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ホウデガー将軍

朝。

4人で目が覚め、食事に行く。


だだっ広い机に座ると、いつものように美少女メイド型人形コンビがさわやかな挨拶をしてくれる。


「おはようございます。マスター……と、女3人かしまし娘」

「おはようございます!カール様って……ええ!!」

素っ頓狂な声をあげる、ナナちゃんを初めて見た。


「……」

ココは今回は突っ込まなかった。


「ゼロさん……お願いだから、名前で呼んであげて」

ナナちゃんが寂しそうに呟いた。


「ルフェちゃん?ココ?アル?」

ゼロは無表情のまま小首を傾げて言う。


『こいつ……ワザとなんじゃないのか?』

俺はそんな事を思いながら朝食を食べた。



朝食を食べて、ホウデガーの所に向かう準備をする。

そして、一旦、大陸地図の部屋に集まった。


「ルフェちゃん。今回は誰が行くの?」


「今回も妾と、ココと、おまえ様で行く」


「もっと少なくて良いんじゃないの?クップメントからの手紙もあるんだし」

ココが椅子に座りながら肩肘をついて言う。


「そうもいかん。不測の事態に備えて、3人で行動するのが一番合理的じゃ。特にココは炎系魔法で遠距離から攻撃できる。おまえ様の接近戦はいざというとき危ないのでな」

ルシフルエントは腕を組みながら言う。


「そう言えばルフェちゃんは、攻撃魔法は使えないの?」


「妾は、攻撃魔法は一切使えん。昔は使えとったが……諸事情で忘れた」


「えっ!」

俺は驚く。


「ぷっ!……ポンコツ魔族」

ココがここぞとばかりに蔑む。


「……なんとでも言え。妾はそんなモノ無くても十分魅力的なのじゃ。炎系魔法しか魅力のない無い乳魔導師が」

ジト目でココを睨むルシフルエント。


「……何よ」

ココもジト目で睨む。


「まあまあ、ところで、諸事情って?」

俺は話をそらすため聞いてみた。


ルシフルエントは意外そうな顔をして、少し悲しむ。


「そうか……いや、この話はまた今度にしよう。長くなるのでな」

そう言って少しだけ目を瞑る。


「そう?じゃあ、さっさと行くわよ!」

ココがそう言って、俺たちは転移魔方陣の部屋に移動した。



転移魔方陣に入り、ホウデガー将軍の支配している北東方面に移動する。


転移魔方陣を出ると、いつものごとく両脇に魔族が整列していた。


しかし、いつもの魔族達とは様子が違う。


多種多様な魔族が居る上に、おそろいの軍服のような服を着ているのだ。

しかも、みんな敬礼して微動だにしていない。


『まるでホルス様みたいだな』

俺は軍服からそう思った。


少し驚きつつも待っていると、ロングブーツをカツカツ鳴らして女性魔族が近づいてくる。


「ほう?ホウデガー自らが来るとはな……」


「え!彼女がホウデガー?」

俺は驚く。


ホウデガーは端正な顔つきだが目はつり上がり、ウェーブのかかった青い髪を胸まで伸ばし、頭に真っ赤なベレー帽をちょこんと被っていた。

背は低く、ココと同じぐらいだった。


ルシフルエントの前まで来ると、凛とした態度で敬礼をする。


「わざわざお越し頂き恐悦至極でございます。ルシフルエント様!」


「ホウデガー自らが出迎えとは……悪いのう」


「いえ!我が部隊は人数に余裕がありませんのでお気になさらずに……では、我がきゅうへ」

そう言うと、ホウデガーはキビキビと振り返り、どうぞと片手を少し上げる。


ルシフルエントが歩き出すのと同時に歩き出した。


両脇の多種多様な魔族達は敬礼姿勢のまま微動だにしない。


突然、ホウデガーは止まる。


俺たちは不思議に思いつつ止まった。


「申し訳ございません。少しお待ち頂けますか?」


「よい。待とう」


「ありがとうございます」

そういうと、右脇に整列している魔族の方を向くホウデガー。


「そこの『あ00585番』!!敬礼の角度が甘い!あとで再教育だ!!!」

凛とした声で叫ぶ。


