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俺達が喫茶カレンに着いた時、そこにはヘルガさんを一目見ようと駆け付けた野次馬でごった返していた。
「おぉ・・・あのお方が生きながらにして伝説となったヘルガ様か・・・・・」
「お美しい・・・一閃流歴代最強と名高いお方には見えんな・・・・・」
「ああ・・・でもヘルガ様が居られるから周辺国も襲って来ないって聞いたぞ」
「武の神に愛されたお方と言われる訳だ・・・・・」
なんか色々聞こえて来たけど通してくれないかな~。その最強さんと待ち合わせなんだよ。
「すみませ~ん!ちょっと通して・・・おい、ヤンク!逃げんな!」
「か、勘弁して下さい・・・こんな人込みの中に入って行く勇気なんてありませんよ・・・・・」
「申し訳ありませんが、ちょっと通して頂けますか?この店で待ち合わせなので」
「あん?見て解らねぇのか?今、ヘルガ様がいらしてんだ、貸し切りに決まってんだろ」
「いや、そのヘルガ様との待ち合わせなんですよ。余りお待たせする訳にはいかないじゃないですか」
逃げようとするヤンクさんの首根っこを掴んで野次馬達の中を抜けようと声を掛けた。
「ま、待ち合わせ・・・・・おい!お前等!道を開けろ!!ヘルガ様の関係者だ!!」
「なにぃ!!おい!お前等早く退け!!」
ざわめく野次馬達が一斉に横にずれて店の入り口前に人垣の道が出来上がった。
「あ、ああ・・・有難う御座います?」
「・・・・・あいつら終わったな・・・・・」
「ああ・・・ヘルガ様をお待たせするなんて命知らずにも程がある・・・・・」
なんか不吉な囁きが聞こえる中、ヤンクさんを引き摺るようにロレンツと店内に入ったら。
「お久しぶりです、ブレッド様。噂を聞く限り、隣の男も少しは真面になったようで何よりです」
「お久しぶりです、ヘルガさん。この店を守って頂き有難う御座います」
「いやはや相変わらず手厳しいですな、ヘルガ様」
俺とロレンツがヘルガさんと挨拶を交わすと野次馬達にどよめきが起こった。
「密談をするには、周りが少々騒がしいですね。オスカー」
「はい、奥様。この店は暫く貸し切りだ!ヘルガ様がお帰りになられるまで近づく事は許さん!!早々に立ち去るが良い!!」
「は、はい!申し訳ありませんでした!!」
「お、おい!お前等、解散だ!!」
「し、失礼しました!!」
オスカーさんの殺気の混じった声に蜘蛛の子を散らすように逃げて行く野次馬達。
「静かになったようですし、そちらの方を紹介して頂けますか?ブレッド様」
「あ、ああ、この人は王都で俺とって言うか、ロレンツと取り引きをしているヤンクさんって言います」
「はっ!初めまして!ヤンクと申しまひゅ・・・・・」
「・・・クスクスクス・・・あらあら、そんなに緊張なさらなくても良いのよ。貴方もブレッド様の協力者なのでしょう?でしたら私達は仲間ですから、楽にして頂いて構いませんよ。その男と違って真っ当な生き方をされているのでしたら何も問題有りません」
「楽にと言われましても・・・そ、そう言う訳には・・・・・」
「王都だと噂が大きくなり過ぎていてその反応も仕方ないですけど。先ずは座ってお茶でも飲みながらお話を聞きましょうか、ブレッド様」
「うん、まぁ、その話も粗方片付いちゃったんだけどね・・・・・」
で、事の経緯をリゼル母娘がびくびくしながら出したお茶を飲みながら話した訳だが。
「・・・・・成程ねぇ・・・そんな事よりもお茶が今一だわ。これではブレッド様の御菓子の魅力が半減じゃない。護衛も兼ねてうちの弟子を数人派遣します。お二人にはきっちり学んで頂きます」
「「は、はい!!」」
そんな事って、貴族の家が潰されるんだよね?組んでた商会もだよね?下手したら人死にが出るかもしれないのに軽過ぎなんじゃないかなぁ~。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




