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102/114

102 二人 5

売国奴として討たれた兄のせいで騎士団から追放された令嬢騎士レイシェル。

そんな彼女の前に最強を自負する転生者にして霊能者・ノブが現れ、秘宝神蒼玉(ゴッドサファイア)探索の旅へと誘う。

長い旅の末、二人は数々の仲間とともに神蒼玉(ゴッドサファイア)を入手。旅の目的を果たした。

だがノブの師匠の所へ戻った折、そこでノブが生体改造の実験でできた人造人間だと判明。

己の出生を知ったノブは、一人、自己を確立するため新たな旅に出ようとしたが――。

 飛んできたのは三騎の魔物。

 大型の馬ほどの竜に乗り、剣を振り上げる甲冑姿の戦士‥‥ドラゴンライダー達。魔王軍の兵士でも上級に位置する騎士達だ。

 それらは森の縁に停めてある2機のケイオス・ウォリアーを見つけ、操縦者達が降りている事に気づく。

 宙で何やら相談したが――すぐに真っすぐ飛んできた。


 急ぎ木から降りるジルコニア。

 抱き合う二人の頭上で叫ぶ。

「おい、敵だぞ! 魔物だぞ! 乳繰り合うのは夜中までおあずけだぞ!」

「言い方ァ!」

 顔をあげて怒鳴るレイシェル。


「二人になれないなら仕方がない。邪魔者には消えてもらおう」

 平然とそう言い、レイシェルから離れてノブは小走りで森の外へ向かう。

 レイシェルはその言葉に目を丸くした。

 眉を(ひそ)めて「ハァ?」という顔をするジルコニア。

「急にああいう事を言えるようになりやがって‥‥」


 ノブは森の外に駆け出る。

 だがライダー達は竜に高熱のガスを吐かせ、剣を振り上げて突っ込んできた。

 機体に乗る前に仕留めるつもりである。


「いいだろう。そのつもりならば‥‥!」

 言いながら腕を力強くふるノブ。

 青い煌めきが霧のように舞い上がる。


 そして、青く輝く波動がノブから周囲へと放たれた。

 一瞬、大気が震え――騎士達が剣を落し、頭を抱えて絶叫する!

 竜どもは身悶えし、正気を失った咆哮をあげ、()()()()()()()()()()。大地に高速で激突し、骨の砕け散る音とともに痙攣するだけになる。



【マインド・フレイ】――超能力系最高位の攻撃呪文。精神波の激流が敵の脳と神経を粉砕する。神経細胞の破壊に耐えられなければ死! 精神の破壊に耐えられなければ狂乱しての自滅! この狂気の洪水に耐えられる生命体はほとんど存在しない。



「うへぇ‥‥」

 遅れて出て来たジルコニアが、凄惨な光景に顔をしかめる。

 一緒に出てきたレイシェルを、ノブは促した。

「敵が来ているなら師匠の所にもだろう。急いで戻ろう」

「了解ですわ!」

 力強く頷くレイシェル。

 二人はともに互いの機体へと走り出した。同じ場所へ赴くために。



――大賢者のダンジョン前では、さらに戦いが激化していた――



『ドリルフィーバー!』

 ザウルライガー最大の必殺技、五つのドリルの一斉攻撃が敵を穿つ!

 それは火花を散らし、装甲を破り、確かに敵へ甚大なダメージを与えた。

 だが‥‥ライガーに匹敵する巨体の敵は、その威力に耐えきる! そしてライガーの頭を鷲掴みにし、力任せに振りほどいた。


 膨れ上がった体格。牙を剥く鬼面を胴体に、牙を剥く三つ目三本角の鬼面。太い両腕、両足、その先には巨大な鉤爪。全身を金属の装甲で固め、爛々と五つの目を輝かせる。

 異形の機体Sティアードフェイスから、操縦者マスタープリーストの笑い声が通信機越しに届いた。

『この最終形態まで引きずり出し、ここまで戦ってみせるとはな。なかなか頑張ったではないか。だがそれもここまで!』


 輝く氷の息を吐きだすティアードフェイス。それは目の前のライガーを吹き飛ばし、半壊状態だったお供の量産機を消し飛ばし、それらと戦っていたSフェザーコカトリス、クラゲ艦Cオーウォーを全て巻き込む。

 各機から苦悶の声があがった。


(各形態だけなら私達だけでも十分だった。けれど連戦だったのが‥‥)

 クラゲ艦のメイン座席で唇を噛むリュウラ。

 その触手で敵の戦意(モラール)を下げながら応戦していたが、ティアードフェイスが変身しながら吐き続ける氷のブレスは艦の再生能力を上回り、危険な所まで追い詰められていた。モニターに表示されるHPゲージはとっくに黄色く変色しており、あと僅かで危険域の赤色になる。


『クッソー! ヤバいか!』

 オーガーハーフエルフのエリカが副座席の一つで頭を抱えた。



 しかしその時。

 戦場に駆け込む二つの影!

 それらから放たれた光線と熱線が氷のブレスと激突し、爆発を巻き起こす。


何奴(なにやつ)!?』

 攻撃を邪魔されたティアードフェイスから叫ぶマスタープリースト。

『私達以外いるわけがないでしょう!』

 そこに立っているのは、SエストックナイトとEムーンシャドゥの2機。

 レイシェルとノブだった。

設定解説


・Sティアードフェイス


白銀級機(シルバークラス)の巨人型ケイオス・ウォリアー。

だが神官然とした姿が撃破されると、巨大な頭に鬼面の頭が乗ったような怪物の姿へ変身する。

変身は撃破される度に繰り返され、両腕が生え、四肢が太くなり、全身が金属の装甲で覆われ‥‥と4形態まで行われる。

近距離には爪、遠距離には魔法、MAP兵器として輝く凍気のブレスと、隙の無い武装で何度も戦いを仕切り直しての持久戦をしかける事で敵を制圧する。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いよいよ真打ち登場! [一言] ……Fあたりからカップル隣接させると補正付く修正ついてましたよね?(笑)
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