第23話『バットエンドなんてありえない…』(前編)
いやーとうとうこれがラストバトルになります。
しかし、ラストバトルなので作者もヒートし過ぎ、約30000文字とふざけた量になってしまいました。
短い話の4倍ぐらいって...
その為、23話は前後編分けて投稿します。
第23話…
もしも登校する時に、右ではなく左に曲がって、
女の子にぶつかったら……
第23話『バットエンドなんてありえない…』
…………………………………………
「話だと……?」
「そう話さ…ゲームのラスボスとかなら、ここまで来た勇者を称えて、話をするものだろ?」
魁斗は、仲間たちの思いを背に…アスカを…愛する女を助ける為に此処までに来たのだ…
この最上階を辿り着いたのだ…
だが、最上階にはアスカはいなかった…
代わりに、お洒落な…お洒落だったアンティークと、趣味の悪い中年の男が居た…
この中年の男こそが、ナイトメールのボスである…
「嫌だね、そう言うRPGのボスの話ってのは、大抵ロクなもんじゃねぇって相場が決まってんだよ」
ボスは魁斗に興味を持ち、少し話をしたいようだが…
魁斗はボスと話をするつもりなんてこれぽっちもない…
「どうせさ、世界の半分をやるから仲間になれとかなんだろう?」
「世界の半分は流石にやれないが…まっ、仲間になれってとこまで合っているよ」
なら…話は早い…
「俺は…例え、一生遊んで暮らせる金を貰おうが…
どんなナイスバディ美女を何百人好きにして良いと言われようが…
ましてや、世界の全て、この宇宙の全てを賭けられようが、
アンタの仲間になんてなる気はねぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗はウエストポーチから、数本のシャーペンを取り出し、右手で握る!!!!!!!!!!!
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「御託は後で好きなだけ聞いてやるよぉぉぉ!!!!!!!その前にアスカは返して貰うぜ!!」
「君の物ではないだろう」
「アンタのものでもないだろうがあぁぁ!!!!!!!!!!
あれだけ、アスカから色んなものを奪ってきた癖に!!!!!!!
組織も!!!!
居場所も!!!!!
明日も!!!!!!!!!!
アスカに…アスカにとって親代わりで…誰よりも大切な人だった長官もぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は様々な思いが込められた叫び、言葉!!!!
その言葉の前にボスは、
「大切な人………………………………………?
…フッ…フフフ…ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
腹を抱えて笑い出した…
「な、何が可笑しいぃ!!!!!!」
「ハハハ…い、いや…悪い、悪い…何も可笑しくないね…
ああ、そうか…君は知らなかったね…済まない…
君は…考えた事あるかい?」
「何をだよ!!」
「その長官が生きていて…
君の目の前にいるって?」
………………………………?
「……ハア?」
魁斗は驚愕した…
これを読んでいる読者は驚愕したか?
していない筈だ…何故なら、読者には魁斗よりも先にボスの正体を知らせてあるからだ…
正直、今ここでネタばらしをした方が、話の展開としては面白いかったかも知れない…
だが、これだけ解って欲しい!!!
あの時!!あの話を読んで、真実を知った読者はどんな気持ちであったか?!!
きっと、何か呆気を盗られ…困惑してくれた筈だ!!!!!
正に、その気持ちこそが今の魁斗の気持ちだ!!!!!!!!!!!!
驚愕した!!
「…………あり…かよそんなの…」
ナイトメールのボスこそが、アスカの大切な人…長官であった事に…魁斗は驚愕したのだった……
…………………………………………………………………………………
「ハア…ハアハア……」
その頃…一人で黒服の男たちの相手をし続けた百合野は…
そろそろ…精神的にも体力的にも限界であった…
いくら相手が、心理的圧力を掛けて、心を拘束したとしても…
完全に動きを止めれる訳ではない…
その場からも発砲も…
ダッギュン!!!!!!!!
この様に有り得る…
「鎖の拘束!!!!!!!!!!」
ギギギ…バキン!!!!
何とか、能力で弾丸を粉々に砕いたが…
これが何時まで持つかは解らない…
あともう少しで、重力・心理的圧力の効果が切れる…
そうなったら…自身の能力だけで…この黒服たちの心を拘束できるか…怪しい…
「…いや駄目だ駄目だ…そんな風に思っちゃ…」
百合野が絞め付けられるは…自身より小さいものだけ…
心を大きき強く保たなかれば…不安に何かに負けては…
ピーン…
「ん…?」
その時だ…
魁斗が最上階へと目指す為に使ったエレベータとは反対側のエレベータ…
即ち、この階に来る時に使ったエレベータから音が鳴る…
エレベータが止まる音だ…
即ち、下から誰かが来たのだ!!
