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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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ほんのり


秋雨です


恋愛シーン?が苦手です

バタバタと後夜祭の準備に勤しむ運動部員を眺めながらベンチに座ってボーっとする。

運動部員が通り過ぎるたびに半目で見られるけど気にしなーいっと。

はー、もう宝岳祭が終わるのかー。

なんか、あっという間だったよなー。

首にかけていたカメラの電源を入れて写真の確認をする。

げっ、この写真ブレてるし!

修正も無理そうだなー………。よし、削除。

あ、飛鳥が写ってるやつだ。

うん、いい笑顔。

「あ、あのっ、朝弥君っ……!」

「ぅわい!」

いきなり聞こえた飛鳥の声に驚いてカメラを落としかけた。

あ、っぶねー………。

「あ……、ご、ごめんね……っ」

「いやいや、謝ることねーよ」

悪いのはオレのほうだし。

「………隣、座っても…いい?」

「おうっ!」

横にずれて人一人が座れるスペースを空ける。

そこに控えめに飛鳥が座る。

………なんか、緊張するなぁ…。

「もう、宝岳祭も、終わり…だね……」

どこか寂しそうな飛鳥の声。

「いろんなことが、あったけど……楽しかった…なぁ……」

確かに、いろんなことがあった。

ほぼ全てこのカメラに収めてあるけど。

「なあ、飛鳥。写真、見るか?」

「えっ、いい…の?」

「もちろん!ほら」

準備期間の写真はメモリーが違うから残念ながらないけど、宝岳祭初日から今日までの写真ならある。

「あ、これ…朝弥君の、クラスの喫茶店のだ……」

「お、ホントだ」

真実と由輝と茜とオレとで写っている写真。

近くにいたやつに取ってもらったんだっけ。

あー、懐かしいなー。

他にも接客中の写真とか真実の変顔とか由輝のドヤ顔とか茜がこけてるやつとか……いろいろあった。

「宝岳祭がもっと続けばいいのにな」

「うん、そうだね……」

……なんか、しんみりしてねぇ?

「あ、そうだ!飛鳥、二人で写真撮らねぇ?」

「え、写真?」

「そう!二人で写ってる写真があんまりないからさ。嫌か?」

「ううんっ!嫌じゃ、ない……っ」

ブンブンと首を横に振る飛鳥。

その顔はほんのり赤い。

あー、やっぱ可愛いよなー。

「うっし、撮るぜー」

「あ、うんっ」

レンズをこっちに向けてシャッターを切る。

すぐに写真の確認。

ほんのり顔が赤い飛鳥と、同じように顔が赤いオレ。

って、顔が赤い!?

手の甲で口元を押さえる。

な、んか…恥ずかしっ……!

「あ、朝弥君?どうか、したの?」

「い、いや、なんでもねぇ」

顔を見られないようにそっぽを向く。

なんかまた顔が赤くなった気がする……!

「―――それでは!宝岳祭最後の後夜祭を開催したいと思います!!」

大音量のアナウンスが流れる。

おお、ナイスタイミング。

次いで軽快な音楽が流れ始めた。

「あーあ、ついにフィナーレかー」

「そうだね…」

「なあ、飛鳥」

「なに?」

すっと手のひらを上に向けて飛鳥に差し出す。

「オレと踊りませんか?」

「え、あっ…は、はいっ!」

差し出した手の上に飛鳥の手が重なる。

そのまま手をつないで、キャンプファイアの周りにでき始めた輪の中に入って行った。


踊る組


次はプー太さん!

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