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第16話 俺たちの旅は、終われない

 やあ皆!!俺の名前は佐藤博樹。どこにでもいる高校1年生、16歳さ!


 ある日、通っている高校から帰ろうとしていたら、足元に光る魔法陣のようなものが出てきて、光ったと思ったらこっちの世界にやって来てしまったんだ。


 いやー逃げる暇もなかったね!


 こういうのを俗に言う“異世界転移”・“異世界召喚”って言うのかな?

 ラノベとかでは当たり前の現象だったけど、まさか自分の身に起こるとは・・・。


 それで、目が慣れてくると俺は立派な宮殿の中にいたんだ。

 皆、


「おおッ!成功じゃぁ!!」

「これで・・・王国は救われた・・・」


だなんて言っていた。そして、玉座に座っていた普通の、平々凡々とした、サラリーマンのような顔をした王|(?)が


「おぉ・・・勇者殿・・・我が国・・・いえ、人類最後の国である我がラトベリア王国を魔王の手からどうか救ってくだされ!!」


と・・・土下座した。

 

 王様が言うには、ある日突然、魔族を治める魔王、というやべーやつが誕生して、あれよあれよという間に残る滅ぼされたらしい。残る人間の国はこのラトベリア王国のみという状況。


「なぜもっと早く勇者を召喚しなかったので?」

「勇者召喚は拉致の魔法。送還する魔法もなく、ただただに心苦しかったのだ。・・・だが!! もうこの国には、この世界には後がない。頼む勇者様、この世界をどうか、救ってくだされ」



 俺、実はこの時はなんでもないように立っていたけど、実は、嫌な予感がビンビンになっていて、あっ・・・終わったぁ・・・なんて言って膝をつけたい気持ちでいっぱいだったんだよなぁ。


 幸い、自分には異世界召喚モノ特有の、チートスキルの力のようなものは感じれたし、宝物庫から引っ張り出されてきた武器の中から聖剣が出てきたりと、ヒノキの棒で冒険に出発するなんてことはなく、装備やスキル関係には恵まれた。

 

 ・・・あと、自分の体の体質はこの世界の人達とはだいぶ違っているらしく、俺の認識で言うとレベルアップのように魔物を倒せば、ポンポンと身体能力なんかが上がっていくらしい。この体質のおかげで、元の地球じゃあまり強くはなかった自分も、昔アニメで見たような勇者スペックを持つことができた。


 やったぜ。


 その後は、この国では一番の威力を誇る攻撃魔法使いだが、自室に引きこもっていたこの国の姫であるエリューナ姫を引っ張り出し、神に祈るために聖堂に立てこもっていた聖女を、取り立て屋のような感じでドナドナと連れて行った。

 

 ガイウス卿?彼女は最初からやる気だったよ!

 ・・・ちょっと周りが落ち込んでいたけど。


ーー話を戻そう。

 そこからは早かった。


 まずは、国の中に入り込んできた魔物でレベル稼ぎをして、ついでに、魔族と通じていたギャング共を殲滅した。

 

 自分の足元を固めてからは、世界中の魔物を各個撃破し、都市を次々と解放していった。

ゴブリンエンペラー、オークエンペラー、オーガエンペラー、各色のドラゴン、エルダーリッチ、究極スライム、・・・全部は流石に覚えてないなぁ。


 最初に必殺技を使った時には威力の調整の仕方が分からなくて、山が一個地図から消えてしまったなぁ・・・。


 ともかく俺たちのパーティーは沢山の強力な魔物を討伐していった。


 そして、魔王の参謀と思われるエルダーリッチが冥土の土産だと言って教えてくれた魔王は


ーー虫の長だった


 いや、蟲の長の方がカッコイイかもしれない。


 ・・・ともかく、俺の必殺技の聖剣の一撃を喰らって真っ二つになった。なっていたはずなんだ。


◇ ◇ ◇ 


「報告します!魔王の死体処理に残した軍が全滅!並びに、魔王軍が復活した模様!」

「な、なんじゃとぉーッ!!魔王は討伐し、残党軍などほとんどいないはずであろう!?」


 王城での祝勝会を行なっている最中に駆け込んできた、汗だくの伝令兵。

 王様は目をカッと見開いて口をあんぐりと開けていた。

 貴族様方も驚いたようにザワザワとなっている。

 しかし、悪い知らせは続くもので・・・


「報告します!魔王軍の手の者により、東城壁都市テトランが壊滅いたしました!」


「アババババ!!」


 王様が続けて入ってきた知らせを聞いて、泡を吹いて倒れた。

 ご婦人も気を失って、何人か倒れてらっしゃる。


「都市が・・・ガガガ・・・か、カイ」


 二人目の伝令兵に異変が起こる。

 伝令兵はしばらくもがき苦しんでいたが、やがて白目をむき、口から線虫のようなものを出しながら言葉を紡いだ。


「カイ・・・メ『我の名は魔蟲皇サバニキス。我は復活し、この世界に今一度、宣戦布告する』」

「「「キャアァーーーッ!!」」」


 絹を引き裂くような悲鳴が会場のあちこちで上がる。しかし、そんなことに魔蟲王は反応せず淡々と宣言した。


『これより三日後の深夜、貴様らの支えたる勇者諸共、人類をこの世から消し去ってやろう』

「・・・」


 王様は気絶している!! 

 魔蟲王の言葉を伝えた線虫のようなものは、役目は終えたとばかりにくたくたと萎びていった。

 俺、魔蟲の長と戦った時は、長の姿が幼虫だったから、親が出てくるのかなーなんて考えていた。でも、まさか復活するとは・・・。


「嫌な予感ってこれのことかよ・・・」


もう一回くらい必殺技を打っておくべきだったかと俺は、後悔した。




 ーー後日


「『我の名は魔蟲皇サバニキス。我は復活し、この世界に今一度、宣戦布告する』、これが魔蟲王の忌まわしき言葉だ! この世に残る全ての人類、我が国民に告ぐ。皆、力を合わせ、再び立ち向かうのだ!!」


 徹底抗戦の王命が、都市全域に発令された。

 王は気絶した時の情けない姿ではなく、きちんとした威厳を纏い、宣言する。


「皆の者! これが本当の最後の戦ぞ!!」

「「「「「ウォオオオォォォ!!」」」」」


 なぜ魔蟲皇が復活したかや、また戦わなくてはいけないのかといった思いはあれど、民は皆一体となって雄叫びをあげた。


ちなみに、魔蟲王と魔蟲皇の表記揺れはわざとです。


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