「はい!!」

たぶん呼ばれた魔族が凛とした返事をした。


「失礼しました……」

深々と頭を下げて謝るホウデガー。


「よい……将軍自ら指導とは大変じゃのう?」


「いえ……軍人として部下の面倒を見るのは当然の事です。では、参りましょう」


『軍人って……こえ~』

俺は少し思った。


しばらく歩くと、青いドーム状の大きな建物が見えてきた。


「おまえ様よ。あれは青のきゅう……ホウデガーの城じゃ。ん?あの旗はなんじゃ?」


「あれは我が部隊の部隊旗です。ルシフルエント様。最近導入しました」


「ふむ。よかろう。好きにせい」


「ありがとうございます。では……中へ」


青のきゅうの中に入る。


そして、会議室のような場所に入った。


みんなが各々好きな場所に座る。


「さて、ホウデガーよ。妾が来た用件は知っておろう?」

ルシフルエントは肩肘をつきながら喋る。


「はい!……しかし!!」

ホウデガーは少し俯き言葉を出そうとした。


しかし、ルシフルエントに遮られる。


「何が気にくわんのじゃ?」

強い口調で言う。

顔も真顔で威圧感がひしひしと伝わる。


「……」

俯いたままワナワナと震えるホウデガー。


「言え。ホウデガー」

氷のような視線がホウデガーに突き刺さる。


「……生きて、虜囚の辱めを受けず」


「は?」


「魔王様の旦那様とはいえ、ホホロン大元帥を倒し!魔界を乗っ取った勇者の軍門に下るなど言語道断!!軍門に下るぐらいなら……いっそこの場で!!」

そう言うとホウデガーは腰につけていた短剣を抜き取り、机に突き刺す。


ドン!

机に深々と刺さる短剣。


「まあ、そう騒ぐな……クップメントから手紙がある。読め」

ルシフルエントは手紙を見せる。


「お師匠様から!……おい!もってこい!」

ホウデガーは近くの軍服を着た魔族に命令する。


「は!」

魔族はキビキビとした動きで、手紙を恭しく受け取り、ホウデガーに渡した。


一礼して胸ポケットからペーパーナイフを取り出し、手紙を開けるホウデガー。


そして、凄い勢いで読む。


しばらくする。


バン!

机を叩き、突っ伏すホウデガー


「!!」

俺とココはその音に驚き、体がビクッとする。


「解せぬ………お師匠様が…そんな!!」

ホウデガーは呟くように語り、ポタポタと机に涙が落ちる。


「どうじゃ?ホウデガーよ。納得したか?」

畳みかけるように笑いながら聞くルシフルエント。


「……条件があります」

涙を袖口で乱暴に拭いたホウデガー。


「なんじゃ?言ってみい?」


「わたしと魔法勝負をして頂きたい!!」

ホウデガーは立ち上がり俺を指さす。


「えっ!俺……魔法使えないんだけど」

思わず呟く。


「では、代理でもいい!強い人間なら納得する!!」

ホウデガーは叫んだ。


「ほう……ちょうど良い、ココよ。相手をしたらどうじゃ?」

ルシフルエントは不敵に笑いながら言う。


「はぁ?何でわたしが?」

ココが立ち上がり、口答えする。


「ホウデガーは氷と水の魔導師。ココは炎の魔導師。相性は良いはずじゃ」


「嫌よ!めんどくさい」


「……おいおい」

俺は苦笑いを浮かべる。


「それでも第2夫人か?お前さんの有用性を旦那様に見せつけるチャンスだと思うがのう?ダメなら妾が出るが?」


「う!……しょうがない、出てあげるわよ」

ココは腕を組みぷいっ!と、そっぽ向きながら答えた。


「……決まりじゃな。ホウデガーよ、こやつが相手をする。ホホロンを倒した魔導師でもあるし、第2夫人でもある。異存はあるまい?」


「それは!……ぜひに!」

ホウデガーは不敵に笑った。


「ココ……すまない。頼む」


「任せなさいよ!お師匠様の所で鍛えた成果を見せてあげる!」

俺にウィンクをするココ。



こうして、ホウデガーとの魔法勝負が決まった。

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