ゆっくりと開く…エレベータのドア…そこにいた人物は一体?!
「誰だって、顔をしてるな…」
そう…彼は…
「俺は、お節介焼きの、
神速 和g、」
ダギュン!!ダギュン!!
ダギュン!!ダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュンダギュン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
黒服の男たちは一斉に和琴に向かって発砲した!!!!!!!!!!!!!!!!
「oん、」
「わ、和琴先ぱあああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」
だが…この程度の弾丸…今の和琴には怯える必要なし!!!!!!!
「おおっと?!!人が、折角丁寧に自己紹介を始めているのに、四方八方から、直径7mmの弾丸が十二発も飛んできやがった!!
だがな無駄なんだよぉ!!!!!!!!!!!
神速の解説!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
和琴の眼には!!!まるで、弾丸が止まっているかの様に見える!!!!!!!!!!!
「おおっと?!!先ず一発目の弾丸が俺の額を目掛け飛んできやがるぜぇぇ!!!!
俺はそいつをしゃがんで避けるぜ!!!!
だが、しゃがんでいると、次の二、三、四発目の弾丸に当たっちまうじゃねーか!!!!!
横に転んで上手く避けるぜぇ!!!
五、六、七、八発目は…えええええェェェェェェ!!!!!照準が合ってねーじゃーねーか!!!!!
残念だぜ!!
最後に、九、十、十一、十二発目は…………成程、読めたぜぇ………
足だ!!足を狙ってきやがってるぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神速 和琴はCOOLに
跳ねるぜェェェエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何と!!
和琴は弾丸が狙ったコースが初めから全て解っていたかのように、十二発の弾丸を華麗に回避した!!!
黒服たちは、最早、驚愕すら超え…唖然し、
(;゜口゜)←こんな顔をしてた…
そして、唖然は次第に恐怖へと変わる!!!!
弾を避けた、只者ではない男の前に黒服たちは恐怖した!!!!!!!!!!
その恐怖した心を百合野は見逃さない!!!!!!!!!!!
「い、今だぁ!!鎖の拘束!!!!!!!!!!!!!!」
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!!!!!!!!!!!!
百合野の能力が、恐怖で縮み小さくなった黒服たちの心を絞め付ける!!!!!!!!!!
「「「「「「「「「「「「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooooo~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」
バタンっ!!!
黒服たちは…全員その場で気絶してしまった…
ナンテコッタ…
「おう!!無事だったか?!百合野!!!!!」
和琴があれだけの動きをしたのにも関わらず、何事も無かったかのように…手を振りながら近づいて来た…
「和琴先輩こそ…大丈夫ですか?
まるで、弾を全部避けたみたいに見えたんですけど?」
「ああ、全部避けてやったぜぇ!!!」
「えっ…?!!
そ、そうですか…。
あっ、下のフロアに残した双子さんたちはどうしたんです?
倒したんですか?」
「双子のお譲ちゃんなら…」
…………………………………
その頃…下のフロアでは…
「う~…ひりひりする~…」
「おしりいたいよ~。おじさんだからって、つよくたたきすぎ~」
幼女たちがお尻を押さえていた…
…………………………………
「…お尻を叩いたんですか…?」
「おうよ!!俺もガキ頃は悪い事をしたら、よく婆ちゃんにケツを叩かれたもんだぜ!!」
悪い子のお仕置きは、何時の時代でも、お尻ぺんぺんらしい…
何故頭ではなく尻なのか?
作者が聞いた話によると、幼い時に頭を強く叩くと、未発達な脳に重大なダメージになる恐れがあって、
馬鹿になる以前に命の危機になるらしい…
尻ならば脂肪がクッションになる為、尻が真っ赤になろうとも、腸や内臓にダメージになる事はないと聞いたが…
これはあくまで、作者がテレビとかで聞いたうろ憶えな知識の為、そこまで本気にしないで頂くと有り難い…
………………って、
そこは重要ではない!!!今はケツの話をしている暇はないのだ!!!!!!!
「百合野!!魁斗はどうした!!」
「魁斗先輩なら先に最上階に向かいました。
ボクたちも早く最上階に…」
「いや、待て百合野!!最上階に行った所で…そこに積川さんはいねぇ!!!!!!」
最上階に…
積川 アスカがいない…?
「ど、どういう事ですか…?」
「詐欺だぜ、詐欺!!!!
魁斗の話によると、ボスのヤローは“最上階に来い”とは言ったらしいが、
一言も“最上階に積川さんが居る”っては一言も言ってねぇんだよ!!!」
確かに…魁斗の話通りなら、そういう事であるが…
「そうですけ…そうですけど、和琴先輩。
それだけで、アスカ先輩が最上階にいない理由になるんですか?」
その通り…
それだけでは理由にはならないが…
事実は事実である…
「だってよぉ?…積川さんは何を隠そうと…
この階に居るんだぜぇ?」
「えっ?!!」
この階にいる?
