髪切りに行きます
髪切りに行きます
今日は土曜日なので当然学校は無い
まぁ、部活がある人はあるけどおれは、帰宅部なので無いのだ。
「はぁ。今日は休みだけど、やることないな」
いつもの休みは、茜の買い物や、茜の家に半ば無理矢理つれていかれたりしていたので、久しぶりに自分の自由な休みで何をすればいいのか忘れてしまった。
(それにしても、茜との過去を思い出すとなかなかにひどいな。買い物とか行くと、
『遅い!』
『え、まだ5分前だけど?』
『だから、それが遅いの!私より20分は前に来て、私を待ってなさいよ!私を1秒でもまたせないでよ!
あんたと違って私は忙しいの!』
とか言って、理不尽を言われてそれからの買い物は、俺が20分以上早く行って待つってことが恒例行事だったなぁ。)
なんて思っていると、そういえば。と思い出した
「そうだ!俺は、もう茜に支配されてないんだ!
ってことは好きなことをしよう。
じゃあ、まずは、この長い前髪を切りに行こ。」
そうなのだ。俺の前髪は、目が完全に隠れていて、鼻の下辺りまである。それは、何故か?
当然のように茜に言われたからだ。
あれは、確かまだ、小学校2〜3年生の時だったか?
茜がまだしょーちゃんと、呼んでいた時だった。
その時にこう言われたのだ。
『ねぇ、しょーちゃん。しょーちゃんってさ、
もっと前髪で顔を隠した方がいいよ』
『え、なんで?』
『そんなんじゃ、みんな寄って来なくて、ひとりぼっちになるから!』
『で、でもさ、前髪で顔を隠すとさ、前見えないよ?』
『いいのよ!わたしが言ったことに従ってれば!
いい!とにかく、これから前髪を伸ばしてよ!』
『わ、わかったよ』
『ほんとに、最初からそれでいいのよ!ほんとにグズなんだから!』
と、昔から今とあまり変わらない感じで言われた。
まぁそうと決まれば、さっさと行こっと。
☆ ☆☆
それから、スマホのアプリで調べたところに行ってみることにした。
(はぁ、緊張するなぁ。こんな美容院行くのなんて、初めてだからな。)
と、緊張しながら予約した美容院に向かった。
そして、ようやく到着したので入ってみる
「カランカラン」
という音が聞こえて受付にいる美容師さんに話しかけた
「すいません、あの今日予約していた本宮 翔 というんですけど」
と言うと、受付の美容師さんが、
「はい、本宮様ですね。わかりました。こちらにどうぞ」
と、言って席に案内してくれた。
それから少しして、担当の美容師さんが来た。
「こんにちは!はじめまして、今日担当する江川 綾と言います。よろしくね!」
と、綾さんが言ったので俺も返事を返した
「あ、よろしくお願いします。俺、こんな感じの美容院来るの初めてでどうしたらいいかわからないんですけど、どうすればいいですか?」
と聞くと、綾さんは明るく答えてくれた
「あっそうなんだ!
それじゃぁ、お任せにする?私がちゃんとカッコ良くしちゃうよー!」
「わかりました。じゃあそれでお願いします!」
そう答えて、綾さんが髪を切りはじめた
そして切り終わると、綾さんが唖然としていた。
「うん?どうしたんですか?」
「いや、翔くん。これは、想像以上だわ」
何がだと思って鏡を見ると、そこには見たことないくらいのイケメンがいた
「へ、これが俺?」
まるで、自分じゃないようだった。
いつも前髪で前が隠れていたし、自分でもあまり鏡は見ないようにしていたの(茜に色々言われて見たくなかったから)で、自分も唖然としていると、周りのお客さんたちが何やらヒソヒソと、話をしていることに気づいた。
「ねぇねぇ、あの人めちゃくちゃカッコ良くない?」
「うん。めちゃくちゃカッコいい」
「どこかのモデルさんかなぁ?」
「いやモデルよりカッコいいでしょ」
とかなんとか話していた
(いや、それはさすがに言い過ぎでしょ)
と、思った
それから、綾さんにお礼を言ってお会計を済ませて、家に帰ろうとして街を歩いていると、
「ねぇあの人ちょーカッコ良くない?」
「ね!思った。芸能人のプライベートかな?」
などとまた聞こえてきて、なんとなく居心地が悪かったので、早歩きで家に向かった
☆ ☆ ☆
「ただいまー」
ようやく家に着いたので、ただいまーというと、ドタバタと、二階から明里が降りてきた
「おかえ……り……って、えぇぇ!!」
と、俺の顔を見るとそうやって大声出した
「どうしたんだ?」
「お、おにぃ?髪、切ったの?」
と言ってきたので俺は素直に茜に言われて伸ばしていたことを言った
「あぁ、今までは茜に言われて伸ばしてたが、もう茜につべこべ言われる筋合いないし、俺の好きに生きようと思ったから切ろうと思ったんだよ。」
そこまで言うと、明里は、納得したような顔をして
「なるほどね……あの人また、私のおにぃに、なんてことを言ってたのよ!だからおにぃ伸ばしてたんだ。たまに、髪をかきあげる時とか、カッコいいのになんで?って思ってたけど、納得。やっぱりあの人は、おにぃにとって害悪だから、ちゃんと私が守らないと。おにぃは、私だけのもの。」
と、何やら独り言を言っていたが声が小さくてあまり聞こえなかった
「明里、どうかな?変、かな?」
とちょっと自信をなくして言うと、
「ぜ、全然だよ!大丈夫!おにぃカッコいいから!
そこらのアイドルとか、俳優とかよりカッコいいから!」
と言われた
「いやさすがに、それはいいすぎだって」
と言うと、
「そんなことないって!おにぃは、カッコいい!
だって私のおにぃなんだから!」
と、鼻息荒く言った
(明里はこう言ってくれてるけど、多分身内の贔屓目だと思うんだよなぁ。まぁそれでも気を使って言ってくれる明里は、優しいなぁ)
と思ったのだった
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