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クトゥルフ短編集  作者: 異次元からの猫
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スーツ

スーツが入り用の時はお早めに。

 東京都内にひっそりと佇む、スーツの仕立て屋。少々高いが、生地も技術も超一流と言われ、知る人ぞ知る名店である。

 今日も話を聞き付けたお客がやってくる


「いらっしゃいませ。毎度ありがとうございます。今回はどういったスーツをご所望でしょうか?」


「いつも世話になってる。そろそろ暑くなってきたからな。夏用のスーツを新着しようと思ってな。」


「左様でございますか。今年も去年と同じ生地でお作りしてよろしいでしょうか?」


「そうだな。しかし、今年もまた暑くなるのだろう。ここのスーツが一番快適に過ごせるとは言え、暑いのは変わらんから困るな。」


「…お客様。これはお客様のような、特別な方のみにご紹介させていただいているお話なのですが、お耳にいれておいて損はないと思います。」


「ほう、どんな話だね。」


「えぇ。今年は少しお値段は張りますが、去年よりも良い生地が手に入りまして、そちらで仕立てさせて頂ければ、お値段以上にに納得して頂けると思います。」


「ほう。成る程な。私もついにここの常連になれたと言うことか。それでは、そいつで一着仕立てて貰おうかな。」


「ありがとうございます。それでは、商品の説明をさせて頂きます。」


「あぁ。」


「まず、こちらの布ですがレンの蜘蛛が作った糸で編んだ特別製となっております。」


「レンの雲とは海外の特産品かね。」


「はい。外国の特産品になります。特筆すべきは、この軽さと耐久性。そして、当店独自に開発した織を行っているため、抜群の通気性を誇ります。」


「おぉ。確かに、持っているのが解らないほど軽いな。」


「えぇ。この軽さで型崩れは全くしないのです。それが、この布の特長でございます。さらに、異次元からの色彩で染めているため、色落ちもしません。」


「そいつは凄い。ところで、異次元からの色彩とは?」


「ええ、こちらも新しく入荷した染料でございます。それでは、デザインや柄などを決めていきましょうか。」


 ………


「ありがとございました。一週間ほどでお送りいたしますので、それまでお待ちください。」


「いつも、仕事が早いな。楽しみに待ってるよ。」


「はい。これからも、The Dreamland Siutをご贔屓にお願いいたします。」

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