23 暗躍 3
Aクロバンチを見終わったが、当時としてもツッコミ所が多かったのではないかと思う最終話だった。
良き心の持ち主が新たな地球に転生するとして、敵の女幹部が混ざっているとか。
そもそもジュンの何が主役だったのだろうとか。
オヤジがリーダーでメガネアニキがヒーロー役じゃねーかとか。
転生シーンに映ってない一般人は見殺したのかとか。
脚本家がスピリチュアルな何かに染まりでもしていたのだろうか。
それはともかく、ノブとレイシェルの前に新たな危機が迫ろうとしていた。
暗雲の下に、煤け、ひび割れ、穴の開いた尖塔がある。戦いによって無残に砕かれた尖塔が。
尖塔だけではない。砦全体が同じような有様だ。はた目には廃墟としか見えないだろう。
これが以前はコノナ国最強と謳われたガデア魔法騎士団の砦だと、誰が信じるだろうか。
だがこの砦には、まだ住人がいるのだ。
叩きのめされた本来の住人達と、それの上に君臨する支配者達が。
支配者の頂点に立つ男は中庭にいた。
身の丈2m、黄金の鎧を纏った屈強な大男。
歳の頃は三十前後か。乱れた灰色の髪と太く荒々しい眉が男の野蛮さを隠す事なく醸し出す。
凶悪な笑みを浮かべる野獣のような顔の、左目は古傷で縦に切られて潰れていた。
この男こそ魔王軍陸戦大隊長ジェネラル・ゴーズ。
彼につき従っている老人ーーマスタージェイドが淡々と報告する。
「元騎士団のグスタは破れたようですな。そのまま姿を晦ましたようで」
ふん、とゴーズは鼻息一つ。
「しょせんそんなもんか。ま、見かけたら処刑するよう部隊には伝えとけ」
頭を垂れるマスタージェイド。
「そういたしましょう。さて、次にレイシェルへ向かわせる者ですが……」
ゴーズは肩を竦める。
「仕方ねぇ、正規の親衛隊を向かわせるか。どうせこの騎士団に骨のある奴はいねぇだろうしな」
だがマスタージェイドは砦の方へ目を向けた。
「しかしやる気のある者ならおりますぞ」
視線が向く先は、砦から別の建屋へ繋がる渡り廊下。天井の吹き飛んだその廊下に、数人の人影がある。
いずれもガデア魔法騎士団の鎧を着た者達だ。
「ほう? 自分から立候補してんのか?」
意外そうに訊くジェネラル・ゴーズ。
ほんの少しだが感心しているようでもあった。
「はい。レイシェルを捕えて帰れば、ここを出るも魔王軍での出世も思いのまま……という事が広まっているようで」
レイシェル達の元へ向かう前、グスタが漏らしたのである。
その事を薄々マスタージェイドもわかっていたが、別に困りはしないので広めるに任せておいた。
「ふん。ならまぁ一人連れてこい。真っ先に名乗り出た奴でいい」
そう言って元騎士団員達を見るジェネラル・ゴーズ。
僅かに期待もあるようだ。
「ならば丁度おりますな」
そう言ってマスタージェイドは元騎士団員達へ呼び掛ける。
「話は聞いていただろう。お前だ」
元騎士団員達の中から、おずおずと、一人の騎士がゴーズの前に出て来た。
ビクビクしている騎士を見下ろすジェネラル・ゴーズ。
「こいつか。ほほう……腕が立つようには見えねぇが、まぁいいだろう。どうせこいつらの腕の差なんぞ取るに足らねぇ。ならやる気のある奴の方が見込みはあるわな」
そう言って何かを取り出した。
「こいつもくれてやろう。持って行け」
それを騎士へ放り投げる。
慌ててそれを受け止める騎士。
それは木製の指輪だった。
「これは……?」
「あいつらを操るアイテムじゃ」
そう言ってマスタージェイドが庭の片隅を指さす。
そこは何本も植えられた樹木の陰。
そこに明らかに異質なモノがあった。
毒々しく禍々しい、自然に生まれる筈の無い、巨大な生物が。
かつてレイシェルと同じ騎士団、共に戦った味方だった者から、また刺客が一人。
魔王軍から異形の魔獣を借り受け、再びレイシェルへ魔の手が伸びる……。
設定解説
・Bカノンピルバグ
ダンゴムシのような頭部を持つ機体。
肩には大砲が設置されており、威力・射程ともに優れたこれが主要武器。
装甲も厚く、戦場では砲台として運用される。
半面、運動性は低い。また懐に潜り込まれるとアームドナックル(腕部装甲に備え付けられたメリケンサック)しか武器が無く、攻撃力は著しく低下する。
基礎ステータス(強化改造や装備するアイテムにより、この数値は変化する)
HP:5000 EN:170/170 装甲:1400 運動:90 照準:145
格 アームドナックル 攻撃2500 射程P1-1
射 ロングキャノン 攻撃3000 射程2-6




