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 睡眠不足で半分閉じた目をした兵士達が朝食を摂り終えて装備を身に着け整列した。


「これより進軍を開始する!国のため、民のため!そして、道中の恨みを存分に晴らすのだ!!」


「「「「「おおおおぉぉぉぉぉ!!」」」」」


 う~ん、やる気満々ですなぁ・・・嫌がらせは逆効果だったかな?


「重装兵前へ!!進軍開始!!」


 大盾を持ったフルアーマーの兵士達を最前列に王国軍が前進を開始した。ファランクスだっけ?まぁ何にしても止めないとな。


「そこまでだ!!それ以上の進軍を俺は認めない!!そこは私有地だ!早々に立ち去れ!!」


 門の上から顔を出して取り合えず静止の声を掛けると、フォスター将軍がそれに答えた。


「出たな魔王!!ふざけるな!ここはアルバゴーン王国の国土だ!!貴様の私有地では無い!!」


「い~や、間違ってないね。王国法では開墾し、建造物を建てた土地の所有権を認めている筈だ。即ち!お前達が勝手に設営した陣地を含めた森の手前からこちら側全てが俺個人の土地となる!!お前達は王国法を犯した不法侵入者だ!!今直ぐに出て行けば交渉に応じてやる!でなければお前達は侵略者、犯罪者として扱わせて貰う事になるぞ!!」


 一方的に悪役にされないための秘策だ。これで引いてくれるとは思っちゃいないけどね。


「フッ・・・多少は勉強してきたようだが、それは申請をして許可が出ればの話だ!!」


「そうだな、それ位の事は承知している。だが、申請したとして通るのか?通す気なんて端から無いんだろう?お前達貴族や役人は何時だって一方的に押し付けるだけだ!だから俺はここに宣言する!!本日この時を持って我々は封建制を捨て、立憲君主制『ベアリュール王国』としてアルバゴーン王国より独立する!!」


「なっ!ど、独立宣言だと・・・貴様!本気か!!」


「ロイドの町と鉱山都市改め首都『ゼルゲル』の全ての住人の総意だ。正式な書類は現在作成中のため後日送らせて貰う。勿論周辺諸国にもだ」


 旧エステラン領で受けた扱いが不当だと言うのが主な理由で独立する宣言文書を作成中だ。これが他国で認められればアルバゴーン王国にとってはかなりの痛手となる筈だ。


 国名はセシリアの苗字で、首都名はセシリアの父親の名前から取った。この提案に対して誰一人として反対する国民は居なかったのは嬉しかった。


「さて、これで正式にお前達は侵略者と言う事になった訳だが・・・如何する?フォスター将軍。もう一つ帰りたくなる情報を教えてやる。今現在お前達が包囲されている事は昨夜の事で理解していると思うが、王都内、勿論城内も同じ状況になっている。と言ったら如何だ?」


「なっ!王城内に潜伏しているだと・・・閣下、我々は如何すれば・・・・・」


 俺の発言に兵士達は狼狽え、どよめきが起こった。さて、フォスターさんはどう出る?


「・・・クックックッ・・・ハハハハハ!だから如何したと言うのだ!それが真実だとしても我等に知る術などない!要は貴様を倒し!ロイドを奪還した後に全てを握り潰せば良いだけの事ではないか!!総員狼狽えるな!!我等は任務を遂行すれば良いだけだ!!」


「そう来たか・・・これでお前達に正義は無い!規模が大きなただの盗賊だ!!俺はお前達から自分と仲間達の生命と財産を守るために戦わせて貰う!!犠牲者が出ても知らんぞ!全て貴様の責任だフォスター!!」


「姑息な真似を続けてきた貴様が正義を語るな!!正義とは勝者が創る物と知れ!!総員前進!奴の首を陛下への土産にするのだ!!」


「「「「「おおおぉぉぉぉ・・・・・・!!」」」」」


 フォスター将軍を中心に五千の兵が進軍を再開した。


 こうして俺達の国、ベアリュール王国建国史に残る最初の一ページ『独立一日戦争』が幕を開けた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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