3、失ったものは二度と戻らない
一度完結しましたが、この話を書きたくなったので、投稿します。もしかしたら、また書くかもしれません。
実は、この話実話を元にして書いてます。
リリーの謹慎処分が終わって、4年ほど経ったある日、私は買い物をするため、人の多い街中を歩いていた。
すると帰る途中で、
「思い出したんだけどさ~!リリーちゃんさ、目つきが変わったわよね!
なんか、バーンってなってたのがほわーんって!
先生、嬉しくて感動しちゃったわぁー!」
と、声が聞こえた。
どう見てもリリーと、お人好しで有名なあの先生だった。
前あったリリーとの出来事は、苦い思い出となっていたので、私は慌てて後ずさろうとした。
が、足を滑らせて転んだ。
その衝撃で、派手に音が立ってしまった。何で!?
それに気付いた先生とリリーが振り向く。
転んだ痛みより視線が痛い。
「ええ!?……その顔、もしかしてラニちゃんなの!?怪我、大丈夫かしら?!」
先生は慌てて駆け寄って来た。
応急処置をしてもらい、お礼を言う。
リリーは困惑顔でさっきからここにいる。
あっちに行きたまえ。
それにしても、リリーとは一切話したことも、あったことも無かったので、リリーは私のことを忘れてくれて居るのだろうか?
「ラニちゃんーーー!ラニーーーーー、ちゃーん?!
ねえ、聞いてるの!?」
あ、聞いてなかった。
「ごめんなさい。大丈夫です。では。」
私は去ろうと、看病されて座ったままの腰を浮かせた。
「待って」
声をあげたのはリリーだった。
何の用だろう。
声をあげた本人も唖然としている。
反射だったのかな?
「あの、あの時はごめんなさい。」
謝らなくていいのに。もう、終わったんだから。
「うん、OK。謝らなくていいよ。」
「ありがとう、ございます。」
相手はそう言って頭を下げた。
なんでやねん!もういいのに。
「あの!少し話しませんか?」
「少しだけなら」
そう言って、リリーはおずおすと話し始めた。
自分の愚かさに気付いたこと、それを教えてくれた人への感謝、そして本当に申し訳なかったこと。
私は黙って聞いていた。
正直、リリーの話を完全に話を信じていたわけではない。だけど、受け止めることができた。
リリーの話を聞き終わった後、私も話をした。
リリーが居なくなったあとの学校についてや、性格が変わってびっくりしたこと、良い方向に変わって安心することができた話、他にもたくさん。
全ての話が終わった時、時間はかなり過ぎていた。
まあ、仕方ないか。
リリーと別れる時、私は手を振った。
もう二度と話すことはない。
一度もリリーの方へ振り向かず、自分の家へレッツゴーと歩みを進める。
……悪くはなかった。
家に着いても、少しだけリリーのことを考えていた。考えの最後に思ったことは、私とリリーの「」は一度でも失ったら、元に戻らない。
そう、戻ることは永遠に、ない。
一筋だけ、ラニの熱を帯びた心の光がゆっくりと、ほんの少しだけ名残惜しく消え失せていくように感じた。
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