78話 一旦
短いです
「システムコマンド、スピードアップ」
俺の歩いたり走ったりする速さをコマンドで約2倍に上昇させてショウに近づこうとする。しかしマイたちが魔法で邪魔をしなかなか近づけない。
1人ずつ頭を触って行こうと思ってたんだけどな……どうにか守って……コマンドなら何とかなるか。
「システムコマンド、無敵」
そう言った瞬間俺はマイたちのところへ走って行き頭に触れる。するとマイたちは意識を失ったのか倒れていった。
「よし……これでいいんだな?ミユ」
「はい!マイさんたちが気絶したのは私がやったので心配なく。少し時間がかかりますので。ショウさんのほうも頼みます!」
頭の中でミユの声が響く。小さく俺がうなずいた後に、ショウのところへ堂々と歩いて近づく。ショウは俺の堂々と歩いてきたことが予想外だったのか驚いて何もしてこない。
「おいショウ。ライがなぜか怪我していたのはお前のせいか?」
「―――――――――――」
そう聞いても無表情のまま黙っている。ハンマーは取らずただこちらを向いて。
「お前はレナ~ってよく走り回って、馬鹿なことしてたけど武器を見る目はすごいし作るのもすごかった」
ショウに近づきながら前にあったことを言う。ショウは何もせず話を聞いている。
「俺がワープした後がどうなってどれだけ苦しかったり辛かったりしたか分からない。けど俺は本当に絶望したよ」
「――――――――――」
「思い出してくれ、ショウ」
俺はショウの頭を手で触った。するとミユが「任せてください」と頭の中で声を響かせ、ショウはその場に倒れた。
少し時間が経つとマイ、ライ、ナナ、ヨクと順に目を覚ましていく。
「起きたか、おはよう、みんな」
目をこすりながらこちらを向いて戸惑いながらもうなずく。
よし……これでショウも目を覚ませば一旦大丈夫かな。これからのことをすぐに考えないと。攻略していき他のレナとミユを救いこの世界を平和にする。でもショウは何でここに……
そう思っていると後ろから声が聞こえた。
「う………」
この声はショウの声だった。すぐに俺は後ろを向きしゃがみ込む。
「ショウ!!!」
「アキさん……!?そもそもここは……」
一気に立ち上がり周りを見て驚いている。
「ここは……待って?俺も知らない!ここどこ!?」
するとライがこちらを向いて言う。
「ここは18層のニル草原らしい」
18層……俺やショウも行ったことのない場所だな。モンスターが一気に強くなる。ここで野宿していたらモンスターに襲われる可能性が。
「転移魔法でノウル国に戻ったほうが良いんじゃないか?」
「ノウル国……どこですか?」
ショウが首をかしげながら聞いてきた。
そうか……俺も初めて知ったのは学校の襲撃の時だったからな。教えてあげたほうがいいか。
「ノウル国はまあいいところだ!!」
「それだけですか!?」
特に教えることがないからこれしか言えない……
「それより早く行こう!!」
みんなが返事をする。俺は地面に魔法陣を描き、ワープホールを作りだす。全員がその中に入っていき俺も入ろうとした時。
「マジッククリエイション」
どこかから男の声がした。創造魔法を使う声。普通であれば俺しか使えないはずの魔法を使っていることに少し驚いていた。
あり得ない……ミユはこの世界に創造魔法は失われたって言っていたはず……じゃあどうして……
すると後ろの地面に魔法陣が描かれていき、そこから人が現れる。男の姿。
「転移……魔法か……?」
「違うね、作られた人って言おう。魔法造人間だ」
魔法造人間……そんなことが魔法で……
「アキさん!これは悪魔魔法。悪域で産まれた者のみが使える魔法です!」
頭の中でミユが驚きながら言ってくる。俺は転移魔法がある時間が残りわずかになったことに気づき。
「ちょっと一旦転移魔法でみんなのところに行くよ」
そう言ってワープホールの中に入った。
「あの人ひどいような気がする……」
すると男の後ろからテンセイシャが転移魔法で出てきて肩に手を置く。
「そうだね~……あんなやつは殺さないと」
奴隷印を肩に埋め込んでいき、不気味な笑みを浮かべる。
「頑張ってね」
男の目は赤く光る。男はうなずいて転移魔法でアキのところへ向かって行った。
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