↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/67

必中

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「待ってくれ! 四天王だと!? お前らみたいのが、あとふたりは居るってのか!?」


 世羅が大声を上げた。

 機械の裏に身を潜め、背中を預けるように座り込んでいる。

 額の傷を押さえてはいるが、血は止まらない。

 指の隙間から赤い雫が、ぽたぽたと足元に落ちていく。


「なんだぁ? ビビったんかぁ、お前?」


 スリング男が歩みを止める。

 世羅は物陰に隠れており、スリング男から姿は見えない。

 だが、おおよその位置は把握されている。

 男はそのあたりをニヤニヤと見つめた。


「さぁ……どうだかな! だが、四天王なんだろ? ひとりずつ順番に出てきてくれよ!」


 その声は、世羅のいつもの物静かな口調からは想像もつかないほど大きかった。

 だがそれは、あえてだった。次の一撃を撃たせないための牽制(けんせい)

 スリング男の注意を逸らし、隙を作ることが目的だった。

 その大声に紛れるこませるように、世羅はごくちいさな声で(つぶや)く。


「……ソフィア。あいつは何をした? エイムが的確すぎる」

『わからないわ……ただ、弾道が明らかにおかしい』


 ソフィアの操るドローンは、監視用モデルだ。

 常に動画を記録しており、その映像をソフィアが巻き戻して見返していた。

 そこで、弾の“異常な軌道”に気づいたのだ。


「おかしい? どういうことだ?」

『あなたに向かって“誘導”されてる』

「ミサイルみたいにか?」

『ええ、そうね。何の変哲もない、パチンコ玉なのは間違いないけれど』

異能(ドライブ)か?」

『おそらく――』


 バギィィイッ!


