76話 勘違い
毎回このくらいになってしまうかも……更新
ライ視点
俺は、赤髪の見たことのないやつからハンマーを振り落とされ、命は助かったが十ッ分寝ていないといけなくなってしまった。謎の男はまた攻撃しようとしてくるがナナが何とかシールドを張って耐えている。
「お前ら死んでしまえ」
男はハンマーを振り落とす。
「やめてください!!!」
ナナはこれまでにない声を出す。
「あなたは何がしたいのですか!?初対面で殺しにかかるなんて狂ってますよ!?」
男は下を向き、急に何も言わなくなった。
誰なんだろう……本当に殺しにかかっていたからな……アキとヨクには手を出さない。何かあるのか?
「俺たちに何の用だ?」
すると男はまたこちらを向き、睨み始める。
「アキ……アキを魔法で眠りから覚ませないようにしているんだろうが……そうだろ!!くそやろう!」
「なんでアキを……それより……アキを……魔法で……?眠りから覚ませない?何を言っているんだ!?」
こいつは勘違いしている……眠っているのは事実だが。どうにか起こさせないと……
俺は今ある力を振り絞って手を前に出し、そこに魔法陣を描く。
「マジック……ライグーン!」
魔法陣から稲妻を男に向けて撃った。
「そんなの効かない」
男はハンマーを盾にし、魔法を受ける。
なんで……あのハンマーは何なんだ……まるで魔法を無効化しているよう……
そう思った瞬間だった。いつの間にかナナのシールドを通り抜けて俺の目の前に立っていた。
「な……!!」
ハンマーを振り落としてくる。俺は何も考えれなくなっていく。
――――ごめんアキ、無理そうだ――――
ナナも必死に男を止めようと剣を投げて何とかハンマーを数センチずらし、右腕に当たった後地面に当たる。ハンマーが地面に当たった瞬間かなり深くひびが入り、俺の右腕の骨はほとんど折れた状態に。
「い……いてぇ……でも……アキ……」
アキ視点
俺はゆっくりと目を開ける。なかなか騒がしいなと思いながら一旦立ち上がった。
「まだ……昼なのかな……よく寝れた」
目をこすりながらゆっくり辺りを見渡す。ライとナナと男の姿。男の服装や顔をよく見てみる、俺はすぐに分かった。
「……ショウ……!」
「あ………アキ……?」
ショウは目からは涙が流れていく。俺も同じように涙が。
「アキ……僕……生きているんだよ?レナもユリも生きてる。そしてアキも」
涙ながらそう言う。
「そうだよな……嬉しいよ。生きているって知ったときは本当に嬉しかった」
「僕も……それよりあの人たちは……殺したほうが良いよね」
地面に置かれていたハンマーを手にする。
「何を言ってるんだ……?」
あれは魔法無効化がついていたはず……あれを止めるのは……
勢いよくライに振り落とした。俺はすぐに剣を取り何とか受け止めた。
「く……なかなか重い……」
俺とショウは一旦後ろに下がりそれぞれの武器を構える。
「なんであいつらの味方をするんですか?」
怒りが表情に現れ、俺をにらむ。
「俺の大切な仲間だ。それを守るのは当たり前だろ。逆にお前はなんでライたちを攻撃しようとするんだよ」
そのとき誰かの魔法陣がショウの上に描かれ、そこから黒い光が降り注ぐ。ショウは速く動けるはずだったが気づかなかったせいで黒い光に当たっていく。
「ショウ!!!!!」
俺はショウの上にシールドを張ったが一足遅かった。体全体に当たったショウはカクッと下を向き、ハンマーを地面にドンと落とす。
「おい!大丈夫か!ショウ!!」
何度も声をかけても反応はない。何かを奪われたかのよう。声をかけ続けて少し経ったときにショウはこちらを見た。
「……ショウ」
目が死んだ目をしている。何も考えずただ立っているように見え、体は何かに操られているようだ。すると地面にあったハンマーを浮かせて手に持つ。
浮かした!?ショウはあんな魔法……浮遊魔法は使えなかったはず……あいつ……乗っ取られた……のか?
「ショウ!おい!!」
「誰だ、ショウっていう人は」
声のトーンが変わっていた。すると急にハンマーを俺のほうに投げては魔法陣を後ろに描き何かを撃つ準備。
「なんで!?ショウ!お前はショウなんだ!思い出せ!!」
ハンマーを避け、魔法も避けながらショウに声をかけ思い出させようとしたがスピードがだんだん速くなり避けられなくなっていく。
ちっ……スピードが上がったらこっちは勝てない。どうする……ライたちは攻撃する気はなさそう。俺だけがターゲットらしいな。
「システムコマンド、ショウのスピードダウン」
いつものようにコマンドを使ったが何も変わらない。
「アキさん!なぜかショウさんに加護が加わってます!!」
ミユが頭の中で声を響かせた。
加護………なんでショウが……どういうことだ?
「えーっと……避けながら聞けないと思うのでどうにか……してください……」
焦って言えないのか、俺に押し付け。どうにか隙を作ろうと頭を働かせる。
俺に向かってのコマンドならできる……はずだよな………無敵になれば少しは時間が作り出せるはず……地味に久しぶりにコマンドを使ったからよく覚えてないけど。
「システムコマンド、俺を無敵に!!」
無敵になると言っても制限時間があり、3分ほど。
「ミユ、頼む」
「はい!今さっき過去魔法。過去を見てきました。ショウさんはあのテンセイシャによって記憶を奥深くに閉じ込めたようです。今あるのは怒りや憎しみ。それだけで体が動いています」
あれが怒り……ショウという自分の名前ですら奥深くに閉じ込めるなんて……
「けれどアキさんなどは記憶は閉じ込めれません。テンセイシャに十字の形をした鉄『奴隷印』を入れられてしまったらその人の権限。脳の支配など簡単にできてしまう。けれどアキさんやライさんなどはそれがありません。なので大丈夫です」
奴隷印か……名前の通りだろう……奴隷のように人を操る。ひどいことするんだな……
俺は手を強く握りしめる。するとコマンドの効果が切れ、無敵時間が終わった。
「思い出させてやる。どうにか。ショウ!行くぞ!」
「――――――――」
ショウは何も言わずにこちらに向かって走り出した。俺も剣を強く握りしめ、ショウと戦い始めた。
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