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教授とシャンバラの時計  作者: L→R
月の港の極東人
23/40

月の港の極東人 2

 施設から与えられた任務のための出発を明日に控え、エインは友人へ挨拶に回っていた。

 施設は広大で、たった十人あまりの友人の研究室を回るだけで、一日終わってしまいそうだった。

 三人目の友人への挨拶を終え、四人目の友人の研究室へ続く白く長い廊下を歩いていると、向かいからまさに四人目の友人が、都合良く歩いて来た。

「バーニィ!」

 エインが声をかけると、白衣のポケットにだらしなく両手を突っ込んで歩いていた友人は、にこりと笑って歩みを速めた。

「明日、出発だって?」

「ああ。みんなに会って回ってる。」

 エインが言うと、バーニィが「そりゃ大変だ」と苦笑した。

 目の前のバーニィとは、三年前に知り合った。バーナード・ドゥルーと言って、歳は同じ。数年前に同職のナタリーと言う女性と結婚したが、二年後に生まれた子は原因不明の不治の病にかかり、たった数日でその生を閉じた。その後、互いの心労が祟り、妻とは離婚した。

 エインと似て、冷静でいつも笑顔を絶やさない男だった。趣味も、割かしとおっとりとした性格も合い、あっという間に意気投合し、今では親友の一人である。

「重要任務だな。仲間内から選ばれるとは、誇らしい。」

 バーニィが言った。

「本当は、祝杯でも挙げて一晩みんなで飲み明かしたいが…。」

「お互い忙しい身だからな。」

 エインが言うと、バーニィが肩を竦めて頷いた。

「これで、少しでも人間の寿命が長引けばいいけどな。

 生半可なエコがこの地球を救うなんて言ってたやつらに、外の空気を吸わせてやりたいよ。」

「医者ならぬ発言で。」

 斜に構えるバーニィに、エインがはにかみ笑った。

「コウも次の試験を受けるって言ってた。」

 エインが言うと、バーニィが俯いて苦笑した。

「次々、いなくなるな。ここから…。」

「仕方がないな。こうなった以上は。」

 言うエインも、哀しく苦笑した。

「いつか、迎えに行けるようにするから。」

 そう言って、バーニィが手を差し出した。エインはその手を握りしめると、力強く頷いた。

「期待してるよ。」

 二人は頷き合って、別れた。

 永遠の別れではない。暫しの別れだと、確認をして。


◆ ◆


 六人目、七人目と挨拶を終え、最後にもう一人の親友であるコウ・イトダの研究室を尋ねる。

 コウは代々この研究施設で幹部を務める優秀な研究者を輩出しているイトダ家の次男で、自身も次期歴史研究部門の最高顧問として名を挙げていた。

 コウの研究室の外で声をかけると、すぐに陽気な声が帰って来た。

『どうぞ~!』

 ドアを開け、中に入ると、コウが机に座って、入って来たエインを見て笑った。

「挨拶回りか。」

「ああ。」

「俺もそのうち行くぞ?」

 悪戯っぽく笑うコウは、先祖のどこかで西洋人の血でも混じったかと思う程に彫りの深い顔立ちで、大きな目が印象的な青年だ。だが、実際西洋系の血が混じった事はなく、純血アジア人種だった。

