悩める子羊(王様)
あれ?前回の投稿からもう3週間たったの?てっきり2週間だと思ったよてへ(・ω<)!
すみません。普通に週感覚狂ってました。
マルメア王国で一番人気のあるミルランドサーカス団。数々の観客を熱狂の波に乗せ、貴族たちのパトロンが多いこのサーカス団の座長ドレイク。彼は奇跡を起こす貴公子などと呼ばれている。誰にでも優しく人望溢れ、清廉潔白をそのまま体現して人間であろう。
しかし、悪徳貴族や裏社会の人間たちは口を揃えて彼の事をこう呼ぶ、『アロガンツァ』と。彼はこの国の裏社会を纏めているボスだ。ミルランドサーカス団も同じく裏の顔がある。この世のすべての悪が集いし場所と。
この世の悪が集いし場所とは一体何なのか、それは王国の法律では禁じられている非合法の品々を売買することのできるオークション会場だ。『買えないものはない』それがこのオークション会場のモットーである。それがたとえ人の命であっても。
実際、世の中に横行している不審死の原因は9割9分この会場での取引が原因だろう。清廉潔白で悪徳貴族から目の敵にされてる貴族が謎の不審死や病死になるのもここがあるからなのだ。
そして、一番の目玉商品は奴隷である。この国は奴隷を所持していると即死刑という厳罰な法律を採用している。バレればお察しの通りだろう。
「ドレイク氏、本日のオークションの準備が終わりましたぞ。」
「そうか、ではいつも通りに頼む。」
「しかしドレイク氏、いいのですか?ガブリエル伯爵家のメイド達が俺たちの太客を色々と嗅ぎまわってるようですぞ」
「いい、放っておけランジャ。どうせ嗅ぎつけたところで何もできない。」
ドレイクはうっとうしそうに右腕であるランジャの意見を一蹴した。
「そうですな、なんて言ったって王家ですら嗅ぎつけれない闇ですからな。」
「小蠅が一匹増えたところで何も変わらん。」
「ですな、我々の隠蔽が破られるなんてありえませんな。」
ランジャの喋りはかの論者のような喋りだ。正直実生活でこの会話されたらムカつくだろう。その証拠に
「というかロジカル語法で喋るのやめろ!鬱陶しい。」
「分かりましたぞwww」
「直せよバカ!」
ドレイクの会話サイクルは、ランジャのヤーバーヒートによって破壊された。
--------------------------------------------
同時刻、王城の執務室にて奇しくも同じ話題について密談されていた。
「セグロイ、例の市場に忍ばせている間者はどうなっている?」
「はっ、陛下。芳しくない、というのが正しいでしょうな。今回の市場の場所はまだ特定できてないようです。」
「全く困ったもんだな、ころころと場所を変える所為で、堂々と王国の法を破る者たちを捕らえることもできないなんて…」
「仮に見つけられたとしてあのアロガンツァがいるからな。手を出しようにもないのだが、せめて妨害ぐらいせんとな。」
ハァと吐くため息が重なる。普段の激務が応えている証だろう。二人とも生気を失った目で王城から見える市街を眺めていた。
「しかし、どうしたものか…あ奴との戦いはわしの代で終わりにしたいのだがな。どうも相手の方が一枚…いや三枚ぐらい上手だろうか。王家の記録では200年近く奴が生きていることになっているぞ。おかしいんじゃないの?人の寿命ってそんなに長くないよ?どうせ次代に移り変わっているでしょうけど脅威度は全く変わってないなんて…もうやだ。疲れた。早く隠居したい。バカ息子にさっさと家督譲りたい。」
「…陛下、大丈夫ですよ。次代は明るいと思いますよ。ほら、リリー殿下にガブリエル伯爵令嬢、ヘンダーソン男爵の三男など結構粒ぞろいですぞ。」
「そのガブリエル伯爵令嬢も問題なのだがな。なに?皇女って?わし知らない。しかも二人いるんだよ?もうどうしろってんだ、問題が問題を呼んでくるじゃん。わしそこまで内政上手くないし、王になると掲げた目標すら解決できてないへっぽこよ?こんな王に誰が付いてくるというのさ。あ~も~やだやだ。」
どうしたものかとセグロイは唸る。王がこの駄々っ子モードに入ると仕事が進まなくなる。如何にこの王のやる気を取り戻させるのかが大変か、それは側近をやった者しか分からないことである。
「そういえば、王に報告したいことがございます。そのガブリエル伯爵家ですがどうも間者として潜入捜査をしている息子の事を嗅ぎまわっているそうです。」
「ん?もっかい言って。ちょっと話の意味を理解できないだけど…」
「ですから、うちの息子の事を色々と嗅ぎまわっているそうです。」
「…え?これもしかして我々の完璧ではない計画をグチャグチャにされちゃう?わしの忠臣であるアヤッシイナ家の自爆特攻であいつ等のしっぽを掴めてきたのに?どうすんのよこれぇ」
カズトールは頭を抱えていた。それもその筈、この作戦はカズトールの忠臣であるアヤッシイナ家が考案した自爆特攻である。その名も闇深い組織を潰すためには、自分たちも闇に扮して仲間の振りして突っ込んで自爆すればよくね?作戦だ。正直言って無謀。バレれば地位を失いかねないこの作戦に価値はない。
なぜ、アヤッシイナ家がこのような作戦を実行したかは、ひとえに行き過ぎた王族への忠誠心故の行動だ。自己犠牲をいとわないこの行動理念はアヤッシイナ家初代当主の家訓である「自分たちの犠牲だけで王国の役に立てるなら喜んでこの家を捧げよ」が原因だ。
子供の頃からこの英才教育によって出来上がるのは忠誠心マックスの自己犠牲のいとわないヤベー奴が出来上がるのだ!頭おかしすぎでしょ
「それと」
「まだあるの!?」
「うちの息子もなにやら企んでるようでボソッと『皇女…上手く利用できるな…』なんて独り言言ってましたぞ。」
「やめてぇー!セグロイの息子結構優秀だったよね?人前で道化やってれれるぐらい頭おかしいから本気出したら余計めんどくさくなっちゃう~!」
王の悲痛の叫びは最早お約束だろう。この人ほんとにこんなんで国治めてたの?一応カズトール王とクインス王妃の過去話を外伝として考えているのだけど…どうしよこれ…
今回でてきたランジャとセグロイの名前の由来はこれを書き始める前にようつべで見てた役割論理の動画の所為です。論者とセグレイブ…そういえばセグレイブ使ったことないな。




