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異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)  作者: 八神 凪
World2

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2-3 誤解からの和解


 あれ!? 盗賊っぽいのをあっという間にのしたぞあの子! ううむ、綾香やフィリアの例もあるし、女の子は強い……それはともかくとして――


 「どうして睨まれているんだ、俺は? おおーい! 大丈夫かー!」

 俺が手を振って声をかけ近づくと、女の子は声をあげて襲いかかってきた!?


 「出たな人さらい!」

 「どわ!? 人さらい!?」


 ドビュ! 鋭い拳が俺の顔面を捉えるが、伊達に最初の世界での戦いを潜り抜けたわけではない。それを難なく回避し一度距離を取る。まずは会話を試みなければ。


 「ストップ! ストップだ! あんた何か勘違いしていないか、俺は助けにきたんだ。無用だったみたいだけど」


 「……そう言っておいて、後ろの子達と一緒にどこかで売り捌くつもりね? そうはいかないわ」


 「後ろの子? ああ、あいつらは俺の連れだよ。てか、人さらいが……こんな皿を持って来るか?」


 「……」


 それでも訝しみ、いつでも踏み込めるようにする目の前の眼鏡っ子。髪はショートの茶色で、顔は綾香たちと違って可愛い系と言えるだろう。いきなり盗賊に襲われるような場所だ、警戒するのも無理はないと思い、俺は綾香たちを待つことにした。


 「オッケー、なら後ろから来ている子達に話を聞いてくれるか? 俺はここで肉を食っているから」

 俺が地面にドカッと座り、そう言うと、女の子は警戒は解かず黙ってうなずく。しばらくすると、綾香とフィリアががつがつと肉を食っている俺を見て困惑の声をあげた。


 「何してるのよ陽。っていうかその人は?」

 「もぐもぐ……いや、さっきここで何か襲われていたのが見えたから助けに来たんだが、怪しまれてな。とりあえずお前達が来るのを待ってたんだ。女の子同士の方が話が早いだろ?」

 

 ピクン! 

 

 「い、今、あなたなんて……」


 ん? 何か聞こえたか? と思っていたら、綾香とフィリアが女の子に話しかけていた。


 「ごめんね、ウチの陽が驚かせちゃったかしら?」ストーン


 「盗賊に襲われていたんですか?」ボイーン


 「そう。で、本当にあの人は大丈夫なの? そういう風に言えって脅されたりしていない?」


 「大丈夫よ! 宿で同室でも襲ってこないくらい安全な人だから!」

 「ですよ! チワワと同じですから!」

 「チワワ……?」


 好き勝手ディスってくる二人が憎い。本当にあいつら俺のこと好きなのだろうか……それはともかく、女の子は二人の話を聞いてようやく警戒を解いたようだ。


 「ふう……よく見れば身なりもいいし、奴隷とかじゃないね。私はチェイロ。あそこに見えるラクシネズの町へ向かっている医者です」


 「あ、そうなんだ! 私達もさっきここに来たばかりで右も左も分からないのよね。ご一緒してもいい? 私は綾香、よろしくね」ストーン

 

 「わたし、お料理の途中だったからお腹が空いちゃいました……フィリアです!」ボイーン

 

 「……よろしく」

 

 チラッとフィリアを見た後、真顔でギュッと綾香と握手をするチェイロにフィリアが握手を求めるが、それはスルーされた。


 「ええー!? どうしてですか!?」


 言ってやるなフィリアよ……綾香は……仲間なんだ……


 さて、俺も挨拶をしておこうか。


 「誤解が解けてなによりだよ。俺は陽だ、この二人と旅をしている」


 「は、はい! さっきはすみませんでした……」


 「ああ、いいって。女の子が知らない男に話しかけられたら確かに驚くかもしれないしなぁ、だからおあいこってことで!」


 俺がははは、と誤魔化し笑いをすると、チェイロは笑わずにじっと俺を見ていた。


 「……なんだ?」


 「い、いえ、よく私を『女の子』だと分かりましたね。む、胸とかないのに……」


 「んー、こういうと怒られそうだけど、胸が無くても雰囲気とかで分かるぞ? それより、町には急がなくていいのか?」


 何となく大きなカバンがあまりいい感じの匂いがしないので尋ねてみると、『あ!』っと小さく声を出してカバンを肩にかけて走り出した。


 「す、すみません! 急いでいるんでした! あの、申し訳ありませんが着いて来てください!」


 「へえ、速いわねあの子。追いかけるわよ!」


 「わたし走るのは苦手なんですけど……! あ、待ってください綾香さん!」


 「やれやれ、とりあえず誤解が解けて良かったな。そういや、いきなりこの世界に落とされたから"主人公”が誰なのかを聞いてないぞ……」

 

 すると黙っていたローラが声を出した。


 <マスター、ルア様から伝言です。『落ち着いたら通信よろ』とのこと>


 「ネット掲示板じゃないんだから……ま、了解したと返しておいてくれ。多分、すぐ宿にいけると思うし」


 <かしこまりました>


 「おっと、俺も追わないと! おーい、待ってくれー!」


 程なくして俺達は町へ到着する。


 が、基本的で重要で厄介なことが、俺達を待ち受けていた……

今月はもう一話きちんと投稿したいです……


いつも読んでいただきありがとうございます!


【後書き劇場MK2】


『あれ!? 私出てこなかった!?』


メインの作品じゃないくせにでかい顔したらダメよ……そういやハーレルどうなったんだろ……

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