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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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若気の至りってことで

冬ですね。

みなさんサンタさんは来てくれましたか?


プー太です。今回もノリで書ききります

「あー、いらっしゃい」

クラッカーを頭からかぶった真実はその音でやっと目が覚めたのだろう。

一瞬にして顔面蒼白になったもののゆっくりとその表情は柔らかくなっていった。

おじゃましまーすと大きな声で挨拶をして意気揚々と真実の家に上がる朝弥に気付かれぬようにちらりと目配せをされて無言で返す。

なるほど、今日はあの人はご不在のようだ。

なら多少むちゃをやらかしても大丈夫だ。

「部屋はこっち」

真実に先導されて部屋に向かう。

「なんかこの匂い落ち着くなあ。ていうかひっろい家だな!」

「年季を感じるね」

「匂いって。俺の家だからわかんないし。……ここ、俺の部屋」

部屋に入った途端に寒暖差で茜の眼鏡が白く染まる。

「ぷっ」

「なにか面白い?自然のことだと思うけど、うん?」

「なんでもございません」

空笑いでごまかしていつもの位置に腰を下ろす。

「……で、なんでみんな押しかけてきたわけ。俺誕生日じゃないけど」

布団を畳みながら真実があくびを一つ。

「もちろんクリスマスだからさ、パーティしないとな!これお菓子。みんなで食べようぜ。んでもってあとからプレゼント交換しようぜ!」

気付けば机の上には買ったお菓子が広げられていていつでも食べる準備は整っていた。

なんたる早技……。

「流石朝弥。家に押し掛けるなら電話とかなにか前もってしといてくれよ頼むから」

「オレちゃんと電話したぞ?ま、真実は寝ぼけてたけどなー」

「最終的に部屋にまで上げたんだから諦めなよ。あ、そのお菓子僕食べたかったやつだから開けてよ」

「そうだけどさ、こっちにも用事とか……」

「茜、ジュース出してくれ」

聞く耳を持ってもらえないことがやっとわかったのか、真実はテレビをつけてからお菓子を適当に摘み始めた。

「ホワイトクリスマスになるのかな。寒さからしてもなりそうな気はするけどね。ならなければいいのに」

某巨大なクリスマスツリーのイルミネーションを見に来たカップルの数がどうだの、バラエティ番組の特番に誰が出演するだの、これといって興味をそそられる番組はなにもなく。

持参したお菓子も大半がなくなり、暇を持て余して眠気が襲いかかってきたころ。

「真実、ツリー飾っていいか」

脈絡もなく問題児はそう言い放った。

「いいよ、部屋出てすぐにトイレは……ってツリーって!俺んちにそんな木ねえよ!」

「いやあるね!オレは庭に松があるのを見た」

「木だろ、それ。飾り付けるためのものじゃねえから!」

「木は木だろ。よーし、由輝庭に案内してくれ」

「朝弥!」

なにをどう考えたら松の木をクリスマスツリーにしようと思いいたるんだ。

コイツの頭の中だけはわからん。切実に。

だけどたしかに買い物をしてるときにコソコソしてたし、その時からなにか企んでるとは思っていたけどこうなるとはな。

真実よ、ご愁傷様。諦めろ。実は俺もやってみたいんだよな、すこしだけ。

「さっびいな、ったく。朝弥ちゃっちゃとやって中に入るぞ」

「ラジャー!」

主に二人で飾り付けていくと縁側から茜の野次が飛ぶ。

「へったくそだね。一か所にそんなに固めてどうすんのさ」

だのなんだのご指摘を受けながらなんとか完成した。

「ほんとに勘弁してくれよ。枝折ってないよな」

「大丈夫だって。俺と由輝が保証するからさ」

自信作とまではいかないが力作だ。

すっかり真実はげんなりしているが、そこまでおちこんでいないようにも見える。

まあなんとかなるだろう。たぶん。

「あー!」

「げっ」

ひょっとしなくても、この声は。

ツリーを見上げていた四人の顔がゆっくりと後ろに回る。

「母さん……」

「おじゃましてます」

「いらっしゃい。そっちが朝弥君で、君は茜君ね。合ってるかしら?真実からよく話を聞いてるわ」

「母さん、あのさ」

二人が挨拶をして真実が申し訳なさそうに切り出そうとするが、それがうまくいくはずもなく。

「まあ派手にデコレーションしてくれちゃって。……なかなかいいじゃない。それにしてもみんなお揃いで鼻を真っ赤にさせて、どれだけ長い事外にいたの。さ、中に入って手を洗っておいで。いいものあるから」

咎められなかったことに胸を撫で下ろす真実をおいて朝弥は飄々と家の中に戻っていく。

皆がこたつに入ってかじかんだ手を温めているところにおばさんが何かを持って部屋に来た。

「今日クリスマスだからケーキ買ってきたの。といっても秋良くんが届けてくれたからなんだけど。ほんとにいい子ね、彼は。真実もあんな風になりなさいよ」

「ほっといてくれよ」

兄貴、いつの間に……。

「みんなで仲良く食べてね。じゃあごゆっくりどうぞ」

箱を開けてみるとケーキが5つ入っていた。兄貴め、カッコつけやがって。

「んじゃ、一個母さんに持って行ってくるから食べといて」

ケーキを食べ終わるとやることはなくなるわけで、気付けば皆こたつで雑魚寝していた。

問題児の鼾の五月蝿さに起きた俺は奴の気道を確保して鼾を止めてから再び眠りにおちた。

こうして今年のイヴは特にイベントがあるでもなくまったりと過ぎっていった。


――ツリーの片づけは俺たちが返ってすぐに真実が一人でやったのだそうだ。





なんか途中で息絶えた。

ネタが浮かばなかったのです、スランプBANZAI!!


次は緋絽さん。

よろしくおねがいします。

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