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まほー(物理)  作者: 林檎とエリンギ
10th Theory
437/476

Chapter 046_夜の嵐

林檎です


本話。すこーしだけ短めです。

ご了承くださいませ…

「妹ちゃんを頼んだよー!!」


振りかえる余裕のなかった

ぼくは



「おっ!」

「ちょっ!」

「「「フィロs…!?」」」

「「えぇっ!?」」


ゲオ君とローズちゃんと”花の(フラゥル)”たちと魔族たちの叫びを無視して



「しゅぴ〜…」


かわいい彼女の家族…つまり。

()()()家族の寝顔を



「、」


一瞬、

瞳に映して!



『キィ…』


エウロスに!



「…いいぞ、主人!」


優しい”そよ風”で扉を閉めさせ



「…とりあえず!広場まで行くぞ!」

「よし!」


エウロスに、この体を嵐で包ませ

飛び上がり



「行くぞっ…」

「あぁ…」


夜闇に浮かび上がる黒と白が渦巻く…まるで、竜巻の様な…

『ギャアギャア』と叫びを上げる巨大な嵐を目指した…



………

……






















「ブレスッ!!」

『『『ヒャアァァァッー…』』』


質量を持った嵐…鳥たち…を蹴散らしながら

聞いた場所に降り立ったぼくを



「フルート殿ーっ!!」

「ふ、ふふふ…ル…」


出迎えたのは…



「…来たよ。閻魔君と。えぇと…」

「マスバラスエ…で。ございます…」

「…”手の君”ね。」


不気味な配下(ゴクソツ…とか呼んでいたっけ?)で取り残された仲間を(かば)いながら

手斧を振るう閻魔君と、


その肩にチョコンと乗って指を振る

傷だらけの”手”だった…



「…まったく。しっかりしてく…「主人!」くっ…エウロス!!」「あぁ!」


質量を持った翼の嵐は広場を取り囲んでグルグルと回りながら

当たり構わず…敵味方もなく…瞳に映るスベテに一塊となって爪を立てていた。

もちろん…



「『林の願い 北の森を往く』ブレス!」


…そのど真ん中に…嵐をこじ開けて…無理矢理はいったぼくも

その瞳に映るワケで…



「「「「「ヒャアァー……」」」」」


…そして振り返り



「も、申しわけ…」


頭を下げた閻魔君の言葉を…



「いいかr…くそっ!『林の願い 北の森を往く』ブレス!!」

「「「ヒャアァー…!!」」」

「エウロス!!」

「あぁ…それっ!!」

「「ヒアァ〜…」」


(さえぎ)り!



「アノ嵐の中心に竜の君がいて。できるだけ鳥人間を殺したくない…で!いいね!?」


矢を放ち、エウロスにも風を続けさせながら…



「お、仰ると…」

「け、けけけ…」

「…マ、マスバラスエが言うには!アノ中心部には隙間なくハルピュイアが(ひし)めき合っており。一瞬も顕現できな…」


「そんなの見れば分かるだろう!!」


叫び!



「大規模魔法で蹴散らす!!」


構え!



「しゅ、主人を援護しろ!!」


ぼくの姿を見たエウロスが魔族たちに命じると、



「よ、よし!…みな!精霊様の言う通りにしろ!!」

「「「「「はっ!!」」」」

『『『『『ヒアア゙ア゙ァ゙ー…!!』』』』』


少々不気味…では、あるけれど。

まぁまぁ…頼りにならなくもない…援護を受けながら!!




「いくぞっ!!」


唱える!!



「『リブラリアの理第3原理』」


ここにはいないけど…



「『綴られし定理を今ここに』」


見ていてくれよ! マ・シェリー!!



「『水の願い 夏の海真(うみま)のその上で 光と影をこの身に帯びて』」


この詩を…



「『天の想いを齎さん 颶風(ぐふう)矢雨(やめ)の威をって (いかずち)さえも味方につけて 樹下(じゅか)の万事を薙ぎ刈る嵐 青き森を往く』!」


…君へ!!