しかし…何処に…?
説明をし忘れたが…
このフロアは無駄に広いオフィス…
パソコンやデスクが並んでおり…身を隠すぐらいならできるが…
人を閉じ込めれるような場所は……
「いーや、あるぜぇ!!俺には解る!!」
和琴はスタスタとトイレの近く置いてある大きな鏡の前に立ち…
「感じる…感じるぜぇ!!!ここから、積川さんの気配を感じるぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
「和琴先輩、一体何を?!」
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
和琴は自らの拳で…鏡を殴る!!!!!
そして…殴ったら鏡は割れる!!!!!!!!!
パリーーーーーーーン!!!!!
「わ…和琴先輩…?」
唖然とする…百合野…さっきから先輩のテンションが可笑しいからだ…
(まさか…動転し過ぎて…気が変にでも…?)
「安心しろ、俺は正気だぜぇ!!!
それよりも見てみろよ!!!コイツを!!!!!!!!」
和琴が指差す!!!!!
指さしたのは割れた鏡……
に隠された、隠し廊下だった!!!!
「こんな道が…」
「おうよ!!!積川さんはこの先にいるぜ!!間違いねぇ!!」
「でも和琴先輩…」
「何だ?!」
「そこの壁に…鏡を動かすスイッチがありましたよ。
鏡を割る必要は無かったんじゃ、」
「気分だよ!!気分!!!つまんねぇ事言ってねぇで行くぞ!!!」
二人は走り出す…囚われの姫の元へ…
そして…本来、姫を助ける役目の勇者は言うと…
一人…悪魔と戦っていた……
…………………………………………
「アンタ…アンタが本当に…アスカの長官なのか…?」
魁斗は困惑した…
アスカの最も大切だった人が…最も憎む相手であった事に…
「ああ…本当だ。私は彼女の長官だ…」
嘘だと信じたいが…あの笑い方は…作り笑いではない…本当に腹の底からの笑いであった…
「じゃあ…じゃあ、アスカがr2に覚醒しているのも…覚醒させたのも…?」
「私だ…全て私だ…」
魁斗は困惑した…困惑するしかなかったが…
そんな困惑した脳みそでも…これだけ解る……
「…アンタさ…何がしたいんだよ…?」
「…………………………………………」
「アスカは…アスカはアンタの事を信頼してた!!!!!!
信じていた!!!!優しかった長官の事をずっと思ってた!!!!!!!
アスカだけじゃねぇ!!!!!!!!!!!!!!
組織の人たちだって、アンタを信じ思ってた筈だ!!!!!
なのにアンタは裏切った!!!!!
仲間も、信頼も、思いも、アスカも、全部裏切った!!!!!!
知っているのかよ?!!
アスカがアンタが死んだと思った後…どんな気持ちで生きていたか!!!!
辛く寂しく!!!!!どれだけ絶望したか!!!!!!!
俺だって、その時のアスカの気持ちの全部は解らない…
本人しか解らない…解らないけどな!!!!!!!
アンタは少しでも…アスカの気持ちを考えた事、あんのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「………………………………………………………」
「罪悪感…とか、ないのかよ…?」
コイツだけは許せない…
許して良い筈がない…
許されるべき、人間で良い筈がない…
怒り……怒りだ…怒りを感じる…
怒りのままに暴れるのは愚か者と同じ…愚かな行為だ…
だが…この怒りは…この怒りだけは!!!!!!!!!
コイツに全てぶつけても間違いではない筈だ!!!!!!!!!!!!!!
しかし…長官は…魁斗の怒りを目の前にしても…
「私は…嘘吐きなんだよ。所謂、詐欺師でね…詐欺師だから人を騙して当然だろ?」
平然と言い放った…
「っ?!!!アンタ!!」
「勿論…罪悪感は感じているさ…彼らに謝りたい“とは”思ってるよ」
「ふざけんな!!!謝って済む問題じゃねぇんだぞ!!!!!!!!
アンタは信頼を砕いた!!!!
今、アンタが持っているアンティークみたいに、自ら粉々にしちまったんだぞ!!!!!
解ってんのか?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「魁斗君…アンティークは割れやすいから美しいのか…美しいから割れやすいのか…どっちだと思う?」
「美しいから…美しいから割れやすいんだ!!!!!
だから!!!だからこそ!!!!!!!
