3、家族
「生きておるな。良かったぁ良かった。」
私を強く抱きしめ、泣きじゃくるおじい様。今世はふたりきりじゃない。お母様の残した家族がいます。お母様のお父様にあたるおじい様、お母様に似た弟のベルート。
おじい様、ぎゅぅっと、ずぅっと・・・ちょっと苦しい。
「おじい様。」
私の息も絶え絶えな声に我にかえったおじい様はやっと離してくれました。が、私をペタペタと触ります。お父様は、今日は泣く泣くお仕事へ。大事な商談があるとのこと。お医者様もおじい様の後で訪問され、「特に問題なし」との診断。大事をとって明日からベッドを出ることになりました。
夕食もベッドです。メイドのサリーが給仕してくれる中、ドアの隙間からストロベリーブロンドの髪の毛がひょこひょこ見えます。
「べルート、いらっしゃい。」
焦げ茶の瞳を一瞬だけ大きくし、その後まさに破顔の笑顔で、
「うん!おねえたまとごいっちょ。」
という3歳児。うちの弟が可愛すぎる。お母様と同じストロベリーブロンドの髪をぴょんぴょんはねさせて、ウルウルと焦げ茶の瞳を湿らせて、
「ねえたまだいじょぶ?もういたいいたいない?」
お母様、私、この子の為に頑張ります。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
しばらくお話していたが、と階下が騒がしいことに気づく。
どうやらお父様が帰宅されたようです。
「エリーナ!目が覚めたのか!?」
普段は一つにくくっている金髪を振りみだしながら、ベッド
にかけつてくれました。お父様、ありがとう。最期、お母様と一緒に抱きしめてくれた。あの時がお母様との最期になったけれど、なんだかスッキリしているの。
「お父様、おかえりなさい」
「っつ。ああ、エリーナ。ただいま」
お父様は泣くのを我慢した顔をしながら、私の頬をなでた。
私はお父様に似たらしい。




