表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クトゥルフ短編集  作者: 異次元からの猫
10/42

絵画って迫力ありますよね。

 絵を買った。

 元は反戦絵画だったのか、見事な油絵で戦火にさらされたらしい廃墟を写実的に描ききっている。まるで、キナ臭い匂いがこちらまで漂ってきそうだ。そのなかに何匹かの蛆虫も描かれ、何処かに死体でもあるのかと思わせる。


 創作意欲を高めるためにアトリエに飾り、その絵を題材とした石像を創る。まずは、粘土だ。

 そう、ここにはいない戦火にさらされた人などを造ってはどうだろう。


 何日もかけ、粘土で大体の形を決める。終わった頃に、改めてしっかりと絵を見る。

 ?なんだろう。何か違和感が。だが、はっきりとは解らない。


 それから、長い時間をかけ石を削っていく。

 破片で絵が傷ついてはいけないので、その間は布をかけてしまう。


 石像の大まかな形ができ、布を取り払う。すると、おかしな点がハッキリと解ってしまった。

 こんなに多くの蛆虫はいなかったはずだ。

 キャンバスの下の方に、僅にだけ描かれていたはずの蛆虫は今ではキャンバス中に描かれている。

 さらに、それは忌まわしいことに、人のような形に刻々と変化していき、ドアノブに手をかけるかのように…。


 そこで意識が途切れ、また目が覚める。

 …どうやら、疲れすぎで悪い夢を見ていたようだ。絵のなかに這う蛆虫なんて一匹も描かれていない。

 ほっとして下を向いた目に、足元から後ろへと蛆虫が落ちて、蠢いていることに気づく。


 …自分の造った石像の辺りで、虫が落ちるような音がしていることは、気のせいなのだろうか…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