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知らないと言う事が色々トラブルを呼ぶ事は多々ある訳で、転生して直ぐにザイツェンさんとトラブルを起こした経験が全く生きて無かった事に頭を抱えるはめにになるとは思いもよらなかった。
冬の間中アルバゴーン王都を歩き回って一度は関連施設にも足を運んだと言うのに観光気分で只眺めて出て行ってしまった事に後悔した。あの時関係者に説明を聞くとかしていれば、と。
「闘神様だ・・・闘神様が降臨なされた・・・・・」
「女神様の守護神様が何故・・・俺達は間違っていたのか?・・・・・」
「何故闘神様が人族では無く魔族側に・・・・・」
まぁなんだ、王国軍の兵士達の話から察するに今のこの俺の格好が光の女神の守護者の闘神とやらと同じらしい。仕方ないじゃん、宗教とか興味ないし。
あれ?もしかして遥か昔に実在した人物がモデルの宗教なのか?俺みたいに特殊なスキルでレベルカンストした人が居て、その人が光の女神のモデルになった王女とか聖女とかを国ごと護ってたとかそんな感じか?
「・・・・・何故だ・・・何故闘神様が魔王に・・・・・女神様は私を祝福してくれたのではなかったのか・・・何故だ・・・・・」
「フォスター?」
「・・・認めん・・・私は認めんぞ!魔王!!貴様の事だ、それも何か絡繰りが有るのだろう!!神をも冒涜するその所業!この私が女神に変わって成敗してくれる!!」
俯いて何やらブツブツと溢していたフォスターが突然頭を上げて叫び出し、狂ったように剣を振るって来た。
けど、遅いな。レベルがカンストして身体能力の上がった俺にはフォスターの動きも、飛んでくる奴のスキルもはっきり見える程遅く感じた。あれ程苦戦させられたと言うのに何の脅威も感じない・・・直撃を喰らっても問題なさそうだ。
「ほい、ほい、ほいっと。一応聞き直すけど、続きをするって事で良いんだよな?」
「なっ!何故・・・何故だ!何故だああぁぁぁ!!」
飛んできた青白い光を左手で軽く払って打ち消して、もう一度フォスターに問い掛けたが答えの代わりに叫び声とスキルを放ってきた。
奴のスキルを左手で軽く払いながら一歩ずつ近寄って行った。勝てない事は理解してても収まりが付かない、納得がいかないんだろうな。
「閣下!もうお止め下さい!!奴には本物の―――」
「言うなセレスタ!!だとすれば私は神に刃を向けた背信者となる!それだけは認められんのだ!!」
「・・・下らねぇ・・・本っ当に下らねぇ・・・子供みたいに癇癪起こしやがって!一辺頭冷やして出直して来い!!」
「グハッ!」
暴れるフォスターに一気に近寄って右腕を軽く振るって横っ面を張り飛ばした。フォスターは真横に吹き飛んだ後、5m程地面の上を滑って気を失った。
「「「「「閣下あああぁぁぁぁ!!」」」」」
王国軍の悲痛な叫びが戦場となった平原に響き渡る。俺はフォスターの襟首を掴んで王国軍の所まで引き摺って行った。
「殺しちゃいないから暫くしたら目も覚めるだろ。取り合えず決着って事で良いか?ああ、俺は闘神とかじゃないから普通にしてくれて構わないぞ」
「え・・・あ、ああ・・・我々の負けを認めよう」
「元より我々が叶う相手では無かったと言う事か・・・ヘルガ様が仰っていた『怒らせるな』とはこう言う事かと身に染みたよ・・・・・」
セレスタさんとケベックさんにフォスターを引き渡した。後は―――
「あ、色々壊しちゃって済まなかった。本当にあそこまでの威力だと思ってなかったんだ。必ず弁償するから今はこれで許してくれ」
「これは?」
「菓子か?」
二人に十個ずつ乾パンの俺を手渡した。良かった、出した俺まで金ピカだったら如何しようかと思ったよ。
「それ一つ一つから幾らでも食料が出るから道中の食料の心配はいらないよ。それと、後で荷車とか毛布を出来るだけ持って来る。まぁ、うちはまだ出来たばかりの貧乏な国なんで期待されても困るけど」
「いや、敗者である我々が生かして貰っていると言う事は重々承知している。食料の供給だけでも十分過ぎる位だ」
「そうか・・・まぁ後でまた来るよ。セシリア、帰ろう。皆が心配してる」
「うん!」
「それじゃ、また後で・・・シフト!」
セレスタさんとケベックさんに軽く手を上げて別れの挨拶をしてから転移スキルを使ってセシリアとゼルゲルへと帰った。
こうして俺達はアルバゴーン王国に勝利し独立を勝ち取った訳だけど、問題は山積みな訳で・・・更には周辺諸国が絡んで来る事になったりと、次から次へと厄介事が舞い込んで来てブラック企業さながらの激務に追われる事になるのだった。
まぁ、仕事が増えた分俺を増やせば良いだけなんだけどね。
ここまで読んで頂き有難う御座います。
ここで一区切りとなるので暫くお休みを頂いた後に続きを投稿する予定となっております。
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