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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
73/204

夢で見た人、幸せな一日 -side アンシャンテ-

アンシャンテ誕生日話

幼い頃から時々、変わった夢を見る


自分に良く似た男性が

とある女性を好きになり幸せそうに笑うけれど

女性の誕生日の日に、彼女が泣きながら家を出て

男性は追いかけるけれど、目の前で死ぬ


‥そんな悲しい夢


男性と女性は共に幸せそうに笑うのに

付き合っている雰囲気ではなかった


その世界では、男性の性別が歪である事が

俺の居る国で例えると魔物を恐れる人々の顔や

異端な者を見る顔に良く似ていた


まるで、俺の好きなサルビアに招待されて

舞台の上で見た物語の2人のようで


俺は、ずっと辛かった


その夢を見る事と彼の悲しそうな顔が


時折、男性は夢で俺に告げるのだ


「彼女を×××くれ」


どうして欲しいのか、肝心な部分が聞こえず

分からなくて守って欲しいのか?

それとも探して欲しいのか?

ずっと分からないでいた


夢で何度も見るうちに彼の名前が分かった


彼の名前は[月影 かなめ]


彼は見た目も心も男性だが

身体が女性だったという事


自分のせいで、女性が死んだ事を

永遠と長い夢で教えてくれた


きっと、かなめの探している女性は

俺の世界に存在していて、探して欲しいのだろう


けれど、分からなかったし

そんな女性は、探しても見つかるはずもなくて


だから、諦めていたのだ


サルビアに会い、夢の話を語るまでは


俺の誕生日のお祝いにと来てくれた時に

俺が、ふと、この夢の話を話した途端に

サルビアは涙を流しながら泣いていた


「大丈夫か?サルビア?」


「ええ、大丈夫

そっか‥だから[見つけてくれて]か

なんだ、そう‥

そう言うなら、もっと分かりやすく言いなさいよ

不思議な夢の話を聴かせてくれてありがとう

きっと、もう夢は見ないはずだわ

もし夢を見ても彼は喜んだ顔で

貴方に御礼を言う筈だわ」


「‥そう、なのか?

何故かは分からないが、サルビアが

確信を持って言うなら‥そうなのだろうな

わざわざ俺の祝いに来てくれたのに

‥俺の変な夢の話を聴いてくれて悪かったな」


「いいえ、私は嬉しかったわ

私、今まで知らなかった言葉の

本当の意味を貴方の夢の、お陰で知れた

だから私の方が御礼を言いたいわ

ありがとうアンシャンテ」


「‥君が嬉しくて幸せならいいんだが

俺にも、いつか教えてくれるか?」


「ええ、全てが終わったら必ず

貴方なら信じてくれるもの」


「?何の事か分からないが

俺は君の言葉を信じるさ」


「ありがとうアンシャンテ

私、貴方と会えて、こうして一緒にいて

とても"幸せ"だわ」


「俺もだ」


ーー彼女の言う通り俺は再び彼の夢を見た


夢の中の彼は幸せそうな顔で笑って

[ありがとう]と告げて泡となり消えてしまった


その後からは


ずっと見ていない


きっと見つけたのだろうか?


彼の大切だった人を‥この場所で‥‥


今日の特別な日には、いつも思い出す


彼は、今、幸せなのだろうか?と


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