「いってぇっ! クソッ!」


 突然、腕に鋭い痛みが走った。

 世羅は苦悶(くもん)の声をあげる。

 額の傷をかばい、頭を押さえていたその手が盾のように、前に突き出されていた。

 飛来した一撃は、顔ではなくその腕に当たった。

 もしも、あの瞬間に手を上げていなければ、顔面に命中していただろう。

 世羅への射線は通っていないが、それでもスリング男は的確に“狙撃”してくる。


「おーい! ファントムぅ! ひとりごとかぁ? ヨユーあんなぁ、おまえ?」


 スリング男の声が、薄ら笑いを含んで響く。


『世羅くん、平気?』

「平気なわけがないだろうっ……! かなり痛い……!」


 痛みに顔をゆがめながら、世羅はなんとか返した。


『あなたの学習(ラーニング)で解析できないの?』

「……飛び道具は難しい」


 変異体とは、変異種(シード)と呼ばれるナノマシンを宿した人間のことだ。

 この変異種(シード)は、現代の科学でも正体がすべて解明されていない。

 宿主には、たかい身体能力や耐性、そして異能(ドライブ)と呼ばれる特殊能力をもたらす。


 ただし、変異体なら誰でも異能(ドライブ)を使えるわけではない。

 ある程度の才能と訓練が必要とされ、異能(ドライブ)を使いこなすことは、強者の証でもある。

 また、その能力の内容そのものも、生存と戦力に直結する重要な要素だ。


 世羅がもつ異能(ドライブ)はふたつ。

 ひとつは召喚(サモン)。これは後ほど説明する。

 そして、もうひとつが学習(ラーニング)だ。


 この学習(ラーニング)は、他者の異能(ドライブ)を“実際に体感”することで、自分のものとして取り込む能力である。

 だが、飛び道具系の能力は、接触時間が短いために解析が難しい。

 触れる機会が一瞬しかないからだ。

 そのため、“学習(ラーニング)”する難易度が非常に高い。


 それでも成功さえすれば、能力は完全に自分のものになる。

 実際に世羅は、衝撃破(ブラスター)加速(アクセラレーション)など、複数の能力をそうして習得してきた。


「おーい? 聞こえないのかぁ? やっぱり、なんかコソコソやってんなぁ? なら、もう一発……」


 スリング男の声色が変わる。

 世羅と彼との距離は三十メートルほど。詰め寄ってはこないが、離れもしない。

 ポケットからパチンコ玉を取り出し、スリングショットを構えた。

 次の攻撃を撃つつもりだ。その殺気を、世羅は敏感に察知する。


「まてまてっ! 慌てるなっ! 四天王だっていうんなら、名乗りくらいあげたらどうだっ!?」


 情けなくすらあるほどの大声だった。

 だが、見栄えなどどうでもいい。

 勝つために、すべきことをするだけだ。

 負けることは、恥をかくよりも愚かだと、世羅は信じている。

 そしてそれは、この変異島において“正論”だった。


「あ~~ん? 名乗りだぁ? 漫画じゃあるまいし、んなことするかよぉ?」


 スリング男がニヤニヤと笑う。

 世羅を嘲るその顔は愉悦に満ちていた。

 だが、構えたままだが、撃たずにいる。


「ソフィア。このまま出て行っても“いい標的(まと)”だ。いまの内に何か考えてくれっ……!」

『わかってるわ。でも、あの異能(ドライブ)の特性がわからないことには……』


 ソフィアとの会話は、小声で済ませる。

 スリング男に何かを企てていると、悟られたくないからだ。


「たくよ~だからよぉ? コソコソコソコソ隠れやがって。やっぱビビッてやがんなぁ?」

「そうかもな! ビビりのうえに、人見知りなんだ。しばらくそっとしておいてくれないか!」


 スリング男とのやりとりは、わざとらしいほどオーバーに声を張っていた。

 次の一手をひねり出すまでの時間を稼ぎ。世羅は茶番を演じている。


「はぁ? なぁ~に、言ってんのおまえぇ? てか、そんなビビんなって! 今日は俺とコイツ以外に四天王はいねーからよ?」


 そう言って、スリング男は隣のバット男を親指で指す。


(ふたり……? どういうことだ?)


 その発言に、世羅はちいさな引っかかりを覚えた。

 だが、深く考えている余裕はない。いまは時間稼ぎが優先される。

 話を繋ぐために、世羅は適当に相槌(あいづち)を打った。


「さぼりか?」

「ちげーよっ! そんなことしたらウチのボスにボコられちまうからよぉ……まぁ、別件でボスにボコボコにされてよぉ……残りふたりは病院送りなのよ。だから、こねーよ」


 聞かれてもいないことまで、ぺらぺらと喋り続けるスリング男。

 その横で、バット男が焦ったように声をあげた。


「おい。よけーなこと口にすんなよ……」


 わずかに苛立ちがにじむ。

 だがスリング男は気にも留めず、肩をすくめて返した。


「はぁ? 別によくね? ヨユーじゃん、こんな奴」


 ふたりのやりとりを、世羅は冷静に観察していた。


『世羅くん……あの子……』

「ああ……そうだな」


 ソフィアも、当然のように察していた。

 スリング男は世羅を完全に舐めきっている。

 油断と隙だらけだ。この手の相手に、駆け引きは必要ない。


「なぁ、おいっ、四天王っ! オマエは“異能(ドライブ)”しているのか? 動くにうごけないぞっ!」

「はぁ? 使ってるにきまってんだろっ! ……しゃーねぇなぁ? 隠す程のことじゃねーしなぁ? 俺の異能(ドライブ)誘導(ホーミング)弾だよ!」


 案の定、平気で答えてきた。

 舐めきっているうえに、ノリで調子に乗っているからだ。


「……おい! まじで余計なこというなってっ!」


 バット男が声を荒げて釘を刺す。苛立ちを隠しきれていない。


「だーいじょうぶだって、よゆーよゆー」


 笑いながら肩をすくめ、ヘラヘラと応じる。

 スリング男は緊張感のかけらもなかった。


「俺はロックオンした相手への狙いは外さねーの! “必中”だからよぉ!」


 地面に唾を吐き、堂々と“イキる”。その姿は滑稽だ。

 だが異能(ドライブ)を扱えるということは、喧嘩が強いということでもある。

 四天王という立場は、頂点(てっぺん)ではないにせよ、雑魚でもない。

 その自信からくる態度なのだろう。


「ロックオン……? つまりいまは私をロックオンしてるってことか!?」


 世羅はわざとらしく、大袈裟(おおげさ)に聞き返した。

 その声には、“探り”の意図が込められている。


「そうだよぉ? ファントムぅ……オマエをロックオンしてるぞぉ」


 スリング男は、にやけた顔で即答する。


「そうか……」


 世羅は短く返し、ひとつ息を吐いた。


「ソフィア……!」


 その合図と同時に、複数のドローンが一斉に飛び出す。

 物陰の隙間から滑るように現れるもの。

 天井付近から急降下してくるもの。

 元からそこに潜んでいたのか、それとも集まってきたのか。

 死角から次々と姿を現し、低く(うな)るような駆動音を残しながら、スリング男へと殺到していく。


 警告も猶予もない。

 ただ、襲いかかるのみ。


最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。