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1−10 強者と弱者

二人の戦闘によって息を吹き返した冒険者達の奮闘もあり、モンスター達の数は、数えられるくらいにまで減っている。


「これでしまいっすかね」

気の抜けたように言う。


いや、観測されていたAランク相当の個体の一体が見えない。


そもそも、戦いにも参加している様子も無かったな。すでに消えたか、、


そんな懸念も意味もなく。

辺りを見回すと、遠くに小さな影。

あれは、、


「グハハハ! 最後は俺の手柄だぜぇ!」


残っていた一体に向けて、ドルッゾが飛び出し斧を振りかざした。


「待て!!」

制止の声は遅かった。


「、、、あっ?」

彼の首筋を、モンスターの手が一閃する。


ドチャッ、、、、、

何かが地面に落ちる音。



支えを失ったドルッゾの体は、振り子のように揺れ、倒れる。


一瞬にして命が刈り取られた。


そいつは邪魔であるように、ドルッゾだった身体を蹴り飛ばし、手についた血を振り切った。


シンッ、、、、、



今までのムードとは違い、辺りには緊張感が走る。


赤黒い鎧をまとった、ようにも見えるその姿は、モンスターというよりは明らかに人間に近い。腰元から伸びる尻尾は、サソリを連想する。

だが、明らかに今までとは格が違う。



「あれは、Sまでいくね。」

ラインハルトの小さな声は、この静けさで皆の耳の届く。


「それってどれくらいやばいっすか?」

エリオットの問いを、奴から一瞬も目を離さず答える。


「知ってるとは思うけど、モンスターのランクってのは、人ではそのランクのパーティに相当するんだ。


つまりは、、Sランクが数人必要ってことさ。」


ラインハルトが武器を構えると同時に、奴の姿が消える。


キンッ!!


消えたと思ったら、彼はギリギリで、サソリの手刀をう受け止めている。


鉄が擦れるかのような鳴き声。

「ギギギ、、、ギギギ、、、」


力が違う。

じわじわと押されることを避け

、彼は剣を払い飛ばす。


「よそ見していていいのですか。」

飛ばされたサソリに向かい、アリスが魔力によって作られた武器を投擲する。


高速で迫るそれを

「ギッ!!!」

尻尾を横薙ぐようにして、簡単に破壊する。


攻撃によってバランスを崩したアリスに向かってサソリはそのまま、尻尾を放つ。


「っち、、『影針』」


しかし、横合いからきたレオンの影によって、上空へとはじかれた。


「礼は言っておきます」


「、、、ふん。」


奴と距離を取る二人。


手出しができないまま、膠着状態に陥っていたが、意図しないところから攻撃がくる。


小さな影は低く剣を構え、地面を滑らせる。



「ぉぉぉおおお!! ドルッゾの仇!!!」


リンだ。


「あいつは、、、仲間思いのやつだったんだ!! 

あんなやつだけど、仲間には、いつも、、俺が守るって、、!!!」



構えた剣を、奴の喉元に向けて突き出す。


が、そう簡単にはいかない。


左手によってあっけなく捕まれ、バランスを崩したリンの肩を、逆の手が貫く。


「あぐぁ!」

貫通している。


肩からはとめどなく血液が溢れる。


サソリが腕を振るい、投げ飛ばされ、受け身も取れず地面へと叩きつけられた。


もがくリンに向かいゆっくりと近づき、トドメだと言わんばかりに、腕を振るう。


「まずいっ!」

間一髪のところで、レオンとラインハルトによって阻まれる。


九死に一生だ。

二人が抑えているうちにエリオットがリンの元へと向かう。



「大丈夫っすか!? 何無茶してんすか!」


はぁはぁと肩で息をしながら答える。

「あいつは、、ドルッゾを、、」


頬を涙がつたう。


「それだからって、無謀っすよ!!」


血を抑えながら、エリオットは声を荒げる。


あそこまでやられて黙っているわけにはいかないな。


「エリオット、そのまま下がって、治療班まで運べ」

遠くから俺たちを見るような視線は気になるが。


「はい!」背におぶわれ運ばれる。


背後からリンの悲痛に混じる声が聞こえる。

「はぁ、、、はぁ、、、待って、、シンヤ、、頼む、、、あいつを、、」


悔しいだろう、長く戦ってきた友を一瞬にして殺されたことが。


そして、自分に力が無かったことが。


俺は振り返らずに告げる。


「その依頼。承った。」


目線の先には、標的、ただそれだけ。



この世界最強となる男が初めてその力の一端を表す。


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