1-12 閑話
目が覚めた時には、宴の声が聞こえてきていた。
窓の外はすでに暗い。
「あ、シンヤ気がついたのね! よかったぁー、あなたが担ぎ込まれてきた時は何事かと思ったわよ。」
セシリアが安堵の息を吐きながら、俺の寝ていたベッド横へ来る。
「ここは、、」
「ギルドの一室よ。 みんななら、下で宴のどんちゃん騒ぎだから。」
多くの犠牲を出した。
だけどそれを乗り越えるために今日だけは、本気で勝利の祝杯をあげるのだ。
「そうか、ならもう少しここにいようか。」
暗い部屋には二人だけ。
「あのね、、、シンヤ、、、よかったらなんだけど、、、、」
月明かりに照らされてセシリアの顔が見える。
その頬は真っ赤になっている。
勇気を出して紡ぐ言葉。
「、、、ずっと、、この街で、、「マスター起きましたか。」、、、、って、今いいとこでしょうが!!」
しかし、
ガラッとわざとらしい音を立てて、突然入ってきたアリスによって遮られる。
スタスタと入ってきて、アリスは俺に水と軽食を渡してくる。
睨むセシリアに怯むでもなく言う。
「はぁ、、、マスターに近づく女を私が許すとでも?」
「何よ! そんなのシンヤの自由でしょ! アリスさんに邪魔される筋合いはないわよ!!」
ガルルと噛み付く。
「何を言ってるのでしょう。 私はマスターのもの、そしてマスターは私の全て。、、お分り?」
「何意味わからないこと言ってるのよ!」
「そして、マスターはこんな所で止まっている人ではないわ」
アリスはいつもの様に淡々と答えるように見えるが、それは本気の言葉だ。
セシリアもそれを感じ取ったのか、
「はぁ、、もういいわよ。
そうね、貴方達はもっと凄い、、きっと世界すら変えてしまう、そんな気にもさせてくれるわ。」
俯くセシリア。
ガラッ!!
ドサドサッ!!!と扉の方から大きな音が聞こえる。
「あちゃー、、見つかってしまったっす。」
「僕は、通りすがっただけだよ」
エリオットに、ラインハルトそれにギルドのみんな。
廊下で聞いていたらしい。
わなわな、と震えるセシリア。
「あんた達!! 覚悟しなさい!!」
一斉に逃げ出す、みんなを追ってセシリアは飛び出していった。
その瞳は赤く跡が付いていたが、晴れ晴れとした笑顔だった。
「それではマスター、私も少し片付けがありますので」
気を遣わせて悪いな。
俺は廊下にいるやつに向けて声をかける。
「お前の依頼、完了した」
「うん。ありがとう、本当に。」
そこにいたのはリン。
そのままちょこんと俺のベットに座る。
「なんだ? まだ何かあるのか?」
「いつかさ、、」
恐る恐るといったようでリンは話し続ける、
「??」
「、、いつか、、僕が、、もっと、もっと強くなったらさ、、君達の仲間に入れてくれないかな?」
勇気を振り絞った言葉。
俺は笑う。
「あはは、そんなことか。」
「そんなことって何さ、僕にとっては一生に一度の決断なんだよ」
「俺たちは「何でも屋」だ。 頼まれたらなんでもやる。それでも、やれるか?」
こくりと頷く。
「なら、また、会おう。」
握手を向けると、それは交差する体によって躱される。
不意に、リンは俺の頬にキスをする。
「ふふふ。」嬉しそうに笑う。
「お前は、やっぱり、、、」
「それも、次会った時まで内緒さ」
扉から出て行く。
その直後に入ってくるアリス。
「マスターに何やら不穏な気配。」
はぁ、全く面白いやつらだ。