大切にしなくちゃいけなかったんだよ!!!!!!!!!!!!!!!」
情の概念とは常に不安定…だからこそ大切にしなくちゃいけない…
だが…この男は違った…
「違うな…割れやすいから美しいんだ…それならば、割れた後でも…綺麗に飾れば美しいんだよ…
私とアスカの関係と同じでね!!!!」
「はぁっ?!!」
意味が解らない…
「確かに…アスカと私の関係は…粉々に砕けてしまった…
けど、これは…アスカが私を思ってくれた結果だ…
アスカが私を思ってくれたから、運命が!!!“運命の力”が私を導いてくれた!!!
こんなに美しい物が他にあるか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「それで…それで良いのか?!アンタが美しいだけで…それで良いのかよ?!!!
アスカにあれだけの代償を払わせておいて…アスカにそれだけ対価はあるのかよ?!!」
「フフフ…無いよ…何にも…」
「アンタは俺が知る限りじゃ、アンタが一番最低な野郎だ!!!!!!!
そんな関係がどこが美しいんだ!!!!!!!!!」
「確かに…確かに…何も無いさ…
けど…私には彼女の思いに答えようとは思っているんだ…」
長官は…割れたカップを片手に持ち…立ち上がる…
「君は考えた事はあるかい?割ってしまった皿をどうるかって…?
どうにも出来ないさ…もう既に割れてしまったのだから…
だから…誰もが思う…“皿が元通りにならないか”と…」
「アンタは…本気でそう思ってのか?
割れた皿やアンティークが本気で元通りにならないかと思ってのか!!!!!」
「何言ってんだ。ならないよ」
(コイツっ!!!!!!!!)
魁斗は我慢のであった…
長官は謝りたい、罪悪感はあると口では言っているが、出来る事は一つもない……
謝る対象がもう既に存在しないからだ…
なのにも関わらず、仮に本当に彼が罪悪感を感じていたとしても…
それは“騙した”事にだけの罪悪感…
即ち、死んでしまったり、失ってしまった事に…割れてしまった事には全く悔やむ気持ちなんてない。
“皿を割ってしまっても、誤魔化す為の嘘を吐く事にしか罪悪感を感じないのだ”
“(人を殺してしまっても、誤魔化す為の嘘を吐くことにしか罪悪感を感じないのだ)”
だから…アスカは可哀想だけど…別に騙しても構わない…
その程度なのだろう……
「アンタの言った通りだったな…本当…」
魁斗は…右手に無数のシャーペンを握る…
「アンタ…詐欺師だよ…。
最低のなぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そのシャーペンを力と怒りの限り、長官に向け投げ付けるゥ!!!!!!!!!
「硬化・千本・爆弾!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
正しく!!ダイナマイト!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だが…長官は動じず…
「そう…詐欺師だよ…今は…今はね!!!!!!!!!!!!!!」
静かに…左手を飛んでくるシャーペンに向ける…
「時空の旅路!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
左手から放たれた青白い光が…無数のシャーペンを包み…
「なっ?!!!!!!」
ビシュン…
一瞬…消え…
「いってらっしゃい…そして……」
再び姿を現す…
ビシュン!!
「おかえり…」
シャーペンは…ボロボロになっていた…
最早、原型を止めていない…
シャーペンは空中で文字通りに粉々に…砂みたいに砕け散った…
「どうなってやがる…?」
シャーペンがまるで風化したかのように…砕けてしまった…
いや…風化したのだ…
何故だ…?!
「君のシャーペンは…少し時間旅行に出かけたんだよ」
「何っ?!」
「君には理解しなくてはならないからね…良いだろう…説明してあげよう!!!!!!!!!!!!!!!!
私の能力は『物を時空へ飛ばす能力』!!!!
私は時空に穴を開け、シャーペンを数千年前の時空へと吹き飛ばしたんだ!!!!!
そして……シャーペンは!!!!時空と言う流れる川を下り!!!!!
今のこの場で開けた穴まで戻って来たんだよ!!!!!」
即ち!!!
ペンは数千年を旅をしたのだ!!!!!!
時空間の中で!!!!!!
「だが…この能力にはとてつもない弱点がある…。
飛ばせるものは…生命を宿していないものか…この能力を持つ“私”だけ…
それはまだ良い…。
だが、最大の弱点は、この能力は…今私たちの居る空間から時空に行く事の出来る穴を開けれるが、
時空から空間に戻る穴は開けれない…結局…最初に開けた穴から戻るしかない…これでは、過去に行けないんだよ…」
一見強力そうな能力だったが、欠陥だらけの能力ではないか…
聞いて呆れる…
しかし…魁斗は不思議に思う…
何故、この男は自分の能力についてペラペラし喋るのだろうと…
喋れば喋れる程、相手に情報が渡り…その分、弱点が解ってしまう。
解ってしまうどころか、この男はその弱点すら話してしむ始末…
「アンタ…何を考えてる?」
余裕ぶっているつもりなのか…?
