71話 創造魔法
遅くなってすみません!!
アキ視点
寝てから1時間後に目を覚ました。最初は朝なのか夜なのか分からなかったが時計を見るとまだ1時間しか経っていなく、けれども窓を見ると日が沈みかけている。
「もう夕方か……よく寝た気がするんだけど……まあいいか……」
体を起こしとりあえず部屋を出る。階段を上っていき、ゼロとレイのいる場所に着いた。レイは何かの本を読んでいて、ゼロは水晶玉で誰かを映し出しながら見ている姿が。
「え、えーっと……おーい」
手を振りながら俺は言っているとゼロが先に気づいて手を振り返す。
「アキさんどうしたの?」
首をかしげながらそう言う。
「い、いや……暇になってさ……」
別に暇ってわけでもないがまあいいか。ゼロやレイが何をしているのか、何を企んでいるのかを俺が
知っておいてからここから出よう。
「一緒にこれを見る?」
ゼロは水晶玉を前に出す。そこに映し出されているのは小袖で羽織の服装、大刀を持っている侍と似ている男。
「この人がザイ」
こいつがか……侍にしか見えない。この世界ではそう呼ばないかもしれないけど、まあいい。ザイ……この世界で最強と思われている者。
「こいつをどうするんだ?」
そう聞くと急に黙り込む。言いたくないことらしい。
怪しいな……俺が計画に協力するって言うのにその協力する人に教えない。どうなんだろう……
「まあいいけど……何かすることはあるか?」
すると玉座に座って本を読んでいたレイがこちらを向き、手招きをする。戸惑いながらもレイのほうに向かうと急に魔法陣を目の前で描かれていく。
「何をするんだレイ!?」
魔法陣から出てきたのはハンマーと木の枝。
「これで何をしろって言うんだよ……」
「……魔剣に変える練習をしていてください」
レイはボソッと言ってまた本を読む。
マジかよ……木の枝で魔剣?練習か……そんなことができるゲームなかったからな……できるかな……
心配になりながらもとりあえず部屋に戻ることにした。階段を下りながら考えるが何も案が出てこない。部屋に戻りソファーに座った。
一旦ミユに聞いてみることにするか……
「ミユ?お前の魔法なら余裕だよな?」
「余裕ですよ!」
頭の中でミユの声が響く。
「でもアキさんがしてくださいよ?」
「それじゃあお願いを……って今何って言った!?」
ミユが言ったことに驚き、その驚きのあまり俺は前に倒れてしまった。ドンっと部屋に頭をぶつけた音が響き、当たった部分を手で押さえながら立ち上がる。
「いって~……え、えーー……いいだろ?ミユ……」
「簡単ですよ!『創造魔法』これを使えば余裕です!まあ、この世界では失われたらしいですけど……」
そうなのか……じゃあなんでレイは無理難題を……
「どうやったらできるんだ?創造魔法は」
「前にまず魔法陣を出してください」
言われた通り手を前に出す。魔法陣がだんだん描かれていく。
「そしてマジッククリエイション!って言いましょう!!」
「そ、それでいいか?よ、よし……!マジッククリエイション!」
すると魔法陣が地面に移動し、そこからコンクリートでつくられた城ができ始めていく。ゴゴゴッとかなりの音がしながら。
「そしたら出来上がりです!」
テーブルの上に収まるほどの大きさ。
「す、すげ~!!……でもこれと魔剣って関係あるのか?」
「そのですね……今は私が魔法を使ったようなもんなんです。この魔法、『マジッククリエイション』は使った人が何を想像しているのか、簡単に言えばイメージ。何をイメージしているのかで、できるものが決まります」
そういうことか……今回使ったのはミユで、ミユがイメージしていたのは城。だからあの城ができたってことになる。
「でもミユ?大きさはどうなんだ?何センチとかまでイメージしないといけないのか?」
「いいえ。でも大体はイメージしないと魔法は発動しないので注意をしておいてくださいね」
そうか……魔剣もイメージしたら簡単だってことが言いたいんだな。
「木の枝を変形させて原子すらも変える。そんなことは……」
「できません」
ミユは即答。迷うことなく言われて俺は少し驚いた。
「原子を組み替える。そんなことしたらもしかするとブラックホールができてしまうとった可能性が……重力に逆らったりいろんなことをしてもそうなんですがね……」
ブラックホールか……誰も手に負えないものになってしまうってことかよ……それこそレイは何を考えていたのか気になるところだな~……
「ま、それはするなってことか。分かった、とりあえず魔剣を作るとするよ」
俺は魔法陣を地面に描く。
「マジッククリエイション」
真っ赤な色の剣がそこに現れていく。
「できた……できたぞ!?」
「おめでとうございます!!この魔剣はなんですか?」
これはRPGのオンラインゲームにあった魔剣、『フレイムソード』を再現した。俺が一番愛用していた剣で炎がまとう剣。スキルでも炎を出せるんだがまた違う、らしい……
「魔剣。魔剣というのは例えばアキさんが今作った魔剣。これは炎を司るものですが、スキル、魔法の炎と少し違う能力を持っているんです。特有の炎?みたいな……」
「ちょっと振ってみていいか?」
「はい」
剣を手に取り、周りに何もないことを確認して一振りしてみる。しかし何も変わったことはなかった。
「あ、あれ?もう1回!おりゃ!」
何回しても同じ。何かが違うのかなと思い足に力を入れて剣を振る。すると炎がまとわっていき始めて、下に振り下ろした瞬間その炎が一直線に飛んで行った。
「「え?」」
ミユと一緒に言う。俺は口を開いたまま今ある光景に驚く。地面にひかれていたカーペットが燃えていく。
「まずいまずい!!マジック、ウォーター!」
炎を消して安心し、ソファーに座る。
「すごいな……でもこれだけだったら魔法でも出せるからな……何が違うんだ?」
「………知りません……」
少し悩んだ後出したミユの答えがこれ。
「ま、まあいっか……またレイのところに行こうかな……」
「そうしましょう」
俺はまた部屋を出て階段を上がってゼロとレイのいる場所に向かった。
「はぁ……なんか疲れたな……」
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