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16、祭りのあとで

 今まで毎日のように来ていた人が急に来なくなると寂しくなるものですね。


「・・・キース様。」



 呟いてみます。思い出すのは最後のあのシーン。


 しょんぼりしたキース様。


 嫌じゃなかったのです。気づくと無意識に手を触ってます。


 今日はオレンズ祭りの日です。

 オレンズ祭りのあとは王都へ戻ります。

 また学園の後期、スタートです。


 前世のテレビで見たけれど、ちゃんと防具つけないと大変そうね。オレンズの量も限られてるし、大きな広場のところにだけにしましょう。

 雪合戦ならぬオレンズ合戦ね。


 参加者は街の漁師たちや腕自慢の人たちです。


 大きな広場の周りに、オレンズに関係する加工品、お祭りならではの雰囲気です。まずまずの盛況です。


 夕焼けに染まる潰れたオレンズを街の運営員の人たちと一緒に片付けながら、ふと、楽しかった分、思ってしまったのです。


「…キース様が見てたらなんておっしゃるかしら。」


「エリーナお嬢様、心の声が漏れてます。」


 サリーがにこにこと微笑みながら指摘します。


 ――そうね。ちょっと絆されたみたい。

 領地では毎日会っていたもの。

 寂しく思ってしまうのも仕方ないですわ。


 話すと私に関して以外は意外にまともですし、そこを気にしなければ良い友人としていられますね。


 学園へ戻ったら、会った時にいつもどおり手を振りましょう。 



 また遠くからなんでしょうか。領地の時のように少しだけ近くでお話してほしいです。


 

・・・長期休暇ももうすぐ終わります。最後に孤児院へ挨拶へ行って王都へ行きましょう。インターン制度も4ターン目で、細々と続けられてます。孤児院では試験を受けるためにわざと孤児院入りする人もいて、様変わりしていました。


 思っていた以上の問題、経営の圧迫があったようです。孤児院の子供の数が2倍以上、試験を受ける子はその3倍です。


「ごめんなさい。受け入れ体制を考えていなかったわ。」

 少しやつれた院長へ伝えます。


「エリーナお嬢様の素晴らしい発案で、救える命が増えたと思えば、大したことではございませんよ。」


「でも、、、」


「感謝してます。領地だけでなく、そこに住む人たちについても考えてくださる。あなたは間違ってません。私はエリーナお嬢様に感謝してますよ。」


 そんなふうに言われたらもう、何も言えなくなります。


 至急、孤児院の経営状況の確認が必要です。私の配慮不足です。また、単純に月1度にしたのも問題です。回転が早くなるどころか無料で受けられるので、慢性化している他領の孤児もいるんです。これは領地経営を圧迫してます。長期休暇は移動を含めて残り2週間、今すぐできることをしましょう。


 移動中に資料を確認、経営の立て直しプランの作成です。王都へ戻り、建築物許可をお父様に確認します。

 建て直しで考えていることもあるのです。オレンズの加工場を作ったり、託児所など、新しく自営できるシステムも取り入れてみます。


「これ以上受験者が膨らむなら考えてたよ。

 まあ、キース様が案を出してくれて良かったよ。」

 すでにお父様も懐柔済みのようです。

 さすがですね。キース様。


 さて、残りわずかの学園生活、ちゃっちゃと卒業して本腰入れましょう。






読んでくださって、ありがとうございました。

引き続き読んでいただけましたら幸いです。

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