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温泉&第3夫人

ミレに断りを入れて、俺たち4人はゲーニッヒ山脈近くの温泉に来た。


流石に前回のような裸はアルシュタインに悪いので全員分の水着をルシフルエントが用意してくれた。


俺はみんなが見えない場所に行って着替える事にする。


大きな岩を挟んで俺は手早く着替えた。

準備ができたら合図があるらしいので待つことにする。



「ちょっと!これ布の面積が小さいんですけどー!」

ココの文句が聞こえる。


「別に気にする事はなかろう?どーせ、見せるほどの体はないんじゃ。ハハ!」

笑うルシフルエントの声が聞こえた。


「ふぇ~、恥ずかしいですぅ~」


「おお!服の上からではわからんかったが……これはなかなかじゃぞ」


『そうか……なかなか、なのか』

アルシュタインはいつもフワフワでメルヘンな体のラインがよくわからない服を着る事が多い。


俺は少しだけ想像して顔が火照ってきた。



「おまえ様!いいぞ!」

ルシフルエントの声が聞こえた。


俺は移動する。


そこには桃源郷が広がっていた。


顔がますます火照り、鼻血が出そうだった。


「ふぇ~!見ないでください~!!」

恥ずかしがるアルシュタイン。

多すぎず少なすぎず、なかなかのスタイルだろう。


しかし、今回は普段のような服装ではなく、ビキニなので肌色成分が極端に多い。


いわゆる、ギャップ萌えというやつだ。


『ああ……いいなぁ』

こういう反応は初めてで感慨深い。


「ちょっと!なにアルシュタインばっかり見てるのよ!!」

ココが嫉妬心むき出しで怒る。


「そうじゃぞ……ロリは見ても面白くないが、妾は存分に見るがよい」


ココは相変わらず胸とかを隠している。

ルシフルエントは堂々と仁王立ちだ。


「まあまあ、温泉に入ろうよ!その為に来たんだし」


俺は話題をそらすために温泉に急いだ。



俺は少し距離を置いてゆっくりと浸かる。


乳白色でヌルヌルの感じのお湯が肌に心地よい。

思わず背伸びをする。


「……はぁ~」

頬が緩み、息が漏れる。


しばし喧噪を忘れ、お湯に浸った。


「ホントに気持ちいー!」

「ホントですぅ~。たまには良いですね~」

「じゃろう?」


女性陣も好評のようだ。


いつもの騒がしさがウソのように静かに入浴する4人。


『いいなぁ~。温泉がギルムアハラントに欲しい』

俺はそんな事を思った。


「なあ、おまえ様。その角をちょっと触らしてくれんか?」

いつの間にかルシフルエントが傍に来て聞いてきた。


「ああ……いいよ」

俺は頭に乗せていたタオルを取り、顔を俯く。


「おお!まるで妾の角のように可愛いのう!」

きゅっきゅっ!と撫でるように触るルシフルエント。


頭の骨に微妙な振動がくるようで少しくすぐったい。


何よりも、目線の先にルシフルエントのたわわに実った胸が迫り、少し恥ずかしい。


俺は鼓動が早くなるのを感じる。

顔も火照っているだろう。



「ん?どうしたおまえ様よ?のぼせたかえ?ちょっと顔を見せてみよ」


「あ……ああ」


俺は顔を上げる。


いきなり、おでことおでこをくっつけてくる。


『近い近い!!』

俺の目の前には顔を赤らめたルシフルエントの大きな瞳が迫る。

唇からはハァハァと細かく吐息が漏れている。


俺は更に鼓動が早くなった。


「あーーー!ちょっと抜け駆けはずるいわよ!!」

ココが叫びながらジャバジャバと盛大に水しぶきを上げてくる。


「ちっ!小賢しい」

ルシフルエントは離れる。


「ちょっと!私も混ぜなさいよ!わっ!」

ココは転ける。


「危ない!」

俺は思わず手を出した。


なんとか、受け止めたが不可抗力で胸の辺りを持ってしまった。


「あ……バカーー!」

俺はおもいっきり平手打ちをくらった。


「おまえ様!この馬鹿が!お前の無い乳を触られたぐらいで何をするか!!」

ルシフルエントがココの前に立ち怒る。


「あ……ごめん」

ココがシュンとする。


「大体、第2夫人としてもう踏み込んだ関係じゃろうが?今さら胸ぐらいで騒ぐな!」


「……だって、恥ずかしいモノは恥ずかしいだもん」

ココは拗ねる。


「まあまあ、落ち着こう!」

俺はすかさず仲裁に入る。


「まあ、おまえ様がそこまで言うなら……」