「待ってるよ。」

 それだけ言うと、もう話がなかった。

 話し込む事は普段からしているが、こういった”いざ”と言う時にする話は持ち合わせていなかった。

 付き合いが深いせいで、改めてお別れとか、過去を振り返るだとか、そんな事をする必要性もなくなってしまった。

 『顔を見れば解る。』

 それが総てだった。

「見送りには行けない。」

「ああ。独りで行くよ。」

「無事で。待ってろよ。」

 そう言って、コウが拳を突き出した。エインも拳を挙げ、軽くぶつける。

「お先に。」

 この時、エインはまだ心と感情はバラバラなままで、微笑みも哀しみも、知識だけでその表情を作っていた。

 それでも友人たちは自分の大事なものであり、何にも替え難い存在には違いなかった。

 帰って来られる。また会えると信じて疑わなかった。

 だから、この先自分がこの場所に帰らないと言う選択をするなどという事も、考えもしなかった。


◆ ◆


 エリーズの食事の支度を手伝い、キッチンを右往左往する。

 不器用でもなく、料理が出来ない訳でもない。気転が利かない訳でもないが、エリーズの手際の良さに、自分の必要性を見出せなかった。

 だから、ヴィヴィアンはただ言われた事をする事にした。

 予め仕込んであったスープを温め、これまた予め仕込んであったチキンをオーブンに入れる。

 食事はまだ、と言っていたが、恐らくエインやヴィヴィアンの到着を待ってくれていたのだろう。

 エリーズはテキパキと余念なく動き、ヴィヴィアンの手が空かぬよう指示をする。

 三十分余り経ったところで、チキンが香ばしい香りを立て始めた頃、やっとする事がなくなった。

「一つ、聞いてもよろしいですか?」

 ヴィヴィアンが訊ねると、エリーズは一瞬きょとんとして、ふと笑った。

「何でも、何個でもどうぞ。」

「ご主人のアルフォンス様は、こちらにいらっしゃる前は東洋の故郷にいらしたのですか?」

「ええ、そのようよ。

 私も出会う前の事は話くらいしか聞いた事がないけれど。

 何故?」

 問い返されて、ヴィヴィアンが一瞬口篭った。

「いえ…。

 知人に、”イトダ”という者がおりまして…。」

 ヴィヴィアンが言うと、エリーズは「あら。」と言って喜んだ。

「東洋の方にも色々な名前があるのに、偶然同じ名前のお知り合いがいるなんて。」

 エリーズは楽しそうに言いながら、オーブンを開けた。重い熱い空気が溢れ、後からふわりとチキンの香りが漂う。

「親戚かしら…? ファーストネームは?」

「”アキ”です。”アキ・イトダ”。男性です。

 叔父に当たる方の名前も聞いた事があって…。

 確か…、”コウ”、…だったかと…。」

「アキ…。コウ…。」

 再びオーブンの蓋を閉じ、エリーズは唇を人差し指で叩きながら名を繰り返したが、思い当たらないようで、ヴィヴィアンを見て肩を竦めた。

「聞いた事ないわ。

 アルから家族の話も聞いているけど、お父様もお母様もお祖父様も、確か従兄弟たちも違う名前だったわね。

 残念。知り合いだったら楽しかったのに。」

 そう言って、くすりと笑う。

 ヴィヴィアンは、何故か少し落胆をして、俯いた。

「そうですね…。済みません、変な話を。」

「いいのよ。

 何でも話してね。うちの主人も変人だって言われているけど、教授Aも相当変人だと言うし。

 苦労も多いと思うのよ。今までのメイドさんもすぐ辞めて行ってしまったしね。」

「今まで教授のお屋敷に入ったメイドをご存知なのですか?」

「ううん。直接は知らないのよ。

 でも、噂はね、聞こえて来るから。

 あなたが思っている以上に、教授はご高名だし。

 意外なところに知り合いがいるのよ、あの人。

 ベルトワーズ伯爵もそうだし。ロンドンのご友人も、セレクトショップをやっていらっしゃる女性とか、大学とは無縁の方が多いそうなのよ。

 とっても奇妙よ。」

 エリーズが笑った。口調には言葉ほどの悪意はないので、恐らく冗談でお互いを貶し合える関係なのだろうと思う。

 ヴィヴィアンには、何年経っても気付けない関係だと思う。

 思案に暮れていると、エリーズが「でも…。」と言ってヴィヴィアンを覗き込んだ。

「あなたはかなりのお気に入りのようね。

 教授が誰かを旅に同行させるなんて、なかったもの。」

 そう言われて、指先がじわりと痛んだ。

 ベルトワーズ邸での一件でも感じた感覚だ。

 ”幸せ”という感覚…。

 今まで感じた事のない感覚だ。

 道が変わっている、と信じられる感覚であれば、尚いい。

 痛む指先を擦っていると、チキンの香りが再び立った。エリーズがオーブンを開けたのだ。

「出来上がり。いい色付いてるわ。

 やっぱり下茹ですると焼き上がりが早くていいわね。」

 エリーズはヴィヴィアンを振り返って満足げに笑うと、チキンを手早くオーブンから出し、プレートの上に置いた。

「さ、お食事にしましょ。

 お待たせして、ごめんなさいね。」

「いえ…。済みません、大したお手伝いも出来なくて…。」

 言っている傍から、エリーズにスープを入れた大きな器を渡される。エリーズは焼きあがったばかりのチキンのプレートと、ミルクパンの乗った籠を器用に持ち上げてにこりと笑っている。

「ううん。

 あなたは十分お役に立ったわ。自分を余り過小評価しない事よ。

 この調子で、教授のお食事もよろしくね。」

 ヴィヴィアンは少し恥ずかしくなって、俯きがちにエリーズを見、頷いた。

 そして、男どもは話が弾んでいるだろうから、と足音を少しだけ消して二階への階段を昇る。だが、賑わっていると思われた部屋からは何の音も漏れて来ず、歩みを進めるごとにエリーズとヴィヴィアンの足は重くなった。