「テンペスト!」


………

……





















……

………



エロフが外に出たせいか…それとも。

”初めから”だったのかは分からない…



「…取り囲まれているな。」

「「「「「っ…」」」」」


ゲオルグ様によると…

魔族の隠れ家であるこの廃屋を取り囲んでいるのは

総勢8名+α


“プラスアルファ”っていうのは、気配を消しているみたいで、よくわからない…と、いうコト。

でも、気配を消した”ナニカ”が”幾つか”()るのは間違いないらしい…



「テーは…?」

「ここに!…安らかに。お休みになっております…」


ここは魔族…反抗組織…の隠れ家だ。

エルフに見つかっていない場所だから”安全”だ…と。聞いていたいんだけど…



「…すまんな。」


反乱のさ中…しかも、イレギュラーまで起きた今。

この程度のトラブルは想定内。


コレもきっと魔女様の偉大な(うた)の一節…


…そう、思えば。

ドウということもない…



「コレは自分達の責任です。」

「次の隠れ家へ向かってください。」

「この場は。我々が…」


…けれど。

私達をココまで案内してくれた魔族さんは

ソウは思っていないらしい…



「「「…囮に。」」」


…そう、言いながら。

私の背中のご令妹様に、フードを優しく被せてくれた彼等を疑い

糾弾するのは誠意に欠ける。


角と尻尾が生えた…お伽話の通りの…見た目をした【魔族】は。

物語と違って紳士的であり、誠意的でもあった。



「…あ、ありがとうございます…」

「いいえ…ふふふ。大切な…お客様。ですから…」

「…」


…少なくとも。

疑念と面倒臭さ全開で私達に相対した

偉そうなエルフより何万倍もマシなのは間違いない…



「ソレでは…」

「…どうぞ。お気を付けて…」


少なくとも…



「はい!」

「…お前らも…せいぜい、生きろよ。」


”この時”の私は。



「………えぇ。」

「もちろんですよも………」


そう。思っていた………


………

……





















「…よし。最終確認だ。」

「はい!」

「「「はっ…」」」


…地上の敵を魔族さんたちに任せ。

私達は隠れ家の地下室へと

やって来た…



「順番は…まず。気配察知に優れたグリッサンド(忘れているかもしれないけど…このエルフは。チューリップの里で”畏れ多くも”お嬢様の奴隷となった<(うらや)ましい!>3人のエルフの…隠れてストーキングしたけど見つかって。エロフに射貫かれ張り付けにされ。シュシュちゃんに引きずられた…)」

「はい!」


「…次いでオレ。テーを抱いた侍女。」

「はい!」「しゅび~…」


「…そしてリゾルート。」

「はっ!」


「…殿(しんがり)はザイロフォンだ。」

「はいっ!!」


「…頼んだぞ。」

「「「「頼まれました!」」」」


私達はコレから。

”物置き”に偽装された地下室の棚を動かし”穴”から下水道に入り。

ソコから複雑に折れ曲って次の隠れ家へ向かう事になる。


次の隠れ家は、魔族の補給拠点にもなっている

里外(さと はず)れの倉庫らしい。

ソコまで行けば、強い魔族や兵士も沢山いるので安心…


…との事。



「…うん。ヒトの気配は感じないわ…」

「…よし。順に降りて来い」

「はい…」

「「はっ…」」


けど…本音を言えば。

不安だ。



「『灯よ 静寂を穢す者』スカルボ…。…いいか?用心のため灯りはコレだけとする。足元に気をつけて付いてこい。物音を立てずに。気配も消せ。戦闘にならない限り魔法も魔纏術も禁止だ…」

『『『『コクッ…』』』』


深夜に。


初めて訪れた見知らぬ…しかも、敵(ココは魔族や人間の暮らす場所だけど。反乱組織のメンバー以外は、基本的にエルフの手下)だらけの…場所で。


覚えたばかりの言葉を耳にして。


味方だと”言われた”ヒトを信じ。


不潔な迷路を(ともしび)1つを頼りに。


決して失ってはならない宝物を抱えて。


ひた走るなんて…



「…行くぞ」

「「「「…」」」」


…お嬢様のご命令でなければ絶対にごめんだ。

再会したら抱きしめてもらって。ついでに

チューの嵐をお見舞いしないと気が済まない!



「むにぃ〜…ねしゃまぁ〜…」

「…ご令妹様?」

「むにむにぃ~………」


だから…



「…しkーらぃn、らぁらぁ~…」


…必ず。




「…ふふっ。子供の頃のお嬢様に、そっくり…」

改めまして林檎です。



…恐れていたコトが起きてしまいました。


ついに。連載が執筆に追いついてしまいました。 X(


いつも多くの方にご覧いただいているので頑張りたいのですが…申し訳ありません。


本話から連載速度を 1話/週 と、

させて頂きます。


これも、定期連載を続けるために必要な事ですので…

…ご理解いただけますと幸いです。



どうか見捨てないで!!

気長に待って頂けると助かります!!


よろしくお願いいたしますデス! XO

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