終氷ノ黙示録 第十話
100%だいちゅっき!
高評価よろしく。
刹那、グラディオスは長く神々しい白銀のツノに魔力を込めたのち、それを月蝕めがけて放った。すると月蝕の姿はあとかたもなく消滅し、ただの静寂だけが残った。
天「主はまさか......調停者の1人なのか」
?「初めまして、天魔様。僕はアルキメデスZERO、序列第四位エリオット・グレイブスと申します」以後お見知りおきを。
見た目は30代前半のタレ目で微笑む優しそうで頼りなさげなお兄さん。少し癖のあるライトブラウンの髪を無造作にハーフアップに結んでいる。カジュアルなシャツに、少し着崩したチェスターコート、腰回りには小さい革のポシェット。首元にはストールを巻いている。
この者からは微塵の強さも感じられない。さらに恐怖すらも。なんなんじゃ、こやつは。アルキメデスZEROといったら見た者すべてを震え上がらせ、完全なる恐怖で支配する組織と聞いておったのに。なんでこんなにも丁寧なんじゃ。
天「手助け、感謝する」
四「いえいえ、天魔様なら僕が介入せずとも楽に葬っていたでしょう。それと、虫ケラどもの他大陸への侵攻妨害ありがとうございます」
天「ふん、ただの暇つぶしじゃよ」
四「では、仕事は終わったので僕はこれで失礼します」
グレイブスが《ゲート》を開き帰ろうとしたところにグラディオスは最後に質問を投げかける。
天「グラキエルはどうなるんじゃ......」
四「さあ、それは神のみぞ知るってやつですよ」
それでは、と軽く言い残し去っていた。
グレイブスと言ったか、あの者が向かうのであればグラキエルにも多少の慈悲をくれてやるかもしれんのう。
<場面は戻り、魔王vs冥刻>
第6眼 開眼! 《虚無の王眼》【ニル・オーヴァーロード】
魔王の両眼が黒く染まり始め、辺り一帯の空間が魔王を中心に歪み始める。
王眼が魔王を喰らう。記憶を蝕みながらも、その代償として魔王が受けたあらゆる損傷は虚無へと還元され、その眼に映りし魔力、エネルギー、攻撃を瞬時に分解、消滅させた。魔王は立ち上がり、純黒に染められた両眼で冥刻をにらむ。記憶が消え、感情が消え、自身の名前すら忘れた。
魔王が思うことは、魔王の心に響く声は目の前の敵を殺せ。それだけだった。
冥「余の絶対なる死、【インプリズン・オール・イン・クロック】を突破するとは。いやはやお見事」
圧倒的な力の差があるというのに今さら何ができるんだか。
【ギルティ・クロック】
魔王の周囲に魔力がふくまれる時計が無数に出現した。
王「傑作だな。邪眼 【ソウル・アンカー】」
対象を自身との魂の契りによって縛り付け、互いに存在している座標、魔力量、精神的ダメージ、肉体的ダメージを共有する。契りを解除することはお互いの魂の消滅をもってして履行される。
王「覚悟はできたか......死してなお、我と共にゆこう」
冥「自ら傷を共有するとは。死に急ぐつもりか?」
時は残酷、止まることなく進んでいった......58,59,60。
すさまじい衝撃破と轟音が周囲に甚大な影響を及ぼした。その威力の中心にいた魔王は当然、無傷では済まされなかった。しかしそれは冥刻も同じである。魂の契りにより魔王が受けたダメージをそのまま喰らっていた。
冥「なんだ......この痛みは」
冥刻は冷静を装いながらも相当のダメージを負っていた。違和感を覚えつつも正解にはたどり着けないでいる。
冥「確実な死。これを喰らって......!?......━━グハッ」
ぐらぐらと揺れる視界。キーキーと聞こえる耳。冥刻は力が入らず手に持っている錫杖を落とし、自身も地面にたたきつけられ倒れた。魔王のいる方向に勢いよく視線を向ける。そこには魔王と魔王の身体を貫いている一本の長針が残っている。
死んでいる......のか。
余はいつどこで何をされたんだ。グラキエル...様...余は少しでもあなたのお役に立てたのでしょうか。
二「冥刻、どうやらあなたも敗北してるようです」
お前か、高見の見物をしよって。ふん、お前は確かに強い、余に比べて圧倒的にな。そしてグラキエル様よりも......。
冥刻の意識は消え、死んだ。魔王も同様に死んだ。この戦いに勝者は出なかった。
いよいよ、グラキエル戦!?、、、、、ではありません。
【インプリズン・オール・イン・クロック】《万物は時の牢獄へ》は60秒のカウントダウンが始まり、十秒ごとに対象を絶望と恐怖へ陥れる。発動される能力はランダムで最終的には魂の拘束に伴い逃れられない死を与える。対象に触れなければならないのでリスクが高い大技である。【ギルティ・クロック】と比べ突破されにくく、効果が発動している間も対象を苦しめ、優位に立てる。




