63話 進む目的
今日は2回更新します!まず1回目!
アキやマイたちは町に戻ってきて、マイたちも目が覚めた。燃え広がっていた火が消えている。それほど時間が経っていた。アキたちは一旦町から離れ、転移魔法を使ってどうにか他の町に行こうとしている。
「転移魔法は誰か使えないか?俺は使えるけど行った場所だけ……っておい……」
みんなに聞くがへとへと。目は死んだ魚のような感じ。アキはその光景にうんざりしつつ、しょうがないという気持ちもあり、まあ、とりあえずマイたちを自由にする、とアキはこの時決めた。
「いったん休憩していいぞ……」
マイたちは喜んでどこかに、ルンルンとスキップをしながら行く姿は本当に幸せそうだった。アキは町から少し離れた場所に草原があり、そこで横になり少し眠ることに。夢の中に入ったアキに見えたものは転生前の過去だった。
≪夢の中≫
青木 恭太のお母さん『青木美穂』と幼いころの青木恭太はスーパーに買い物に行った後、今は帰っているところ。前住んでいた場所は田舎、帰っている途中は田んぼが右にも左にもある場所。
「恭太!早く来なさい!」
奥で手招きしながら呼んでいる。少し怒っているけれど微笑んでいた。
「はーい!!待って!!」
青木恭太は道端にある小さな石を集めて手のひらいっぱいにするまで集めてお母さんのほうに向かって行く。その石を持ってきた恭太の姿を見てお母さんはあきれた顔をしながら歩いてくる。そして恭太と同じ高さに合わせるためにしゃがむ。
「恭太?石を集めちゃダメだよ?」
恭太はお母さんに石を見せて笑顔ではい!と渡す。
「もう……しょうがないな~」
そう言いながら恭太の持っていた石を受け取る。また少し歩きだし家に向かって行った。恭太はお母さんの手を握り鼻歌を歌いながら歩く。そして家の前まで帰ってきてお母さんは、「ちょっと待ってね」と言い、カバンの中から家の鍵を探し始めた。
「お母さん!まだ~?」
お母さんの顔を見てそう言う。
「待ちなさいよ~!はい、見つけた!」
家の扉を開けて中に入っていく。恭太は家の中に走って行く。靴を脱ぎすてリビングに向かう。リビングや他の部屋は和室。家がもともとおばあちゃんの家でその家をそのまま住んでいる。恭太はリビングにある椅子に座る。足をばたばたさせながら折り紙で何かを作っていた。
「恭太?何作っているの?」
「剣!!大きくなったらみんなを助ける英雄になりたい!!」
折り紙がしわしわになっていたがそれを笑顔で見せる。お母さんは恭太の頭をなでながら言った。
「恭太ならなれるよ。お母さん応援してるから。どこに行っても。恭太が何をしても文句は言えない。でもお母さんとして、ずっと見守っているから、ね?」
「うん!!」
*
2人ともニコニコしている姿。それを少し裏切ったような気がしていた。
母さん、前にそんなこと言ってたっけ。ごめん……家で引きこもりしてたわ……母さんは俺が1人暮らしするときに笑顔で夢に向かって頑張って!って言った。
頭の中でいろんなことが走馬灯のように流れる。目を覚ましたアキは目から涙を流していた。
「母さん。前はごめん。でも、誰かがまた英雄になれるようにチャンスをくれた。そうだ!俺にまだ希望が残されているんだ!」
アキは立ち上がり前を見ると、もう夕方、日が落ち始めていた。きれいなオレンジ色の夕焼けに向かって叫んだ。
「俺は!絶対この世界を救って、みんなを守る『英雄』になる!!」
大声でぶつけた。夕焼けに向かって。
すると、マイが奥から手を振っているのが見えた。そのマイの手を振っている姿がお母さんと重なる。
「1番守りたい人までいるんだ、母さん。見ていて、本気でこの世界を救う」
上を向きながら頭の中でそう言う。
「分かった、見ているよ、恭太」
なぜか声がした。お母さんの。アキは小さくうなずいてマイのところに走って行った。
「どうしたマイ!」
マイとアキが2人で歩いていく。笑顔で話しながら。
?層の城内
2人の女が玉座に座っている。
「アキさんってあんなに強かったんですね」
「そうね、ますます楽しみになってきたわ」
そう言って立ち上がる。手を前に出して紫色の光をそこから無数に出した。すると男が急に現れ、頭を下げる。
「お呼びでしょうか」
「あなたにはいい仕事をあげる」
水晶玉を渡し、そこにアキを映し出す。
「この男をここに連れてきなさい。こいつは暴虐の魔王、ザインを殺した。けれどアキは殺さないでね。手加減はしてあげなさい、クライアクト」
「まさか、あの暴虐の魔王を……承知しました。しかし、殺さないのは……」
玉座をドンと音を立てるもう1人の女。
「姉さんの言うことを聞いていなさい」
眉間にしわを寄せて言う。クライアクトは頭を深く下げ。
「申し訳ございません。では行ってまいります」
そう言ってワープホールを作りアキのところに向かった。
「まあまあ、落ち着きなさい」
「姉さん……もう、しょうがないですね……」
また玉座に座り、水晶玉に映っているアキを見る。
「楽しみね」
「はい、楽しみです」
少しだけ微笑みながら言った。
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