「だから言ったろ?!君には私の能力について理解してもらわらないといけないって…
少し考えれば解る筈だよ…?ここまで私が…アスカを騙してまでも君を…君を此処まで連れてきた理由を考えばね!!!」
ここまで連れて来た理由…?
自分の組織を自ら滅ぼして…アスカを騙して…最低の詐欺師になってまでも…魁斗を此処まで連れて来た理由…
「…何の為に…私が…君をr2に覚醒させたと思っているんだ…魁斗君?!」
「ッ?!!…ああ…成程…
そう言う事かよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は理解した…
今まで長官が…ここまでしてきた行動理由を…理解した…
ある日…長官は時空を操る能力に目覚めた…
しかし…その能力は不完全で…過去には行けなかった…
だから必要だったのだ!!!!!
空間に穴を開けれる能力者が!!!!!!!!!!!!!
その為に嘘を吐いた!!!
騙した!!
アスカを騙した!!!
アスカの運命の力を利用した!!!!!!!!!!
アスカの居場所を…その為だけに焼いたのだ……………
「そして…アンタは…俺のr2で…時空から空間に繋がる穴を開けて…する気なんだろ?
“割ってしまったアンティークを元通り”に…全部…元通りに…する気なんだろ?!!!!」
「その通りだよ。魁斗君」
ニッコリと微笑む…長官…
彼は…過去へ行く気なのだ…そして…嘘の罪悪感を全て消し去ってしまうつもりなのだ…この男は…
責任逃れも…いいところだ………
「……私は過去を変えたい…どうしても変えたい…
それには君が必要だ!!!私は君が欲しいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!
君の能力があああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だから、私の同士になれ魁斗君!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「断る!!!!!
俺はアンタの行動理由に関しては理解した!!!!!!!
けどな…、
アンタの思考や、思想に関しては何一つ理解できねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇよぉぉぉぉー!!!!!!!!!!」
そりゃ…過去は誰だって変えたい…
魁斗だって変えたい過去はある…………………けど…
過去は変えるものではない…
過去は超えるものだ!!!!!!!!!
逃げてはいけない!!!!!!!!!!!
魁斗は逃げない!!!!!
何度転んだって、何度割れたって、何度砕け散っても!!!!!!!!!!!!!!!!!!
魁斗は逃げない!!!!!!!!!!
もう何があっても逃げない!!!!!!!!!!
なのにだ、
この男は何だ?!
今まで自分勝手にしていたくせに…
その事で起きた犠牲を、罪悪感を全て自分勝手な理由で無くしてしまおうとしているのだ!!!!!!!!!!!
これが愚か者と言わず何と言う!!!!!!!!
それに…この男はこの場に及んでまで嘘を吐いている…
魁斗を仲間にして…空間に穴を開けると言っているが……
それには一度、時空に入らなければならない…
だが、長官に能力で時空に入れるのは…生命を宿ってないものか、自分だけである…
即ち…魁斗と能力を二つに分ける必要があるのだ…
そう…それが、サイコ・チップ…
サイコ・チップはその願望を叶える為だけに開発されたのだ…
「アンタを許すわけにはいかねぇ!!!!!!!
ここで、俺がアンタをブッ倒して!!!!!!!!!その凶行を止めてみせるぅぅ!!!!!!!!!!!!」
魁斗はペンを入れているウエストポーチに腕を突っ込む!!!!!!
が!!!!!
ペンはもう一本もない!!!!!!
弾切れである!!!!!!!!!!!!
しかし、もう攻撃の手段がないわけではない!!!!!!!
魁斗は取り出した!!!!!!!
それは、手袋!!!!!!!!!!右手側だけの手袋だ!!!!!!!!
「いくら生命が宿ってないとは言え、俺の身体に身に付けている服やズボン…
手袋は俺の“一部”!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんなら、時空へと飛ばせないはずだああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は右手に手袋を装着し!!!!!!!!!
「物質硬化!!!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!
長官の元へと走る!!!!!!
これならば、シャーペンの様に、数千年前には飛ばされない筈だ!!!!!
やれ、魁斗!!!!!!!
数多の人の思いを…………
ぶつけてやれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だが!!
しかし!!!
その時!!!!
その瞬間だった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「そうか……………それは実に残念だよ…魁斗君!!!!!!!!!!!!!!」
長官は両手を魁斗へと向ける!!!!!!!!!!!!!
何をする気なのか?!!
「君は興味深かったし…面白かった…
けど、
さよならだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これが私のr2能力!!!!!!!!!!!!
存在の消滅!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!
長官の手の中に七色の光が集まり…一気に魁斗に向かって放たれる!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うっ?!!!!!!!!」
その速度は光速!!!
光そのもの!!!!!!!!!!!
