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第一章 ある男の中学生時代-1

この物語は、

僕が「日本を変えたい」と思ったところから始まっています。

介護の現場で、うつと闘いながら、

何度も「もう無理だ」と思った日々。

でも、そこで諦めきれなかったのは、

僕と同じように苦しんでいる人が、

まだまだたくさんいると思ったから。

だからこそ、

僕はボランティアのつもりで筆を取っています。

広告も入れず、書籍化されるまでは、

すべて無料で公開します。

金銭的な見返りを求めているわけじゃない。

ただ、

この物語が、

誰かの心に小さな光を灯せたら。

「俺も、少しだけ頑張ってみよう」と思えるきっかけになれたら。

それが、

僕の「日本を変える」ための、

小さな一歩です。

無料で読める分、

どうか、

この言葉を、

心の奥で受け取ってほしい。

日比谷幸助

2026年1月某日



 夏の群大会決勝。貴也は精神を統一し、手のひらに小さくともキラリと光る白色のボールそっと乗せた。そして、貴也は、スッと真上に気持ち良いほどに高く放り投げた。ボールは綺麗な放物線を描き、落下を始める。貴也は、この日のためにと、磨きをかけた、今まで隠しておいた「切り札」のサーブのモーションに入っていた。既に体に染みつき、昇華していた。感覚、いや、本能に刻まれた、魂の動作を行う。斜め横上回転を、分からないようにかけたボールは、練習通り、いや、それ以上に、美しく、相手コートに着地する。貴也は、相手、ボール、卓球台しか見えない、いわゆる、ゾーンに入っていた。相手は、ここで、初見のサーブがくるかと、とても驚いたようだった。とっさにラケットを握り直し、返球を試みるが、ボールの回転方向を見誤った。これは、貴也の狙い通り。かろうじて、返球されてきたボールは、絶好のチャンスボールとなった。緩く、とても高いボールであった。これで、やっと終わるのだ。貴也は、ラケットを大きく振りかぶった。相手は、これはまずいと、急いで卓球台から離れ、次の返球に対応しようと試みるが、もう後の祭りだ。貴也は、中学三年間の、言葉にならない「思い」を、汗で滲んだ、何万回と素振りを繰り返したそのラケットに乗せ、顧問の先生、そして、仲間たちと刻んだ、忘れることない「思い出」を胸に、慎重に、それでも大胆に、相手コート左後方に、思いっ切り、たたき込んだ。まさに爽快。ボールは、相手コート左奥に深く、抉るようにして、深く侵入し、相手コートで躍動した。そして、そのままのトップスピードで、相手の横を駆け抜けていった。まるで強い「意志」を持った、白い龍のようだった。相手は、ラケットに当てるでもなく、ただ茫然と、立ち尽くしていた。大きく、盛大な拍手が、試合終了の合図を告げた。相手は、がっくりと、崩れ落ちた。ゲームはフルセットの末、貴也の「勝利」に終わったのだ。三年間の努力が実り、貴也は「県大会出場」を決めた。

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