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x通のラヴレター

(花束のような手紙をあなたへ)

手紙をしたためていたら

とつぜん溢れた


好きなの 好きだった

 好きです 好きでいたい

好きかも 好きなんだ

 好きだって 好きだから

好きよ 好きすぎる

 好きみたい 好きだもの

好きだけど 好きでいさせて


便箋が足りなくなっていた

(書き足りないよ、どうしよう)

足りてはいけない気がした

(この程度か、と思われたらどうしよう)


月が蝕み星が邪魔する

私の理性が感情にほだされて

どうやらもう 求めずにはいられない


昔から在る愛のことばでは足りない

(私が抱く感情は誰かのことばにしてはいけない)

未来に語り継がれることばにはしない

(私が抱く感情が真似されるなんてとんでもない)


言い換えても

(必要だよ、傍に居たいよ)

置き換えても

(あなたは私の水であり太陽である)

100%になり得ないココロ


一言にしたくない熱量と経緯

一言にしてはいけない時間と起伏

どんな表現が適切か

模索するそばでまた募ってる

書きおこした分だけ増える


きっとそう

芽生えた瞬間から

永遠に膨張してゆく宇宙


助けて こうじゃないの

そうじゃなくて もっと

深くて 重くて

大きくて 優しくて

激しくて 粘り強くて

温かくて 攻撃的で

自虐的で みっともなくて

耐え難くて 脆くて

数えきれない


本を読んでも見つからない

(だってこれは私の感情)

分析なんてできっこない

(すぐに形を変えてしまう)


今はただ

ことばに届かなかった欠片を

追い付かなかったこころを掬う

集めたらまた手紙にして

届けてみるよ


これは宇宙のラヴレター

x通のラヴレター

読んでくれたら嬉しいな

返事をくれたらもっと嬉しいな

読破ありがとうございました。

ようやく終わりを迎えることができたこの詩集、なんと1年以上も書いておりました。

なのに書き足りない、というのが『x通のラヴレター』の素晴らしいところであり恐ろしいところでもあります。テーマとなる「愛情」が幅広くそして深いため、何通したためても足りないのです。


不明瞭な言語、非論理的な感情、未知の人間像……ここまでぼやけているのに、互いに惹かれあうこともまた不可解で神秘的。分かり合えなくて衝突したり、分かり合えないことすら受け入れて共生したり。

この詩集を通じて味わってもらえたらと思います。


それでは、最後にもう一度、ありがとうございました。

壱宮

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