 不思議に思い、部屋の前に着くなり、エリーズがドアに耳を近づけた。

「静かだわ…。」

 そう呟いて、遠慮がちにドアをノックする。

 中からは、一呼吸も二呼吸も置いて、夫のアルフォンスの声がした。

「どうぞ。」

 ドアを開けると、苦笑しているアルフォンスと、笑い切れていないエインがいた。

 二人の間には妙な空気が漂っていて、取り繕う笑顔が余計に空気を助長していた。エリーズも当然気付いていて、逆にそれを窘め出す。

「まったく、これから食事だって言うのに、重い空気作って!」

「済まないすまない。」

 怒られ、アルフォンスが笑う。

「どうせ、主人が変な事聞いたんでしょう? ごめんなさい、教授。」

「いや…。ボクも、ね…。」

 珍しく言葉を切れ切れに吐き出して、エインが苦笑した。

 そして、ヴィヴィアンが手にしているスープを見、微笑んだ。

 エリーズもアルフォンスも、その視線に話題を切り替える。

「さあ、食事だ食事。」

「ヴィヴィはとってもお料理上手ですわよ。教授。」

「おお、それは素晴らしい。」

「少しは太れるな。」

「太る必要はないだろう。」

「でも、教授は少し細すぎません?」

「そうかなぁ? これでも筋肉はまだあるんだよ?」

「ガリの怪力男って言われてたもんな。」

「そうそう。」

「まぁ。」

 ぺちゃくちゃおしゃべりの続く中、スープが注がれ、チキンが配られ、着席を促され…。

 ヴィヴィアンは一言も発する事無く、ただ流れを追うだけで精一杯ではあったが、置いていかれているという感覚もなく、どちらかというとヴィヴィアンのために三人が止め処なく話しているように思えた。

 そういえば、饒舌で読書好きで、その他多少の生い立ちくらいしかエインの事は知らなかったし、突っ込んだところまでエインについて教えてくれる者とも出会わなかった気がする。だから、この会話は、エイン・アンダーソンという男について知るには、とても都合のよい内容だ。

 そんな思惑を知ってか知らずか、三人はお構いなく夕暮れまで話し続けた。


◆ ◆


「あらやだ、もう外が暗くなってるわ…。」

 とエリーズが外に気付いた頃には、もうすっかり空は夜の体で、街にも明かりが灯っていた。

 一同…というより主にヴィヴィアンを除く三人であるが…の話は中々尽きず、結局食事が終わってからこんな時間までお喋りに勤しんでしまった。

 が、その割にテーブルの上の食器は綺麗に片付けられ、お茶がきちんと用意されていた。エリーズが場の流れを切らず紅茶の準備をしていたからであるが、誰一人その行動には気付かなかったという事である。

