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不定積分
君を放したくないと
そう思った
手を引いてから
違和感
僕は「何故」そう思ったのか
君の笑顔に惹かれ
君の言葉に感動し
君の温度に癒され
君の全てを欲した
けれど僕は「何故」そのような感覚に陥ったのか
確かに関数があった
そこに付随する「何か」があった
僕は君に恋愛感情を抱き
僕は君を独占したいと
君の傍で永遠を過ごしたいと
こんなにも明言できるのに
その関数関係を
論理立てて説明することは
できなかった
僕は僕の感情の理論を
君を放したくない理由を
漠然としか把握できていなかった
「いいのよ、だって」
君は意図不明な僕の涙を拭いながら微笑む
「きっとそれは、積分定数だわ」
僕が数学を苦手としていることを知りながら
君は楽しそうに微笑む
微分される前の定数項が何だったのかは、不定積分からじゃ分からないっていうアレ。




