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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
87/204

君のために出来る事 -side プルメリア-

フリージアが私と話がしたいと言った


彼が真剣な表情で私に話すことは

今まで見た事も無かった


ずっとずっと幼い頃から

隣に居て共に過ごして来たのに


フリージアは顔の表情や感情を表に出す事も無く

私は常に彼の声のトーンで彼の感情を読み取っていた


そんな彼の表情が豊かになったのは

リコリスと出会ってからだっただろう


私と居ても感情が無くて、ただ隣に当たり前に居て

簡単に例えるならば

信頼する家族みたいな存在だったのに‥


「‥私に何か用事か?フリージア」


「……全て彼女から‥聴きました

俺は彼女も母さんも守りたくて

‥そして彼女を幸せにしてあげたいんです

今まで申し訳ございませんでした‥プルメリア様」


「……はぁ‥なんだ‥そんな事か

別に構わないフリージア

私はフリージアだから許してやるんだ

ただし彼女を不幸にしたら許さないからな?

彼女には笑顔で居て欲しいんだ‥私は

だから、私は此処で母さんを見張る

後は任せた、フリージア」


「‥‥かしこまりました‥‥プルメリア様」


「ふふっ、様は要らないさ

私にとってフリージア、君は家族なんだ

今まで以上に普通に接してくれたまえ

それに‥もう私の執事は終わりだ‥フリージア

‥私は此処で待つ事になる

だから君に彼女を守ってくれ

そして彼女と幸せになれ

‥‥それが最後に私から執事だった君への命令だ」


「‥‥かしこまりました‥プルメリア様

そして今まで感謝しております

必ず命令を守ります」


「ああ、そうしてくれ‥でも‥君も気をつけてくれよ」


「‥もちろんだ‥プルメリア‥君も気をつけて」


そう言って部屋から出て行くフリージアの姿を

確認した後に私は自分自身の頬を叩く


ーー泣くのは後だ


泣くのは全て終わって

彼と私の妹が幸せを見た時


嬉しいと感じながら


大好きな妹を取られた悔しさと


家族と思い過ごした大切な執事の幸せを見ながら


私は、彼らが幸せとなる事を願い


きっと泣いてしまうのだろう


ずっと幼い頃から知る人の幸せと


大好きな妹が紡ぐ未来を信じて


今は私の出来る事をするだけ


ただ、2人の幸せを信じて待つだけ


私は母を此処で見守り待つのだ


彼らの幸せを遠く見据えて

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