Chapter 022_旅の終わり
『…ギィッ!ズズズズズ…』
内側から扉に貼り付いた氷を払い。
男性陣4人に押された巨大な門戸ははじめ、
静止摩擦でちょっぴり抵抗したけど、その後は素直に
応力に負けて・・・
「わぁ〜!」
「うにゅぅ〜!?ま、眩しいのです…」
・・・まず、初めに
綴られし世界を照らす眩い太陽と、雪の照り返しが
偉大なドワーフの遺構を7,000年ぶりに光で満たし・・・
「・・・ひぅっ・・・」
「っ!マシェリィ!?…エウロス!何やってんの!?!?」
「お、おぅ!?いま、暖かい風を…」
「・・・ふぅ・・・あ、ありがとフルート。エウロスも・・・」
「もちろんさ!」
「ご令妹様。上着を…」
「ぅ、ぅん!ありがとローズさん!」
・・・久方ぶりの外気が
降り積もった埃と闇を掃除して。そして・・・
『『『『『ブシュルルルルゥ!!!』』』』』
「・・・ヒュドラ・・・そう。間違いないのね・・・」
指から這い降りた“アドゥステトニア大陸”生まれの5頭の蛇は
雪原に先回りして私に振り返り・・・
『『ググルルルゥ!!!』』
『『ぴひゅるるるぅ!!』』
「・・・ツィーアン・ツィーウー!フーウェン・フーシェン!!・・・みんな、迎えに来てくれたのね!?」
『『『『グぴクひュルルルルルゥ!!!!』』』』
クルリ湖からわざわざ迎えに来てくれたのは
4輪の虹・・・
「あー!フーウェン君とフーシェンちゃんだぁ!」
「…喚んでねーのにコイツラが居るってコトは…」
・・・間違いない。
ココは・・・
「…ロード。」
・・・そして最後に
「・・・ウリエル・・・」
恭しく頭を下げた
一柱の熾天使が・・・
「…お帰りなさいませ。ロード!」
その言葉に、
「んっ!」
私も手を挙げ!
「ただいまっ!!」
唱えたのっ!