「今日はもう遅い。泊まってくだろ?」

 アルフォンスが言うと、エインが苦笑した。

「それは悪いよ…。」

「お構いなく。お客様用のお部屋の準備はもう済んでいるから。」

 エリーズが笑う。どうやら夫妻は、こうなる事を見越して全ての準備を整えてくれていたようだった。

「どうせあとは、スコットランドに帰るだけなんだろ?」

 アルフォンスが訊ねると、エインは「…まぁ、そうだが…。」と歯切れの悪い返事をした。

「中々こちらにいらっしゃれないんですもの。積もるお話もあるでしょう? 私もヴィヴィとお話したいし。

 ね? 教授。」

 エリーズにも推され、エインはヴィヴィアンをちらりと見て、溜め息混じりに頷いた。

「悪いね。そうさせてもらうよ。」

「いいえ。お気遣いなく。」

 エリーズは待ってましたとばかりに席を立ち、紅茶を淹れ直しに出て行った。

 ヴィヴィアンは口を挟めないので、ただ成り行きを見守っていた。エインと視線が合っても、どう反応してよいか判らなかった。

「ヴィヴィは…。」

 戸惑う空気を察してか、アルフォンスがヴィヴィアンに声をかけた。

「はい。」

「生まれも育ちもロンドンかい?」

「生まれは…、済みません、解らないのですが、育ったのは、ロンドンです。」

 少し言い難そうに答えるヴィヴィアンを、エインがフォローした。

「ヴィヴィはボクと同じだよ。」

 エインの説明に、アルフォンスが「ああ。」と頷いた。

「気にしなくていい。少なくとも、この家の中ではそう言った事にとやかく言う者はいないから。

 話したくなければ、別だが。」

 柔らかく笑って、アルフォンスが言った。

「有難うございます。

 ロンドン郊外の孤児院にいました。たまたま学校へ通わせてくれるという方がいまして、読み書きはきちんと出来る様教育は受けさせて貰えました。

 その後、サンアッチ教授をご紹介いただいて、暫くは施設の手伝いと、ロンドン内のお屋敷へ、シーズン区切りの契約でメイドのお仕事を…。

 アンダーソン教授のお屋敷に勤めるお話は、二週間前に決まりました。」

「そうかぁ。

 早めに帰って落ち着きたかっただろう。申し訳ないね。」

「いえ…。大丈夫です。」

 詫びられて慌てると、アルフォンスが何故か、何か含んだように微笑んだ。

 そこには哀しみのような、愛おしさのような、計り知れない哀愁に似た感覚があるように思えた。

 話はそこで突然途切れ、沈黙が訪れた。

 久しぶりの静けさに、多少の居心地の悪さを覚える。

 ドアが開いた。見ると、エリーズが新しい紅茶を持って来たのだった。

 ポットからは湯気が立ち上る。

 エリーズは、手早くエインとアルフォンスの分だけ紅茶を注ぐと、ヴィヴィアンを見て、

「夕飯の支度、手伝っていただける?」

 と言った。

「はい。」

 ヴィヴィアンはすくっと立ち上がり、エインを見て、今度は何も言わず、エリーズについて部屋を出た。


◆ ◆


 相変わらずお喋りの絶えない夕飯を終え、夜も更けた頃、ベッドルームに案内された。

 エインとは隣同士で、向かいは夫婦の寝室だった。

 宛がわれたベッドルームは、ベルトワーズ邸までの間に寝泊りした宿屋に似て質素ではあったが、きちんと整理されており、こじんまりとした大きさが逆に落ち着く。

「何か困った事があったら、向かいにいるから遠慮なく声かけてね。」

 綺麗に糊を付けたシーツをベッドに起き、エリーズはヴィヴィアンに振り返った。

「有難うございます。」

 部屋の脇にカバンを置きながらヴィヴィアンが礼を言うと、エリーズはランプと蝋燭、洗顔の水差しの説明だけして、早々に部屋から出て行った。

 独りになり、やっと自分が疲れている事に気付く。エリーズが早めに引き上げたのも、疲れが顔に出ていたからかも知れない。

 ヴィヴィアンはベッドに腰掛け、ブーツの紐を緩めると、それを乱雑に脱ぎ捨て、そのまま倒れ込んで耳を澄ます。

 賑やかなボルドーの街も、夜になると静まり返るものなのだろうか。音は然程も聞こえず、しんとした空気が耳に入って来る。

 ヴィヴィアンはそのまま目を閉じ、今日一日に得た情報を反芻した。

 エインの旧友、アルフォンス・イトダ。妻のエリーズ。東洋の国から来たという彼と同じ名を持つ知人のアキ・イトダ。エインの友人だという、ロンドンでショップを営む女性、ベルトワーズ伯爵。

 サンアッチ教授とアルフォンスは知り合いらしい。

 ベルトワーズ伯爵とも面識があるそうだ。

 エインとアルフォンスは、アルフォンスがボルドー大学に入学する前に出会ったらしい。

 食事中ふと出た話によると、アルフォンスはフランスへ来たばかりの頃にベルトワーズ邸を訪れ、学費の免除交渉の協力を求めたそうだ。当時ベルトワーズはボルドー大学へ資金提供をしており、それなりの発言権を持っていたから、だそうだ。ベルトワーズは、アルフォンスの学費を自分が工面するという話を自ら出し、その代わりに時折自分の書物集めの協力をするようアルフォンスに求めたそうだ。あの『図書館』にあった書物の一部は、アルフォンスが集めたもの、と言う事か。

 アルフォンスはそれまでフランスは愚か東洋のニホンという国からは出た事がなく、当然二人については前以て知識を得る事もなかった。

 そして、兄弟にも親類にも自分の知る”イトダ”と同じ名はいないという事だった。少なくとも、知人である”アキ・イトダ”とアルフォンスは似ても似つかぬ他人に見える。

 そのアルフォンスが『図書館』へ出入りする中で、ベルトワーズ邸に『図書館』の書物の閲覧を所望したエインと出会い、意気投合した、と言っていた。

 そう言えば、エインは何をしているのだろう。隣の部屋からは物音が聞こえない。アルフォンスに部屋を案内されていたが、話声も聞こえないから、自分と同じように早々に独りになったかもしれない。

 エインに会いに行くべきか…? そう思い、直後に否定する。一体、何をしに…。

 ヴィヴィアンはむくりと起き上り、裸足のまま窓辺に立った。同じような高さの建物が並ぶので、ずっと向こうまで街を見渡せる。屋根の群衆の中に、ぽつりぽつりと大きな建物が頭を出す。大聖堂に、建設途中の宮殿、その向こうに見えるのはなんだろう…。

 思えば、ずいぶん遠くまで来てしまった。

 知らない土地で育てられ、知らない土地で働き始め、知らない土地で生涯忘れ得ぬ、最初で最後の出会いをした。

 何に対しても無感情だった自分が、これ程までに傾倒する事がこの世にあろうとは、あの任務に着くまで思いもしなかったものだ。

 何とかして、この想いを遂げたい。

 仮令、この世界を裏切るとしても。

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