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1−2 ギルドと騒動

門から少し歩き、スキルの存在を確認する。


「エリオット」


「分かってます、スキルのことっすよね?」


「あぁ、これが使えるのは俺たちだけのようだな。みんなにも備わってるだろう」


「そうっすね。 でも何で俺たちにしか見えないんすかね」


「さぁな、この世界に送ったやつに聞くしかないな。 あとはアビリティのレベルについてか、、とりあえず色々確認したいことができた」


そう言って再び歩みを進めギルドの前へとたどり着いた。


ここまで歩いてくる時に分かったことがあるが、この街は結構な賑わいがある。

見たことのない果物や魚が売ってる露店がメイン通りに所狭しに並んでいた。


そしてもう1つ、奴隷が存在する。


見たところはそんなにひどい扱いは受けていないようだったが、


隣に立つエリオットは険しい顔をしていた。



「…顔に出てるぞ」


「…っ! すいません、でもっ!」


「そういう世界もある。 地球にいた時もあっただろ」


俯くエリオットを連れてギルドの扉をあける。


ガヤガヤと中は喧騒に溢れているが、俺たちを見ると一瞬にして静けさが波を打つ


「なんか、アウェイって感じっすね」


「気にするな。」


真っ直ぐ進み、カウンターにいる女の子に話しかける


「すまない、ギルドカードを発行したいのだが」


「あ、、はい! 新規発行の方ですね! こちらの用紙に記入してください!」


渡された紙を眺める。

名前や年齢を書く欄以外には、説明が載っているようだ。


ギルド規律

一、ギルドはクエストでの事故、死などに一切の責任を持たない。

二、ギルド内での争い事は相応の処置を持って解決を図る。

三、ギルドカードを紛失した場合、発行に銀貨三枚が必要となる。


その他は細かい規定のようなので、軽く確認して、所定の部分を埋め紙を渡す。


ギルドについての簡単な説明をされ、ギルドカードを受け取る。


書いてあるのは名前、年齢、性別といった基本的な部分だけのようだ。

まぁアビリティが書かれていたら弱点を晒すようなものだしな。


「お姉さん美人っすねぇ。 今度お茶でもしない?」

隣で他の受付嬢にナンパするエリオットを無視して話を聞く。


「すまない聞きたいことがあるんだが」


「はい! 答えられる範囲でしたらどうぞ!」


「まず、一つ目にこの地について知るにはどこへ言った方がいい?」


「それでしたら、このギルドの裏にある王立図書館をご利用した方がいいと思います。 ギルドカードを持つ人なら誰でも利用可能ですから」


「ありがとう」と返事をしてカウンターから離れようとすると、、



「てめぇ!! なに人の女に手を出してんだよぉ!!」


「何言ってんすか! あんたが無理やり引っ張っていこうとしてるからでしょ! 嫌がってるじゃないっすか!!」


何してんだあいつは、、


エリオットの肩を掴み引き戻す。


「あんまり騒ぎを立てるなって言ってるだろ。」


「でもリーダー、あいつが、、、」


「相手にするな。 早いとこみんなと合流しなくてはいけないだろ」


ギルドを出て行こうとするが、前に立ちふさがる後ろに大剣を背負った巨大な男。


「おい、待てよ。 舐められたまま逃すと思うか?」


「穏便にすませたいとこなんだが」


「そんな訳ねぇだろぉよ!!!」

男は拳を振りかぶり、勢いに任せて叩きつけてくる。


俺は右足を半歩引き、寸のところで回避する。

[体術8] 発動

脳内に響く無機質な声。


その驚きから一瞬体が止まった。


相手の男も見逃さなかったようだ。

その瞬間に拳を再び俺に向かって振り下ろす。


ちっ! と舌打ちをして受け止めるため腕を頭の上で交差させる。


ガッ! と音が響き、俺は後ろへと吹き飛ばされる。壁に激突して、埃が舞う。



「リーダー!! 」エリオットの声がギルド内にこだまする。


「へっへっへ! 調子に乗ってっからだよ雑魚が!!」


埃が落ち、倒れているはずのシンヤを確認しようと男が近づくが、、


すでにそこには誰もいなかった。

あたりを見回す男の背後に回り、腕を捻り上げそのまま背負うようにして投げ飛ばす。


パンパンッと服についた誇りを払い、俺はのびている男を背に外へと向かう。


「エリオット、何してんだ行くぞ」


「、、、あ! はいっす!!」

とニコニコついてくる。


何が嬉しいのやら。


その日、カーステルのギルドでAランク冒険者が、初心者に一撃で倒されたと話題になった。


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