気が付いたらもう遅い!!!!!!!!!!!!!!
魁斗は七色の光に包まれてしまった!!!!!!!!!!!!
「し、しまった!!」
怒りに任せすぎたか?!!
しかし、魁斗の外見には目立った外傷はないし、ダメージを受けたようには見られない…
一体…何が起きr、
ガタッ!!!!!
「?!!!!!!!」
突然、足元がふらつく…
「な…何だ…?」
足元がふらつくだけではない…激しい目眩にも襲われる…
「何なんだよ…一体…体調不良にでも…させる能力…か?」
魁斗は左手で…目を擦る………が、
それと同時に…ある事に気がついた…
「なっ?!!………こ、コイツは………」
左手が……左手が透けていく…?
少しずつ透明になっていく…
「幻覚か…?」
「幻覚などではない…
私は君の存在を不安定にしたのさ…」
「ふ、不安定にだと…?」
「まっ、詳しく説明するとね…
今の君の存在は不安定なんだよ…時空にとって……
君が不安定だと、時空すらも不安定になってしまう…
言わば、歪みの存在。
君が存在する限り歪みが広がり…やがて、この時空は捻じれ壊れてしまう…
勿論、私はそんな事は嫌だがね。
時空だって同じ…捻じれて壊れてしまうなんて嫌だ…
何とかして、元に戻ろうとする…
その時、元に戻ろうする力が…大きな力が歪みの修正に掛る…
この意味が解るかい魁斗君?
即ち、即ちだ!!!!!
時空にとって最も嫌う歪みの存在である君は消されてしまう!!!!!!!!!!!
存在自体が!!!君そのものが!!!
早乙女 魁斗と言う存在は皆の記憶から消え、最初からいなかった事になるんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗の存在が……消える…?
「うんな馬鹿げた事、出来る訳…うっ…」
身体から力が勝手に抜けていく…
「あ……」
バタン…
魁斗はその場に倒れ込んでしまった……
「く…クソ…」
脳が必死に命令するが…身体は動いてくれない…
「動けっ…動けよ!!……俺はまだ……アスカを…アスカに…」
再会していない…
再会をしていないのに…消されてしまうのか…?
生きていた証…全てが?
否定しろ…
そんな事ないと否定しろ…
だが、否定する為の思考すらだんだんと麻痺し…働かなくなっていく…
「ちくしょー……百合野…和琴………部長…………牧師…
アスカ………」
「残念だけど、その仲間たちも皆君の事は忘れる……
ああけど、君の能力だけは私が憶えてあげよう…サイコ・チップにする為にね;
ニヤニヤ笑みを浮かべる長官…
あんな最低な奴の思うがままになるなんて悔しいが…身体が動かない…
早乙女 魁斗…ここまでなのか…?
……………………………………………………
魁斗が長官と死闘を繰り広げている間…
和琴たちは長い廊下を走り続け…遂に廊下の先…
アスカが捕まっている独房に辿り着いたのだった…
「ここにアスカ先輩が…」
「ああ、間違いないぜ…」
「じゃあ、先生に…」
百合野は携帯電話を取り出す…
牧師の遠隔操作でこの独房の鍵を解除してもらう様に頼む為だ…
「いや、その必要はねぇぜ…百合野」
「え…?」
百合野が連絡をばだしてもないのに…和琴はドアノブを握る…
そして…
「やっぱりな…」
ドアノブを捻った……
ドアノブが捻れる…即ち、
「鍵が…掛ってない…?」
そう…この部屋の鍵は…始めから鍵は掛っていなかったのだ……
牧師が捕まっている事に気付き…鍵を解除したのか?
そんな連絡は入っていない…もしそうだとしたら、何より魁斗に知らせる筈だ…
「…一人で逃げたのかな…」
その可能性も十分ある。
一人で鍵を何かしらの方法で解除して逃げ出すのも、組織の人間である彼女なら不可能な話ではない。
何より、いくら部屋の外だからって…中に人が居る気配が何も感じれないのだ…
ここまで、ドタドタ走って来たのだ…この部屋に彼女が居るのなら此方に気付き、反応する筈…
それが無いのなら…彼女は此処には…
「いや、それはねぇ…積川さんは間違いなく此処に居るぜぇ…」
「……何で和琴先輩は解るんですか?」
別に疑っている訳ではないが…その理由ぐらいは聞かして貰いたいものだ。
「感じんだよ…。積川さんの悩み…苦しみ…悲しみの感情を俺は此処から感じたんだよ!!!!!!」
「悲しみの…感情…?」
「兎に角、開けるぜ!」
「あっ、和琴先輩!」
ドン!!
