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れんげの指輪
れんげの絨毯が風に揺れている
キミは
れんげの花の冠を作っている
ぼくは
あぜ道に座り本を読みながらキミを見ている
桜の花びらが風にふかれ舞っている
本の上に
ハラリと落ちた
キミが初めて隣に引っ越してきた日を今でも覚えてる
桜の樹の下で
両親の後ろに隠れて
栗色の髪が風になびいていた
天使かとぼくは思ったよ
冠が出来たようだ
キミが
白いワンピース姿でれんげの冠をつけて
こちらに向かってかけてくる
昔
ぼくが作ってあげたれんげの指輪
覚えているかな?
あの時もれんげの冠をかぶって
ぼくの所にかけてこようとして
転んで泣いてしまって
白いワンピースもれんげの冠も泥だらけ
困ったぼくは
れんげの花で指輪を作って
キミの指に
明日
ボクは戦地に向かう
無事に帰ってきたら
ボクはキミに結婚を申し込む
桜舞い散る
れんげ畑で
指輪を手に
読んで頂きありがとうございます。