もう1人の
アリシア姫の元に行くメンバーの選定も
第1回目の選定を終えた
此処から、数回程、選び直して
最終的に5人ぐらいに絞らなくてはいけない
「あ、そう言えば
プルメリア、聴いてくれたのかな?
連れて来てくれていると嬉しいんだけど‥」
私は最後の選定の際には
事情を知るメンバーを全員、連れて行くのではなく
何名かは王都に残して
アリシアの元に行きたいと考えていた
魔物を恐れない人、かつ
アリシア姫を助けてくれる人じゃないと嫌なので
プルメリアから選定メンバーの皆に話を聞き
聴いた話などから連れて行く・行かないを決める
1回目の選定で残ったのは
サルビア・アヤメ・ハルジオン・プルメリアに
クリス・アンシャンテ・フリージア・レナの
以上のメンバーである
最初というだけあり8人に絞ったのだが
此処から再び選定して2〜5人となる
私的にはプルメリアやフリージアは
外したいと考えているのだけれど‥
そう考えていると、丁度、部屋の扉がノックされる
私が中から返事をすると
プルメリアに連れられてハルジオンが来てくれた
「すいません、お久しぶりです、リコリスさん
もうすぐ二度目の選定をされると聴いたので‥」
「‥良かった‥会いたかったんだ
ハルジオンには聴きたい事もあったから」
「なら、良かったですね
私も伝えておきたくて、連れてきたんです
同じ"輪廻"している人を伝えに来ました
丁度、彼も連れて来ましたから本人から‥」
そうハルジオンが告げると
中に入って来たのはクリスだった
「‥クリス?彼が[輪廻]している人なの?」
「‥はい、そうです
私と同じ数だけ繰り返している人です
だから聴いてあげて下さい
私とプルメリア様は、席を外しますね
では行きましょうかプルメリア様」
「ああ、もし‥話が終わって
サルビアやアヤメも呼んで欲しいなら呼ぼう
1度目の選定に選ばれた人は皆
この城に住み込んで君と同じように待っているから」
「‥ありがとうございます
もし、呼んで欲しい時は、お願いしますね」
「ああ、では後ほど」
「リコリスさん‥私の事も信じたように
彼の事も信じて下さい‥では後ほど」
そう二人は告げて出て行く
私とクリスのみが残されて場が静かとなる
最初に言葉を紡いだのは私からだった
「あの、私の事情をプルメリアから
何処まで聴いているんですか?」
「‥そんなに聴いてないよ
僕は君から聴きたいと思ったから」
「そう‥なんですね
私、別の世界で生まれた記憶のある[転生者]なんです
きっと今までの私とは
違うかったと思います」
「‥なんだ‥そんな事か‥
そんなの最初から分かってるよ
今の君が最初の君と違う事も
でも僕には関係ないよ‥君が好きなんだから」
「……どうして私が好き、なんですか?」
「……なんで、か‥そうだな‥
僕にとって君は太陽みたいな存在なんだ
一緒に笑って、それが楽しくて
ずっと側で居たいと思ったから
‥だから好き、特別なんだ、そう思えたのは」
「‥私、ずっとクリスの事を
分からないんです、ずっと優しくて素敵で
良い人なんだと思うんです‥でも私は‥」
「うん、ずっと見てるから分かってる
けど諦められないんだ‥僕
君が望むなら、彼みたいな性格にもなる
僕はピエロなんだ、君の為なら
どんな自分にでもなれる
僕には僕自身ってのが無いんだよ
そんな僕が初めて"好き"だと思えたんだ」
「‥なんとなく言いたい事は分かります
私も、"好き"ってのが分からなかった
友達も憧れも誰かを思う好きは一緒で
特別な好きを今まで知らなかった
だから誰からも好かれる人を演じていた
‥貴方も‥同じなんですか?」
「‥うん、でも君と出会って
特別な好きを知れた、守りたい、側に居たい
そんな事を思えたのは君だけで‥
だから、振り向かせたい
そう思ったから僕は君の為に頑張ってたんだけどね」
「……少し、少し待ってくれませんか?
私、クリスの事は好きなんです
でも‥貴方の事を特別なのか、特別じゃないか
今は分からない‥だから時間をくれませんか?」
「いいよ、君がフリージアに
好意を持ってるのは知っていた
ずっと君のことを見てたんだからね
でも……彼は鈍感だからね‥
僕は君の為にならアリシアを救う
それが君の今の望みなんだろう?」
「はい、そして私は
その為に自分じゃなくて母を犠牲にします」
「君が居なくならないなら僕は良い
僕にとって君が居ない世界は嫌だから
だから、もう死なないで欲しい
君は僕にとって‥いや‥
ハルジオンやクロユリや皆の太陽なんだから」
「‥はい、ありがとうクリス
私、貴方に特別と思って貰えて嬉しい
‥だから私自身も私の気持ちを見つめ直すから
そして考えて、考えて貴方に言うから」
「その気持ちだけで、僕は幸せだよ
ありがとう、必ず魔物を助けよう」
そう彼は告げて部屋から出て
ハルジオンとプルメリアを呼んでくれた
「終わりましたか?」
「うん、ハルジオンもありがとう
私自身も、少し考えて応える事にしたの」
「そうか、サルビアやアヤメは
呼ばない方がいいな
考える時間も必要だろうから」
「プルメリアもありがとう」
「‥礼はいい
では、ゆっくり考えたらいい、失礼する」
そう言い残してプルメリアが先に部屋から出る
「もし、クリスに良い答えを出さなくても
気にしないで良いんです
リコリスはリコリスらしく
ありのままに幸せそうに生きてくれてたら
私やクリスは、それだけで幸せですから」
「‥ありがとうハルジオン
私は絶対に死なないから、私、頑張るから
だから、力を貸してね!」
「はい、大歓迎です!
もし選ばれたら全力でサポートしますし
駄目でもアイシャ様の行動を見守るだけなので」
「そっか、ありがとうねハルジオン」
「御礼は全て終わってからです!
では、ゆっくり考えてあげて下さい、では」
そう笑ってハルジオンも去り
部屋には1人残された私は
自分の中で、もう一度、考えるのであった‥