力強く、和琴はドアを開ける…
中は…少々暗い…
「……………」
和琴たちは…独房の中に入る…
独房の中は、広く、意外に洒落ていて、高級ホテルのワンルームと良い勝負が出来る…
そんな独房には不似合いな独房であった…
人の気配は…やはり感じない…
感じないのだが…百合野は何かを感じた…
和琴の言った…悲しみの感情なのかもしれない…
百合野は辺りを隅々まで見渡すと…
居た…
部屋の隅…死角に…影で暗くなっている場所に…彼女は居た…
アスカ…積川 アスカがそこに居た…
「アスカ先輩!!」
「助けに来たぜぇ…積川さん」
二人はアスカに駆け寄る…
だが…アスカの様子がおかしい…
活気が感じれない…
反応がない…静かに隅で蹲っている…
死んではないし、呼吸だってしている…
なのに…何だって言うんだ?
強いて言うならば。彼女から生気がない…まるでこれでは抜け殻だ…
だから…先程から百合野はアスカの気配が感じられなかったのだ…
「…………………やはりな…」
和琴はアスカの肩を掴み…軽く揺らす…
「積川さんよぉ…何か辛い事が有ったかもしんねーけどよぉ…皆が、積川さんの帰りをm、」
「解らないのよ……」
「っ?!!」
先程まで反応がなかったアスカが口を開く…
「もう……どうすればいいのか……わからないの……本当に…」
「アスカ先輩…」
アスカの口から出た言葉は…悲しみの言葉…
悲しき涙の言葉…
「私は…疫病神…皆を不幸にするの…私は…私の能力は…」
百合野は思いだす…牧師が言っていた事を…
アスカがr2能力に覚醒している事に…そして…その代償は…
「もう…皆とは…魁斗と…一緒にいられない…一緒だと…魁斗は…魁斗は…」
その代償は『居場所』…
「………不幸に、」
「ふざけるんじゃ、ねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇエェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
和琴は叫ぶ!!!!!!!!!
もう和琴は黙っていられなかった!!!!!!!!!!!!!
ここまで、弱気になっている仲間を!!!!!!!!!!!!!!!!!!
親友の愛する人を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お節介焼きの神速 和琴が黙っていられる筈がなかったあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!
「積川さん!!アンタの事は牧師から全部聞かしてもらったぜぇ!!」
「それじゃあ…代償も…?」
「ああ知ってる!!!だからどうしたって言うだよ!!!!!!!!!!!!!!!!1」
「どうしたって……意味解ってないの…?」
「解ってるぜぇ!!!!!!!!!!!
けどなぁ!!!積川さんだって解ってんのか?!!!!
俺たちがどんな覚悟でここまで来たかって!!解ってんのかああぁぁぁ?!!!!」
眼中が飛び出る程、目を開き!!!
和琴はアスカに問いかける!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「俺たちは死ぬ覚悟があってここまで来たんだぜぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」
「だから…それ…それなの!!
結局、私のせいで、皆に危険な目に合わせるじゃない…
今回だけじゃない…
今まだって…ずっと……」
魁斗の能力を覚醒させるために……幾度なく命の危機に……
それらは、積川 アスカと言う…疫病神が起こした災害…
不幸である。
「けどな積川さん!!!!!!!!!!
俺たちの中で、一人だけ、どうしても死ぬ気も死ぬ覚悟もねぇぇー奴がいるんだよぉっ!!!!!!!」
「っ!!」
そう!!
そいつの名は!!!!!!!
「魁斗だ!!!魁斗ぉぉ!!!!!!
魁斗の奴はな…魁斗の奴はなー!!!!!!!!!!
積川さんと焼き肉食いに行くまで…
一緒に添い遂げるまで死ぬ気なんて…死ぬ覚悟なんてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇだよォッ!!!!!!!!!!!!!!!」
そう…彼は初めからそうだった…魁斗はこの物語の初めからそうだった!!!!!!!!
魁斗に死ぬ気なんてない!!!勿論、一緒に添い遂げた後もそうであるぅぅぅ!!!!!!!!
「…無理なのよ…私だって…私だって魁斗とずっと一緒にいたい…ずっと一緒に生きていたいわよ!!!!
……けど…駄目なのよ…私の“力”は…私が望めば…世界を何度だって壊せるぐらい危険な力…あってはならない力…
それに…代償を払うのは一回だけじゃないのよ…魁斗が私の『居場所』になれば…魁斗は…」
失ってしまうだろう…
彼女は…“運命に迷う事なき少女”…なのに、彼女は自分の道を見つけれない…
何かを大切に思えば…最後に失う…皮肉な話だ…
これが彼女の運命なのか…?
