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あのこ、だれ?
けど、今日はいつもと違っていた。
昼前からすでに、六人が山の入り口に集まっていた。
おれとカイはそれを、薪を拾いながら見てた。
「ちょうちょがみちびくあの里へ~♪ いそいで走って追いかけて~♪」
「ん?」
ききなれない唄を聴いた。
「カイ、あの唄、知ってるか?」
「んー? 知らね。ってか、あの子だれ?」
カイの視線の先には、ちびっこが六人。
さすがにどの子をさしているか分からないから、順に確認していく。
おれの弟のあきお。カイの妹のみお。となりのおっちゃんのところの冬馬と、その弟の夏彦。
あとの二人。春貴とみどり。
名前は分かるけど、どこのちびっこかは知らない。
「春貴とみどりのこと? どこの子なのかは知らないけど、見たことはあるよ?」
おれがそのまま答えると、カイはさらに不思議なことをいう。
「俺、知らないや。てかあの子、男の子? 女の子?」