14、私のファン?
下着もかわいい系が飽和状態のようですし、ここで、セクシー路線で攻めてみます。
きっと売れますね。お金の匂いがプンプンします。
大人の色気です。
さて、学園に通い、すでに三週間はすぎました。
ひと月が6週です。
総合授業はこの国の成り立ちや歴史、行政の仕組み、礼儀作法にと、貴族としての必修とされる授業が多くを占めます。
ダンスや声楽、演奏などもあります。
午後からは商科の授業で、商談のポイント、外国語など、学びます。
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で、今日は呼び出し2回目のロイヤルガーデンです。
ちなみにこんどは侍従が呼び出しました。
で?このメンバー、何?
「お初にお目にかかります、カスティナス・ルートン男爵家が娘、エリーナと申します。」
伯爵家令嬢、王太子殿下婚約者候補筆頭のルナタル様がいらっしゃいます。他には王太子殿下に負けない爽やかイケメンが二人座ってます。一緒に座りたくないです。なぜかって?前世でも見たことがないイケメンに猫を被れる余裕なんてないからですよ。
顔面偏差値高すぎるこのテーブルへつけと。私に?
ほへーと眺めていいですか?殿下?
ほへーとなりそうな顔を精一杯うごかさないようにして、席へ近づきます。
いきなりリボンいっぱいのドレスが立ち上がりました。素早さが見事です。
後ろの侍従さんも動きが完璧です。
「はじめまして。最初にお伝えしておきますが、私、あなたのファンでもなんでもございませんの。殿下がお誘いしているとお聞きしまして、男爵令嬢との噂が立ってはと思い、殿下に相談しましたら、同席を許可いただきましたの。
二年生のコーデリ伯爵家が娘、ルナタルと申しますわ。巷で流行りの話と似たようなシチュエーションで、私、戦々恐々してますわ。悪役令嬢にはなりたくないので、直接対話して、諦めてもらいましょうと思ってますの。」
ほへーって見てしまいそうでしたが、いや、話しているとき、猫はどこかにでかけていたかもしれません。
いや、それより。
伯爵令嬢の隣に座る、
ニヤニヤがとまらない王太子殿下にぎょっとします。
え、何この子、意外なんですけど。はっきり牽制にきたって。
わざわざ。それでいて今日と悪役令嬢になりたくなくて、リボンいっぱいの可愛らしいドレスね。幼く見えます。私にプリプリ怒ってるのに全然怖くないです。むしろかわいいんですけど。
殿下、実はこの子お気に入りなんですね。ロイヤルスマイルできてませんよ。
「…顔。」ボソッと呟いてしまいました。
あ、聞こえちゃいましたね。すみません。
「コホン。で、こっちが君のファンね。」
黒髪のアメジストの瞳で、さっきから見つめられてるのは感じてました。
「はじめまして。あー。私にとってははじめましてではないのですが、あなたを孤児院で見たときから感銘をうけまして、ずっと追いかけてます。女神さま、エリーナ様、結婚してください。」
・・・ヒィィィ!
ススストーカー!?
ずっと見てたって、追いかけてててて。
けけけ結婚??
「おい、怯えてるだろ。」
もうひとりの赤毛のイケメンさんがとめます。
「こいつはキース。宰相閣下の息子。マナサルト伯爵家の長男な。俺はモリアス。ちなみに俺はこいつのお守役で止めるための要員な。よろしく。」
「お手に触れても?ああ、吐息だけでも吸わせてもらえませんか?」
止まりません。
宰相の息子。
お祖母様情報だと、王太子殿下の側近で、次期宰相も間違いないだろうと言われる切れ者でしたが。
ペシっと頭をモリアス様より叩かれてます。
「まったく、キース、落ち着いてくれ。いつもの冷静沈着なお前らしくないぞ。カスティナス男爵令嬢のことになるといつもだが。」
王太子殿下、そう言いながらこの状況楽しんでますよね、絶対。
「それであなた、殿下をお慕いしていらっしゃるの?」
そしてこっちの直球!!
カオスなお茶会です。
「お慕いも何も、王妃様のドレスデザインの件で連絡いただいただけで、王妃様に殿下もよろしくとご贔屓いただいただけですわ。」
ハンカチを握りしめて
「……王妃様公認のライバルなのね。」
と涙声になる姿。そうね、今のところ、殿下の婚約者にはなり得ないしなりたくないけれど、なんだか面白いからそういうことにしておきましょう。
「あなた、領地経営科かしら?」
「いえ、私は1年で卒業する予定です。」
「家政科は?」
まったく、ルナタル令嬢と言い、殿下といい、どうして私に家政科を受けさせたいのかしら?刺繍や服飾のデザイン目当てでしょうか。
「いえ、商科を選択しております。ご存知かもしれませんが、母をなくしてから父が男手ひとつで育てております。父を少しでも早く支えたいので1年で卒業の予定です。弟が領主になるまではお金を工面したいので商科一択ですわ。」
「お母様を亡くされたのですね―――不躾にお聞きしちゃってごめんなさい。」
良い子!ちゃんと謝れるこのルナタル令嬢!
「キースから聞いてるけど、商科でなくてもすでに稼いでるんだし、家政科でもいいと思うけどなぁ。」
「…お金がないことで辛いことを経験されたことがないから、そのようなことをおっしゃるんです。貴族の矜持より、生きるために必要なこと、それを優先して何が悪いのでしょうか?」
前世でお金が無いから働き尽くしだったのです。
楽に生きたいと思って何が悪いのでしょうか。
貴族の学園なんてお金はかかるし、だったらお金儲けを学べる商科しかないのです。
「――私が支払います。ぜひ家政科をお願いします!」
というのはキース様。いや、あなたのお金で受講したら、重い借りどころか、嫁コース一択しか見えないです。
「お断りいたします」
「フフフ。領地経営次第では二年目の検討の余地はあるのかな?」
王太子殿下が王妃様と同じ笑みで聞いてきます。
「――そうですね。」
私は脱力して曖昧に答えるしかありませんでした。