「アスカ先輩…」
百合野がアスカの手の上に自身の手を重ねる…
「百合野君…」
「アスカ先輩は…悩んでいるんですよね…。
自分の力に…その代償に…けど…悩んでいるのは魁斗先輩だって同じなんですよ…」
「魁斗…も…?」
「魁斗先輩も…r2の代償として“愛する者”を失わくちゃいけないんですよ…。
もし、今回無事にアスカ先輩を助けれたとしても…また、失わなくちゃいけないかもしれないのに…魁斗先輩は…アスカ先輩を助けるを決めたんですよ…
何でだと思います?
常識(過去)を超える為です…代償を払い続ける常識を超える為です」
もう…魁斗も自分を含めて…失うのはコリゴリなのだ…
「だからよぉぉ!!積川さん!!
いんや、アスカさんよぉぉ!!!!!!
アンタに頼み事があるんだ!!滅茶苦茶酷い頼み事がよぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「……酷い頼み事?」
「ああ!!“これからずっと永遠に、魁斗の傍にいてくれよぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!”
そんすれば、魁斗の代償の被害は…アンタだけで済むんだぜぇぇぇぇぇ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「っ!!!、け、けど、それって!!!!!!!」
和琴の頼み事は…世界一酷く、世界一滅茶苦茶で、世界一最低で、世界一優しい頼み事!!!!!!!!!
即ち、“永遠に魁斗の代償”になれと!!
即ち、“永遠に魁斗を代償”にしろと!!
即ち、“もう永遠に末永く、二人とも幸せになっちまえ”と!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「矛盾してるわ!!!
そんな事、矛盾してるわよ!!!!!!!!!!!!」
アスカだって、出来れば…出来るなら…叶うのならそうしたい!!!!!!!!!!!!!!!!
だが、それは矛盾!!!!
不可能な話だ!!!!!!!!!!
「ああ!!矛盾なんて承知の上よッ!!!!!
人の人生ってのはな………………
矛盾だらけよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!!!!」
一緒にいられない…一緒にいれば失う…互いに失い合う…
それなのに一緒にいろ?
それは矛盾!!!
不可能な話!!!!!!
常識だ!!!!!!!!!
そんな事は常識だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だがああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!
「魁斗は、魁斗なら!!!!!!常識なんてよぉ!!!
矛盾なんてよぉぉぉ!!!!!!!!!!
そんな下らない事、超えちまうぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その事は、アンタが一番知ってる事だろうがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ああ…ああ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
パリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
BREAK!!!
それは砕けた音!!!!!
何が?!!!
アスカを縛っていた常識と言う名の鎖があああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!
砕けた!!!
アスカは大切な事を思い出したのだ!!
魁斗は…早乙女 魁斗は!!!!
常識を超えている事を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「……私って…ホント馬鹿…これじゃ…あのバカイトより…馬鹿じゃない…」
何を迷っていたのか…何を見失っていたのか…
こんな事…悩む事でも何でも無いのに……
一緒にいたいのなら…そうすれば良いだけの事…
いくら矛盾を生もうが…不可能だろうが…
それが…自分の道だ…
アスカは……静かに…その場に立ち上がった…
「和琴…魁斗は…?
魁斗は今、何処にいるの?
「魁斗なら、最上階でボスと闘っているところだぜぇ!!」
「魁斗がボスと……」
ボス…即ち…長官とである…
「安心しな!!魁斗の事だ…もう勝ッちまって、アスカさんを探してる筈だぜ!!!
だから…行ってやれよ!!魁斗のところになっ!!!」
ドン!!!!ドズーーーン!!!!!!!!
和琴がこの部屋のドアを蹴っ飛ばし!!ぶち壊す!!!!
先に見えるのは…長い廊下!!!魁斗の元へと行く長い道!!!!!!!!!!!!!!!!!
「アスカ先輩…」
「大丈夫よ、百合野君」
アスカが百合野の髪を撫でる…
「私はもう……迷わないから…………」
アスカは走りだした!!!!!!!!!!!!!!!!
愛する者の元へ!!!!!!
まだ伝えていない気持ちを伝える為にぃぃぃぃぃぃぃぃl!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「気を付けてくださいね、アスカ先輩!!!」
「お二人とも、お幸せにな~!!」
さて、二人残ってしまったか…
「ボクたちはどうしますか?和琴先輩」
「二人の邪魔をする訳にもいかねーだろ?
……COOLに去ろうぜ?」
「そうですね…あっ、そう言えば…部長さん…遅いですね…?
連絡もないし…大丈夫でしょうか?」
「さあな……けど、俺たちの部長だぜ?
大丈夫だろ…きっと無事だぜぇ…
まあ…探しながら帰るとすっか?」
「そうですね」
しかし…二人は…部長を見つける事が出来なかった…
何故ならば…………言うまでもないか………………
前編…完
後編へ続く…