「……」

二人はなんとか矛を収めた。


しかし、険悪な状況は更に続き、二人は距離をとって、温泉に浸かっている。


「なんだかぁ……険悪ですね」

アルシュタインは苦笑いを浮かべて近づいてきた。


「はぁ~」

俺は溜息をつく。


「ちょっと……いいですか?」

アルシュタインは心なしか頬を染め、モジモジしながら言う。


「なに?」


「こんな時に言うのも、どうかと思うんですが……こんな時しか言えないので……」

うつむき恥ずかしそうに語る。


そして、意を決したように俺に耳打ちしてきた。


「わたし……諦めてませんからぁ」


俺は、心臓が止まるぐらいビックリした。


てっきり、ルシフルエントにあんな事されて諦めたと思っていたが……アルシュタインは脆そうで以外とタフな女の子だったのだ。


俺は思わずアルシュタインを真正面から見て聞いてみた。


「本気?」


「はい!第3でも第4でも目指しますぅ!」

アルシュタインは頬を赤らめながら可愛らしく敬礼した。


「ああ……そうか、嬉しいよ」

俺は引きつった笑顔を向けた。


「ありがとうございますぅ!」

アルシュタインは満面の笑顔で答えた。


正直なところ嬉しい事ではある。

アルシュタインは年上だが可愛い。

仕事もできる。

貴族として花嫁修業もしっかり積んできているだろう。

今いる奥さんの中では一番常識的な分類に入る人だ。


しかし……全てを嫁にしないでもいいだろう?


確かに、王族は3人以上の夫人を引き連れる事も多いし、さらには子孫を残すため、ハーレムを形成し、婚外子も多い。


まさか、自分がそう言う状態になるとは思わなかった。

庶民感覚が抜けない俺からしたら少し疑問が残る。


『まあ…もう、第2夫人も居る事だし……なるようにするしかないのか?』

俺は悩んだ。


「おや?なんだか良い雰囲気じゃのう?」

ルシフルエントが近づいてくる。


「そーよ!そーよ!どうなってるのよ!!」

ココも近づいてくる。


「わたし!!諦められません!!」

いきなりアルシュタインが火に油を注ぐ。


「ほう……いいぞ。アルは第3夫人決定じゃ」

ルシフルエントは妖艶に笑う。


「ありがとうございますぅ!ルフェちゃん!!」

アルシュタインは満面の笑みで喜んだ。


「えっ!」

俺とココは驚く。


「ちょっと!!意味わかんないわ」

ココが叫ぶ。


俺も状況が把握できない。

本人の知らないところで、また嫁が増えるのだ。


「よかろう第2夫人?これも領主の定め。子孫繁栄が優先じゃ。まあ、第1夫人は妾だがのう……その事はわきまえとるよのう?アルよ」


「はい!よろしくお願いしますぅ!」

ココを無視して深々と頭を下げるアルシュタイン。


「ちょっと!無視しないで!!」

ココは叫ぶ。


すると、アルシュタインはココに真正面に近づき、両手を掴む。


嫌な予感しかしない。


「ココさん!!よろしくお願いします!!わたし!頑張ります!!」


アルシュタインはそう言うと、いきなりココにディープキスした。


「むーーーー!!」

それはそれは激しいモノだった。


ついには力なく放心状態となるココ。


唇が離れる。


「わたし!ルフェちゃんに教えてもらいました!!こうやって唇を重ねる事で友情を育む事を!!」

キラキラとした目で俺とルシフルエントに語るアルシュタイン。


俺は頭が痛くなってきた。


「うんうん……妾が手ずからに教えたかいがあったのう!」

ルシフルエントはウンウンと満足そうに頷いた。


あまり深く考えるとのぼせそうになるので、俺たちは上がり、ギルムアハラントに帰った。



『おかしいなぁ……疲れを取りに行ったのに逆に疲れてる』

すぐに居室に戻る。



部屋に入ると、3人が寝間着でベッドに座っていた。


「おまえ様?あれで終わりと思っておらんかったか?」

妖艶に笑うルシフルエント。


他の二人も恥ずかしいのか頬を染めていたが、キラキラとした目で俺の事を見つめていた。


「はは……はぁ」

俺は乾いた笑いを浮かべ、諦めた。


しかし、驚く事に、角が生えたおかげか知らないが、いつもよりがんばれるようになっていた。


『へんな魔力回路でも開いたのかなぁ?』

俺はそんな邪推をしながら乱れた。

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