ち上がり、ボロボロになって顔中腫れてもまだ斬りかかろうとしてきた。

 やがてフラフラで今にも倒れそうな靖治に向かって、ロイは木の棒を下ろすと手の平をかざす。


「まった、ここまでだ」


 短い宣告に、靖治は剣を構えたまま、息を絶え絶えにしながら問いかけた。


「ゼーッ、ハァ、ハァ……な、なんだ、もう終わりですか……?」

「白旗じゃ、お前さんは儂向きじゃないわい。お前さんのは根性で立ってるように見えて、その実、120%の力でなく常に80%前後の力にコントロールしている」


 滅茶苦茶な戦い方をしているように見えて、靖治の戦いは厳しい闘病生活に裏打ちされた肉体の制御により成り立っていた。

 一度として痛みへの恐れから剣先が鈍らなかったし、自棄にならずひたすら試行錯誤を積み重ねる攻撃だった。

 ボロボロで立ち上がる見た目とは裏腹に、理詰めの戦い方と言っていいだろう。


「儂は努力とか根性とかで、無理をなんとかする系じゃからな、お主ならもっとロジック系のに教えを請え」


 要は匙を投げたというわけだ。専門外だと諦めるロイを見て、靖治はにんまり笑うと打ち身だらけの体を大の字に寝転がらせて青空へ叫んだ。


「くっはぁー! よーし、根勝ち!!」

「なんじゃ、涼しい顔して意地張っておったのか」

「だって、競うなら勝ちたいじゃないですか。勝ち目があるなら挑みますよ」


 腫れた顔で満面の笑みを浮かべる靖治の無邪気さに、さしものロイもいささか呆れてため息を付いた。


「戦闘中はその言葉とは対極だったくせにの。勝ち筋を探しながらあらゆる希望的観測を持たず、執着を捨て目の前の事象にのみ精神を注ぎ込む」


 靖治の振る舞いを半ば称賛しながらも、一方でロイは苦汁をなめた表情をすると、忌々しそうに吐き捨てた。


「邪念どころか人間らしさすらない極まった集中力じゃな、まったく……」

「気に入らなそうな言い方ですね」

「そりゃ気に入らんわい、お前さんみたいなのを生み出す世の不条理さがな」


 寝転ぶ靖治の傍らで、ロイも地面にどかっと腰を落とす。


「お前さんくらいの子なら、もっとたくさんの願いを持ってていいはずだろうに。すべてを捨て、諦めた先に立つなど、修行僧とてどんなに早く歩いても30年……いや50年は早いわい」


 靖治のあまりにも特殊すぎる精神性のバックボーンに、いくらかの見当を付けたロイはそこにある悲しさに眉を吊り上げて憤る。

 この世にそんな不幸があることが許せないと言い切る男は、しかしながら靖治のことを一人の男として見つめて認めた。


「哀れだが、哀れむべきではないのだろうな。お主は自分の力の限り、悔いなく精一杯生きておるんじゃから」

「えぇ、楽しい人生ってやつですよ。面白いことでいっぱいだ」


 痛みを感じながら、靖治は笑顔で言い切った。その裏側になんの稚気もない、ただ人生に対する素晴らしさを全身全霊で信じている回答だった。


「それに、その『哀れむべきでない』って言葉だけで十分です」

「フン、賢い子じゃの。やっぱ可哀想じゃ。カカカッ」


 そういって、ジジイはおどけた笑い声を響かすのだった。

デモンエクスマキナ、とりあえずアロンダイト以外の武器は揃えました(タイプ違い除く)

アタッチメントレベル3揃えたい。

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