長い1日
でもよく考えると危機感が足りないのは自分なのかもと思い直す。
こちらの世界ではさらわれたり、野盗を殺したりが日常的なのだろう。
ミドーリンもためらいなく野盗を倒していたし。
治安の良い日本で、のうのうと過ごしていた自分の方がイレギュラーなのだろう。
大事な選択だ、砦に行くのか町に残るのかそれともどこか他に行くのか。
みんなに聞くと
砦に行くことに賛成がアトスとヘカトン。
みんなについて行くがミドーリンとミニーマム。
この時点で多数決だと行くことになる。
自分も町のみんなが蹂躙されるのは見たくない。
「よし、バンプ砦に行こう」
みんなも力強く頷いてくれた。
急いで宿を引き払う支度をする。
外に出ると、アトスが先ほどの騎馬隊に話をつけてくれていた。
馬を持っているなら先に砦に行ってくれとのこと。
通行証を人数分もらっていて、砦に入る際見せるようにとのこと。
敵と味方の判断するためだろう。
ミドーリンとヘカトンが馬を連れてきてくれたのだが。
全ての馬にスカーフが巻いてある。
緑の他に赤、青、黄。
い・つ・の・間・に!(おもてなし風)
「アトスの馬の名前はレッドね」
ミドーリンがアトスに馬を渡す。
「ブルーはヘカトンね、イエローはヒロよ」
戦隊モノかw
しかもお笑い担当のイエローが俺かよ…
確かにカレー好きだけどさ
ミドーリンの後ろにミニーマムが同乗し、だく足で進む。
砦前で衛兵に通行証を見せて中に入ると慌ただしく兵士達が動いていた。
「君達はシェアトの町から応援に来てくれた者かね?」
後ろからプレートメイルで完全武装した兵士が話しかけてくる。
「そうです。馬を持っていたので早めに到着しましたが、どなたですか?」
「ああ、すまない。バンプ砦隊長のガルマンだ」
「それで…どうすれば」
「すでに敵兵士は視界に入っている城壁に登り弓で応戦の手伝いをして欲しい」
報酬の話をする暇もなく慌てて城壁に登る。
城壁の上で弓を渡され、使ったことはあるか?と言われたので、自前のを使うので返却する。
確かに敵兵が遠くに見えるな。
2kmくらいか?本当にギリギリ間に合ったな。
まずみんなを集める。
新型クロスボウのロングレンジモードの殺傷距離は120m以上、城壁の5mの高さも考慮すると200mは届くだろう。200mのおよその目印を教えて、接近されるまでにどんどん撃つように説明する。
ロングレンジから3連モードに切り替える目安の50mも、目印を教える。
敵兵士は装備重量もあるので200m全力で接近しても30秒はかかるはず。
城壁にハシゴをかけて登りきるのに15秒はかかるだろう。
相手が城壁に登っていないようなら継続で新型クロスボウを撃ち、1人でも敵兵士が登ってきた時点で旧型クロスボウに切り替え対応するように話す。
みんな持ち場につき200mポイントを超える瞬間を待つ。
「よし、撃て!」
自分の合図でアトス達が一斉に撃ち始めた。
城壁の弓兵達がさすがに驚く。
明らかに射程外なのだ無理も無いだろう。
それでも次々に敵兵士に命中し倒して行くのを見ると歓声が沸き起こる。
敵も狼狽したのか、もたつきながらも走り出す姿が見えた。
最初のマガジン9発が終わると次に切り替え再開する。
現在うちら5人の独壇場だ。
3つ目のマガジンが撃ち終わる頃にようやく50mくらいだ。城壁の弓兵達も攻撃を始め、うちらも3連モードに切り替え対応する。
敵からも火の玉や、矢が飛んでくるがまだ届く距離ではない。
こちらが一方的に敵兵士を減らしている状況が続く。
さすが新型クロスボウ、次々に敵兵士が倒れていく。
敵兵士達の間で悲鳴と怒号が聞こえてくる。予想外の被害なのだろう。
4マガジンを打ち終わり5マガジン目でようやく敵兵士ハシゴをかけてが登り始めてくる。
この時点で敵兵士はほぼ半数を失っていた。
「登ってきたべ!」
アトスの合図でみんな旧型クロスボウに切り替え圧倒的な連射力で階段から撃ち落としていく。
味方の弓兵も口を開けて驚いてる顔が見える。
そりゃそうだ。1秒間に3発撃ちこみ全弾即死させているうちらと、3秒間に1発撃ち、盾に防がれたりしている弓兵ではだいぶ違うだろう。
戦闘が開始されまだ3分足らずで城壁の上にもたどり着けず、半分以上の被害。更に拡大していく状況に敵隊長らしき人物から撤退の合図音が鳴ったようだ。
敵兵士達は我先にと一斉に引き上げていく。
味方から勝どきが上がった。
あまりにも早く、あっけない勝敗になんか腑に落ちない。
普通はさ何日もにらみ合いとか、陽動部隊が動いたり夜襲されたりするもんじゃないの?よくわからんけどw
ガルマン隊長がお礼を言われた後
「ところでその弓、売ってもらえないだろうか?」
流石にこの武器が自分達に向けられる可能性もあると怖すぎるので丁重にお断り、今後も変わることは無いだろうと付け足した。
敵兵士からクロスボウの矢を8割がた回収して(敵装備品は戦争法令により国のものだそうだ)砦に戻ると斥候により完全撤退と連絡があったそうだ。
シェアトの町から続々と援軍部隊が到着したが、すでに終戦しており手間賃の10アデルをもらいトンボ帰りしはじめていた。
自分達も報酬の1万アデルをもらい戻ることにする。
みんな疲れきっていた為、ほとんど会話もないまま夜には町に戻り解散する。
赤いきつね亭で深い眠りにおちていくなか、明日みんなのレベルアップの確認をしようと思うのだった。
(あ、今回オチが無い!まいっかw)
次回へ続く




