激震する魔導院と公爵の介入
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――――時は少し戻り、ライルが王都へ帰還した後
ライルが遺跡から帰還し、リリアから託されたエーテル鉱石のコアと古文書の写しを王都の魔導院に持ち込んだことで、事態は劇的な急展開を迎えた。
リリアが緊急送信した術式は、魔力暴走を辛うじて抑え込んだが、増幅装置からの凄まじい魔力の逆流は、魔導院の最重要施設である第一研究棟を半壊させるという甚大な被害をもたらした。
魔導院長「これは、魔王残滓の痕跡ではない!古代の禁忌術式と、王都の大商会が関わった裏切りだ!」
魔導院内部は、自らの権威と技術を根底から揺るがされたことで、激しい混乱と内紛に陥った。王都の貴族たちは、魔導院が無能だったこと、そして大商会が裏で魔王残滓と結託していたという事実に、大きな動揺を隠せない。多くの者が自らの立場を守るために、責任を魔導院に押し付けようと画策し始めた。
この混乱に乗じて、王国の最高権力者の一人であるハーヴェイ公爵が即座に動いた。公爵は、魔導院の現体制を危険視していたリリアの家系(子爵家)と深い関係があり、いち早くライルとの接触を果たした。
ライルは、公爵に対し、リリアが自らの意思で遺跡の亀裂へ飛び込んだという経緯を説明したうえで、彼女が優菜の地位を確立するために託したエーテル鉱石のコア現物、そして古代文書の写しを提出した。この「エーテル鉱石の現物」と、魔導院の主張を覆す「古代文書の写し」という動かしがたい物証を受け取るや、公爵は即座に事態の全貌、すなわち魔導院と大商会による裏切りと、優菜の技術の重要性を把握した。
公爵は、この王都の混乱と、長年王権を脅かしてきた魔導院の権威崩壊を、自身の権力を絶対的なものにする絶好の機会と見定めた。彼は一瞬の躊躇もなく、ライルが持ち帰ったエーテル鉱石と、それに付随する優菜の技術に関する情報を、魔導院や他派閥が手を出す前に、王国の最高機密として自身の公爵領の管轄下に強制的に確保した。
そして公爵は、優菜の能力を「異界の危険な力」ではなく、「古代の叡智が現代に甦った王国の至宝」として定義し、以下の強引かつ迅速な方針を王族と主要貴族に打ち出した。
公的地位の確立: 優菜の能力を「王国の未来を築く古代技術」と正式に位置づける。
国家による緊急保護と管理: 優菜保護を目的とし、国家の至宝として公爵領の厳重な管理下に置く。
外交的優位性の確保: 優菜の技術を王国の専属とすることで、対外的・経済的な優位性を確立する。
これにより、優菜は一転して王国の命運を握る「切り札」となり、公爵家の権威を背景に、ロンドの街から王都へ招待するための正式な使者が派遣されることになった。




