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アルバゴーン王国の王城内の国王執務室でセレスタさんが遠征の報告をしているのを俺は眺めていた。
「この報告書に書かれている事が真実であるならば周辺国が黙っておらんだろうな・・・特に中央の教会は知り次第特使を送って来る筈だ」
一通り報告書を読み終えた国王が顔を上げてセレスタさんに話し掛け―――
「私もそう思います。本人は否定しておりましたがあれはどう見ても闘神様でした。無論兵士達には口外無用を厳命致しましたが・・・・・」
セレスタさんが国王に返答した。周辺国と教会が黙って無いか・・・・・
「人の口に戸は立てられんか・・・五千人からの目撃者を監視する事は不可能だ。近い内に国中に、そして他国にも知れるであろう。それは仕方が無い事だが、あ奴は?フォスターは如何しておる?」
俺、闘神じゃないんだけど・・・やっぱり周知されちゃいそうだよなぁ・・・・・
「その・・・敗戦以上にお嬢様の事が堪えたようで・・・自宅にて静養中で御座います」
「あ奴にはその件で私からも謝罪をしなくてはならんのだ。勘当したとは言え愚息の仕出かした事であるからな」
「その・・・閣下は表には出しておりませんでしたがお嬢様の事を溺愛しておりましたので、当分は自宅から出られないかと・・・・・」
叫び声を上げて昏倒したもんな。脳の血管切れたんじゃないかって思ったよ。でも、俺のせいにするのは止めて欲しいかな?力は貸したけど、本人達の意思で出て行くって決めたんだし。
「解っておる。本人はあれで隠しておったようだが、気が付いていなかったのはロザンナ本人位であろうよ・・・私が出向ければよかったのだが、フェリシアも落ち込んでしまってなぁ・・・娘が出来る事を楽しみにしていた様なのだ」
「お、王妃様が?!あ、いえ・・・それはまた何とも・・・・・」
「よい。フェリシアも私と結婚した事で無理をさせてしまっていた。若い頃は感情豊かな可愛らしい令嬢だったのだが・・・国母となってから肩肘を張ってしまってなぁ・・・・・いや、聞かなかった事にしてくれ、報告ご苦労であったな、セレスタ」
「ハッ!では失礼します!」
色々面白い話が聞けたな。でも、セレスタさんにはもうちょっと付き合って貰おうかな。
『『『『『声だけにて失礼する。アルバゴーン王国国王ロドリゲスよ』』』』』
「何者だ!!隠れてないで出て来い!!」
俺が国王に声を掛けると、国王の後ろに控えていた近衛達が剣に手を掛け周囲を窺いつつ誰何の声を掛けてきた。けど、普通に考えたら出て来いって言われて出て行く奴は居ないよね?襲われるの解ってんだし。
「よい。魔王だな?報告通り既に我等の命は其方の手の中と言う訳か・・・・・」
国王が殺気立つ近衛達を右手を軽く上げて制した。どうやら俺と話してくれるらしい。
『『『『『ご配慮感謝します。報告書の内容は解らないが、こちらの要求は言わなくても解っているでしょう?』』』』』
「独立を認めろ、か?拒否した場合は?」
『『『『『拒否出来るとでも?現在の状況を正確に把握出来ているのならば否とは言えない筈だ』』』』』
「で、あるな・・・我とてまだ死にたくはない。それにだ・・・其方が否定しようとも闘神の姿を表に現した事が知れれば教会が黙っておらん。そこでだ、同盟を結ばぬか?我が国内に国土を持つ事となる其方ならこの意味が解る筈だ」
『『『『『俺を闘神として担ぎ上げると言うなら断る』』』』』
教会がどれ程の影響力を持っているのか知らないが、俺を盾に教会に対抗しようと言うならお断りだ。勿論同盟国として自由に貿易が出来るなら有難いと言うか、喉から手が出る程に欲しいけど。
「我は新しく宗教なんぞを立ち上げるつもりは無い。逆に其方を担ぎ上げて影響力を増そうとする連中の相手をして貰いたいだけだ」
なんだ?それだけ?使者がうちに来るのに国内を通るから相手したくないだけか?え、もしかしてそんなにうざい奴等だとか?
『『『『『返答の前に周辺国と教会の事を詳しく聞きたい。説明を頼めるか?』』』』』
「よかろう。誰か地図を用意してくれ」
「ハッ!直ちに!!」
知らなきゃ話にならない。と言うか、また面倒な事になるだろうと説明を求めた。既に手遅れな気もするけど・・・・・
ここまで読んで頂き有難う御座います。




