命の終わり
主人公の前世の物語です。
「闘争」それこそが俺の生きる道だ。
闘いを辞めた時、それは俺の死を意味するだろう。
俺は孤児だった。
俺が物心着いた時には、すでに親に捨てられており、俺を育てたのは金と欲に塗れた豚のようなやつだった。
俺はそいつに戦闘をするだけの存在として育成された。その理由は、見せ物として金持ちたちがそれぞれ自分の「持ち物」を闘わせるコロシアムで使うためだった。
そうして、俺は戦闘の日々を送り、気づけば敵となり得る存在はいなくなっていた。
そんな退屈な日常を送っていた俺はある日、襲撃にあった。きっと勝ち続ける俺を疎ましく思った奴の刺客だろう。
その数は30。銃や刀と様々な武装をしていた。1人に対してそれはまあご大層な歓迎だ。そんな絶望的な状況で俺は久しぶりに気分が高揚しているのを感じた。
俺は小さく「久しぶりに楽しめそうだ。」と呟いた。
それを合図に奴らは仕掛けてきた。
フェイントを駆使し、銃弾を躱しながらまずは1人の首をへし折り、そいつの体を盾に銃撃を乗り切りながら2人目、3人目と殺して周った。
そして、半分ぐらいを殺した頃だろうか。腹に銃弾をくらった。流石に体力も消耗し、集中力も落ちていたのだろう。
だが、それでも俺は笑った。止まらずに殺し続けた。
そして、血を流しすぎたのだろう。最後の1人を前に体力が尽きた。敵が銃口を頭に突きつけて言う。
「終わりだ。」
俺は笑って答えた。
「楽しかったぜ。」
俺はそこで意識を手放した。
次の話からが本編です。