閑話 ダークエルフの集い
今日は、ナターリアの奴と一緒に。冒険者がよく集う酒場に来ている。勿論、ナターリアと仲が良いからでは無い。久しぶりに、姉上達と会う事になったからだ。
「久しぶりね、ナヴィちゃん、ナタリーちゃん」
「その呼び方・・懐かしいです。オルターニャ姉上」
「その呼び方、私は嫌いです」
「えぇーー、ナタリーちゃん酷ーーい!」
「ふふ、ナヴィアナもナターリアも元気そうだな」
「お姉様方もお元気そうで何よりです。ナターシャ姉様もお変わりなさそうで良かったですわ」
「まあな、所でナターリア。相変わらずモッているのだな」
「なっ!」
「ぷっ、ぷははははは」
「ナヴィアナ! 笑うんじゃない!」
「いい加減、諦めたらどうだ?」
「うぅ、そう言うナターシャ姉様だって無いでしょ!」
「私は元々気にして無いからな。それに、ナターリアよりある」
「くっ!」
「もう、ナタリーちゃんも、ナターシャも喧嘩しないの! 仲良くね、姉妹でしょ。それにナタリーちゃん」
「何ですか? 従姉妹のオルターニャ姉様」
「これから成長するわ、だから大丈夫! きっと大きくなるわ!」
「・・・・・・・・」
「ぷひっ、ぷははははっ! 無理、絶対無理!」
「ナヴィアナ・・・アンタねぇ!」
「さて、ナターリアの胸を揶揄うのこの辺にして、本題に入るぞ」
「もう、ナターシャ姉様!」
「はいはい、ナタリーちゃん。お静かにね、続けてナターシャ」
「あぁ。ゴホン、えー二人に縁談が来ている」
ナターシャ姉上の話しに、ナターリアと思わず目を合わしてしまう。時よりこの話しがくる。父上も叔父上もまったく!
「「お断りします!!」」
「あら、息ピッタリ」
「まあ、そうだろうな」
勿論、断固としてお断りだ。そもそも・・・・「姉上達こそ先に結婚して下さいよ」
「ナヴィアナの言う通りですわ! 私達より、五十才も上なのですから!」
「私は、後百年はする気は無いな。するにしても、強い男でないとな」
「そうね。最近のダークエルフの男共は、軟弱なのよねぇー」
「はあー、お二人に比べられたら、そうなんでしょうけど」
二人共、魔法と近接戦の両方をこなす、途轍もない実力者だ。
魔法においては、ナターリアより上だし。近接戦闘においては、私よりも強い。二人に勝てる、ダークエルフの男など数える程度しかいないうえ、その男達の大半が既に結婚している。
つまり、暫く無理・・・。それにしても・・・・結婚かぁー。
私も、まだする気は・・・・そんな時、ふとある者の姿が浮かんでしまった。
「ナヴィちゃん? ナヴィちゃん?!」
「はっ!」
「大丈夫? ナヴィちゃん」
「はい、すいません。少し考え事を・・・・」
「? 珍しいわね。ナヴィちゃんがボーっとするなんて・・・・」
「ふん。大方、あの男の事でも考えてたんじゃないの?」
「おい、ナターリア!」
「「あの男?」」
しまった。つい反応して・・・・。
「あらあら、ナヴィちゃんに恋人?」
「ほう、ナヴィアナがなぁー」
「恋人ではありませんよ。ナターリアも余計な事言うな」
「あら。でも、あの男の事を考えていた事は否定しないのね?」
「うっ」
「「ジィーーーーーー」」
二人から鋭い視線が! くっ、ナターリアの奴!
「ナヴィちゃん。貴方が誰を好きになろうと別にいいけど。私より弱い人はダメよ」
「ですから、恋人とかそう言う関係ではありませんから!」
「私は別にどうでもいいが。ナヴィアナが気に入る男なら、会ってはみたいな」
「ふん、あんな人間の何処がいいの? ナヴィアナ」
「「人間?」」
「だから余計な事を言うな! ナターリア!」
「人間なのね。ナヴィちゃんの思い人は・・・・」
「ですから違うと言ってるでしょう」
「ダメです。断固認めません。私より弱い上に人間なんて!」
「いえ、人間ですけど姉上達より強いです。あっ」
しまった。口がすべった。
「私達より強いだと? ただの人間がか?」
「へぇーー、会ってみたいわね」
「あんな奴たいした事ありません!」
「よく言う。ハイオーガにやられて、助けられた癖に」
「あ、アレは油断しただけです!」
「ハイオーガ? その、男性が倒したのですか?」
しまった、思わず・・・・。
「どうなの、ナヴィちゃん?」
「はい・・・・それも魔法の一撃で」
「ほう、益々会ってみたい! 所ではあるが・・・・」
「えぇ、残念ながらこれから仕事なのよ」
「そうでしたか」ほっ、良かった。ん? あれ? どうして私はホッとしたのだ?
「ナヴィちゃん、今ホッとしたでしょう?」
「私達に会わせたくないと・・・・つまり、私達が会ってしまったら・・・・つまり、そう言う事になるのでは? と心配してるな? それほどか」
「いえ、別にそんな訳では・・・・」
「ナヴィちゃん! 仕事が終わったらもう一度来るわ! その時に紹介なさい! い・い・わ・ね!」
「・・・・はい」
「それじゃあね、二人共」
「ではまたな」
二人は席を立ち、足早に酒場を後にした。あぁー、どうすれば?
何故だろう、二人を紹介したくない。
姉上達の仕事が、長引くように願ったのは、私だけの秘密だ。
「もう来るなって、顔に出てるわよナヴィアナ」
ナターリア! うるさい!




