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何だろう・・・普通お茶会って言うと華やかなイメージを思い浮かべると思うんだ。じゃあこれは何だと聞かれたら『お通夜』とか『反省会』とか残念なイメージしか沸かない状況だ。
華美な装飾の部屋に華やかな衣装の女性とメイド達。そこだけ切り取ると確かに『お茶会』なんだけど・・・挨拶以降一切会話が無い・・・王妃さんは冷めた目でお茶飲んでてクッキーの俺には一切手を付けてないし、お嬢さんに至ってはずっと俯いたままでお茶すら飲んでない。何で?って言うか何しに来たのよこの子。
「・・・・・あなたは何時もそうね・・・私が苦手なのは存じていますが、義理とは言え私の娘になると言う事が如何言う事か解っている筈です。フォスター様がこの場を設けた意味は理解していますか?春の遠征で自分に万が一の事が有った時に貴方を心配しての事なのですよ。私を好きになる必要は有りません。せめてフォスター様の不安を取り除く努力をしなさいな」
「・・・はい・・・申し訳ありません・・・・・」
ふぅ~ん、王妃の娘にって事は王子さんと結婚するって事か。何人王子が居るのかは知らんけど。
しっかし、やっと口を開いたと思えばこれだ。自分からは歩み寄る気が全く感じられない話し方がTHE王族って感じでムカつくよな。
「ランスロットが貴方の何処を気に入ったのかは知りませんが、あの子経っての望みですから私に異存は有りませんが、行く行くはこの国を背負うあの子の妻となり国母となるのですから感情に振り回されてはなりません。王妃とは王を支え、国を次代に繋げる存在なのですから」
「はい・・・・・」
うちの王妃と言うか女王様は連日本能の赴くままに暮らしてますがいけませんかね?今は村の子供達と雪合戦してますが?
結局碌な会話の無いままお嬢さんは帰って行った。俺は手を付けられる事も無く、箱に入れられたまま何処かに運ばれて仕舞われた。
王子様に見初められてって、女の子の夢なんじゃないの?結婚自体にも乗り気じゃないみたいだし、他に好きな人でも居るのかね?
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数日振りに雪が止んだその日。スラムの奥にある名も無き商会の前に一台の馬車が出発するその時を待っていた。
「それじゃここは任せたぞ、キース」
「おう、俺等もタダ飯食ってばかりもいられねぇからな。配達位しっかりやるから任せとけ」
残る者への指示を終え、主を乗せた馬車が走り出し、雲の切れ間から差し込んだ光に照らされた。それはまるで天が彼を祝福するかのように。
「クックックッ・・・この俺がこの街を出る事になるとはな・・・・・これ程に気が高ぶるのは何時以来か・・・・・ハハハハハ!!」
向かうは王都、目指すは頂き。王都の経済を揺るがす戦いが今始まる!!
な~んてな。将軍さんには待ってるとか言ったけど、別方面から先手を打たせて貰うぜ。
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「おい!皆見てみろ!!壁だ!国境の壁が見えて来たぞ!!」
「おお・・・あ、あれが俺達を護る壁・・・・・」
「凄げぇ・・・あの先が『飽食の王』の創る俺達の国か・・・・・」
「すご~い・・・おかあさん、どこまでつづいてるのかな?」
「本当、何処まで続いているのかしら・・・ブレッド様、厳しい冬の最中に私達のために有難う御座います」
「ここまで来ればもう着いたも同然だ!!後少し我慢すればロイドに着く!全員気合い入れて行くぞ!!」
「「「「「おおおぉぉぉぉ!!」」」」」
晴れとまでは行かなくとも雪雲が切れて日が差してくれて良かった。お陰で俺の作った壁と堀が見渡せる。領都へ向かった時に無かった物が帰りに出来ていてさぞ驚いた事だろう。それが自分達のために作られた物なら尚更だ。
人が、馬車が堀に掛けられた橋を渡る。ここから先は魔王の、魔族の支配領域だと知っていても誰一人として顔を曇らせる者は居ない。自分達も魔族と同じ国の国民になるのだと誇らしげな笑顔を見せて防壁に設けられた門を潜って行った。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




