表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャンディボーグ ボクと美少女機械生命体  作者: 田山人由自
第1章 ヤバイ2度目の14歳
7/7

7 最高級の餌


 光歩(こうふ)はうな垂れてバスタオルを腰に巻くと浴室から出て、4階の保健室からも出て行こうとする。


「コーフ、待て!」


 保健室の空間にも、リデル司令の映像が四角いモニター画面風に現れる。

 室内には、ラン、ミキ、スーがまだいた。

 光歩は足を止める。


「リデルちゃ~ん」


 スーが映像のリデル司令に手を振った。

 リデル司令は眉をひそめる。


「お風呂で言ったこと以外にも伝えることがある」


 光歩は暗い顔で、リデル司令の方に身体を向ける。


「お前とリオンは、美少女魔獣物体を誘い出す餌でもあるんだ」


「――エサ!?」


「忘れただろうけど、お前は知っていて志願したのだよ」


莉音がバスローブを着て浴室から出て来る。

光歩はチラッと莉音に視線を向けて頬を赤らめた。


「子作りしながら餌になるのは大変だわな。本当の餌にならないように、オモチャのそいつらがいるわけよ」


「オレたちがいないとただの餌のくせに、オモチャとは言ってくれるぜ。ちびっ子のリデルちゃんよ」


「ラン、お前が私の部下だったらぶっ壊してやるんだけどな」


 リデル司令とランはお互いの顔を見てニヤッと笑う。


「子作りってなに?ミキ姉ちゃん」


「人間の男性と女性が合体なさって小さな人間を作ることですわ」


「合体?人間も戦闘ロボ形態になれるんだ!スーたちは合体しても仲間を作れないね。人間ってスゴイ!」


 光歩は、莉音と目が合ってしまい赤面する。


「人間だけじゃないですわ。下等な生物の殆どは合体して仲間を増やしますの。人間については、必要もないのに合体して、作った小さな人間を処分することもありますのよ」


「スー、意味分かんな~い!」


「美少女魔獣物体は、異空間転送された我々コンナンス人を食べると、能力がも~のスゴ~ク上がるんだよ。だから食べられるんじゃないぞ。言っておくが、ランが言ったみたいなコンナンス人はただの餌ではない」


「そうなんです、先輩。単純なんですけど、私たちには戦う魔法があるんです」


 莉音が積極的に視線を向けて来たので、光歩は恥ずかしくて俯いた。


「そんなもん役に立ったことねえぞ」


「お姉様!たまには役に立つこともありますわ」


「……それでか!ボクたちの名前が分りやすく変えられてないのは!普通だったら、敵に分らないように全然違う名前にするはずなのに、例えば――」


「スーが大好きな宇宙刑事ギャバンは、一乗寺烈だったよね」


「宇宙刑事シャリバンは、伊賀電のコードネームなんだぜ」


「宇宙刑事シャイダーも、沢村大のコードネームなのですわ」


「コーフ・ナボーが、奈坊光歩(なぼうこうふ)って――魔獣のおねえさんたちには顔を見られちゃったけど、名簿とか入手されたら一発でバレちゃうでしょ」


「せっかくの異世界だからな。名前にその国の漢字を当てたのは私のアイデアだ。別に意味なんかないんだよ、最初っから」


 そう言って、リデル司令はいたずらっぽく舌を出した。


「……」


「あいつら、美少女魔獣物体は、異空間転送の着地点を嗅ぎつける能力があるんだわ。昨日、あいつらに襲われただろ?コーフちゃん」


「――はい」


「あいつらが、ランたちキャンディボーグを怖がってるのも分ったんじゃないか?」


「スーがいたから、ここまで歩いて来れたんだね」


 光歩は笑顔のスーに顔を向ける。


「他のキャンディボーグは来てくれなかったけど」


「贅沢言うんじゃねえ。一人に一体だと思っとけ」


「ワタクシたちに頼りきってもいけませんわ。守り切れなくて食べられたり、大ケガされることもありますので、油断は禁物ですの」


「先輩、これからは長距離を歩いて帰って来るのは危険です!」


「だけど、ここって大丈夫なんですか?」


「大丈夫だ。ここがある限り、最高級の餌がやって来るんだからな。それを邪魔するなんて、あいつらはそんなバカじゃないよ」


 そう言うと、リデル司令は小さなクッキーを口に放り込んだ。


(子作りに餌って、ボクはヤバイところに来ちゃったぞ!)


 光歩はそう思って、緩んだ腰のバスタオルを両手で掴んだ。





読んで下さって、ありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